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公開番号
2024127176
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-20
出願番号
2023036154
出願日
2023-03-09
発明の名称
リサイクル炭素繊維の回収方法
出願人
愛媛県
代理人
個人
主分類
C08J
11/12 20060101AFI20240912BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】低コストでCRFPからリサイクル炭素繊維を回収することのできるリサイクル炭素繊維の回収方法を提供する。
【解決手段】本発明に係るリサイクル炭素繊維の回収方法は、炭素繊維強化プラスチックを加熱炉10内で熱処理することでリサイクル炭素繊維を回収する回収方法において、炭素繊維強化プラスチックを上部に換気穴51の開いた金属密閉容器50内に収容して加熱炉10内に設置する収容工程S1と、加熱炉10内を所定の温度まで上昇させる加熱工程S2,S3と、加熱炉10内を冷却する冷却工程S5,S6と、を備える。また、本発明に係るリサイクル炭素繊維の回収方法において、冷却工程S5,S6は、加熱炉10内を不活性ガスで置換しながら所定の温度まで冷却する不活性ガス置換工程S5を備える。
【選択図】図5
特許請求の範囲
【請求項1】
炭素繊維強化プラスチックを加熱炉内で熱処理することでリサイクル炭素繊維を回収する回収方法において、
前記炭素繊維強化プラスチックを上部に換気穴の開いた金属密閉容器内に収容して前記加熱炉内に設置する収容工程と、
前記加熱炉内を所定の温度まで上昇させる加熱工程と、
前記加熱炉内を冷却する冷却工程と、
を備えることを特徴とするリサイクル炭素繊維の回収方法。
続きを表示(約 460 文字)
【請求項2】
前記冷却工程は、前記加熱炉内を不活性ガスで置換しながら所定の温度まで冷却する不活性ガス置換工程を備えることを特徴とする請求項1記載のリサイクル炭素繊維の回収方法。
【請求項3】
前記不活性ガス置換工程は、前記冷却工程の開始後、前記加熱炉内が400℃以下になるまで冷却する工程であることを特徴とする請求項2記載のリサイクル炭素繊維の回収方法。
【請求項4】
前記加熱炉はいぶし窯であり、
前記不活性ガス置換工程は、前記いぶし窯が備えるブタンガス注入用配管を用いることを特徴とする請求項2記載のリサイクル炭素繊維の回収方法。
【請求項5】
前記加熱工程は、500~620℃まで昇温させることを特徴とする請求項1記載のリサイクル炭素繊維の回収方法。
【請求項6】
前記収容工程は、さらに下部にも換気穴の開けられた前記金属密閉容器内に収容する工程であることを特徴とする請求項1乃至5何れか1項記載のリサイクル炭素繊維の回収方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素繊維強化プラスチックからリサイクル炭素繊維を回収する方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は、軽量で高強度、錆びないという特性を有し、市場の拡大が進んでいるが、廃棄される使用済みCFRPが今後大量に発生することが問題となっている。
【0003】
CFRPは、一度成形すると形が固定されてしまい、CFRPを溶かして別の形に作り替えることができないため、リサイクルするためには、CFRPに複合化されているマトリクス樹脂を取り除いてリサイクル炭素繊維(rCF)を回収する必要がある。使用済みのCFRPからrCFを回収する技術は、例えば、下記特許文献に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平6-99160号公報
特開2005-3017121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1においては、300~600℃のガス雰囲気化でプラスチックを熱分解する際に、酸素によるrCFの劣化が生じてしまう。また、特許文献2では、rCFの酸素劣化を防止するために、炉内容量に対して10~100倍の不活性ガス(窒素やアルゴン等)を導入しながら熱処理を行っているが、不活性ガスが大量に必要となり、回収コストが大きく上昇してしまう。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、低コストでCFRPからリサイクル炭素繊維を回収することのできるリサイクル炭素繊維の回収方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係るリサイクル炭素繊維の回収方法は、炭素繊維強化プラスチックを加熱炉内で熱処理することでリサイクル炭素繊維を回収する回収方法において、前記炭素繊維強化プラスチックを上部に換気穴の開いた金属密閉容器内に収容して前記加熱炉内に設置する収容工程と、前記加熱炉内を所定の温度まで上昇させる加熱工程と、前記加熱炉内を冷却する冷却工程と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るリサイクル炭素繊維の回収方法によれば、低コストでCFRPからリサイクル炭素繊維を回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、本発明の実施形態に係るいぶし窯の構成を示す鉛直断面図である。
図2は、本発明の実施形態に係るいぶし窯の構成を示す水平断面図である。
図3は、本発明の実施形態に係るアルミ箱の斜視図である。
図4は、本発明の実施形態に係るアルミ缶の斜視図である。
図5は、本発明の実施形態に係るrCFの回収方法を示すフローチャートである。
図6は、本発明の実施形態に係る熱分析装置による比較試験の結果を示す図である。
図7は、本発明の実施形態に係るCFRPの電子顕微鏡写真である。
図8は、本発明の実施形態に係る回収されたrCFの電子顕微鏡写真である。
図9は、本発明の実施形態に係る回収されたrCFの電子顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態では、加熱炉として、いぶし瓦の製造に用いられるいぶし窯を活用して、使用済みの炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を加熱し、樹脂成分を除去してリサイクル炭素繊維(rCF)を回収する方法について説明する。
(【0011】以降は省略されています)
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