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公開番号2024127472
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-20
出願番号2023036647
出願日2023-03-09
発明の名称使用済樹脂の再生方法
出願人豊田合成株式会社
代理人個人
主分類C08J 11/00 20060101AFI20240912BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】使用済樹脂を、臭気が抑制され、靭性に関する引張伸び及び衝撃強さの低下も抑制された、リサイクルの用途幅が広い再生樹脂に再生する。
【解決手段】使用済樹脂にアミン化合物系のVOC捕捉剤を0.03~0.3重量%添加して溶融混合し、該使用済樹脂に含まれるVOCのうち少なくともホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドを前記VOC捕捉剤に捕捉するとともに、該使用済樹脂に含まれる揮発性におい物質を減圧により気化除去して、臭気が抑制された再生樹脂にする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
使用済樹脂にアミン化合物系のVOC捕捉剤を0.03~0.3重量%添加して溶融混合し、該使用済樹脂に含まれるVOCのうち少なくともホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドを前記VOC捕捉剤に捕捉するとともに、該使用済樹脂に含まれる揮発性におい物質を減圧により気化除去することを特徴とする使用済樹脂の再生方法。
続きを表示(約 340 文字)【請求項2】
前記使用済樹脂は廃棄自動車由来のものである請求項1記載の使用済樹脂の再生方法。
【請求項3】
前記使用済樹脂にバージン樹脂を混合する請求項1記載の使用済樹脂の再生方法。
【請求項4】
前記溶融混合前の使用済樹脂にホスファイト系酸化防止剤を添加する請求項1記載の使用済樹脂の再生方法。
【請求項5】
前記溶融混合は混練押出機にて行う請求項1~4のいずれか一項に記載の使用済樹脂の再生方法。
【請求項6】
前記減圧は前記混練押出機の減圧ベントにて行う請求項5記載の使用済樹脂の再生方法。
【請求項7】
前記混練押出機は2機を前後直列で用いる請求項5記載の使用済樹脂の再生方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、使用済樹脂をリサイクル可能な再生樹脂に再生する方法に関するものである。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
使用済樹脂はそれに含まれたVOC(揮発性有機化合物)等により臭気を発することが多く、そのままではリサイクルの用途幅が狭い。そこで、使用済樹脂に臭気抑制剤を加えることにより、臭気を抑制した再生樹脂にすることが試みられている。
【0003】
特許文献1には、ポストコンシューマー樹脂(使用済樹脂)に、臭気抑制剤としてのCaO等の金属酸化物と酸性コポリマーとの組み合わせを加えることが記載されている。金属酸化物は5.0eVを超えるバンドギャップを有するものに特定され、CaOのほか、MgO、SrO、Al
2

3
も挙げられている。酸性コポリマーは、エチレンモノマー及びカルボン酸コモノマーを含有するコポリマーである。
【0004】
しかしながら、特許文献1の再生方法には、次の問題がある。
・使用済樹脂にCaO等の金属酸化物を添加すると、再生樹脂の特に靭性に関する引張伸び及び衝撃強さが低下するため、ダウンサイクル利用が多くなり、元部品へリサイクルすることが難しい。
・臭気成分として、揮発性ヘテロ-カルボニル種(揮発性C1~C16のアルデヒド、ケトン、カルボン酸、エステル、アルコール、エーテル)を挙げているが、炭化水素系化合物の除去については言及されていない(除去できていないと考えられる)。
・使用済樹脂は、包装容器(ボトル、パッケージ、フィルム)由来が主であって、廃棄自動車由来の言及はない。なお、特許文献1以外の従来技術をあたっても、廃棄自動車由来の使用済樹脂を再生して自動車内装部品へリサイクルする事例は少ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特表2022-521976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の目的は、使用済樹脂を、臭気が抑制され、靭性に関する引張伸び及び衝撃強さの低下も抑制された、リサイクルの用途幅が広い再生樹脂に再生することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]使用済樹脂にアミン化合物系のVOC捕捉剤を0.03~0.3重量%添加して溶融混合し、該使用済樹脂に含まれるVOCのうち少なくともホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドを前記VOC捕捉剤に捕捉するとともに、該使用済樹脂に含まれる揮発性におい物質を減圧により気化除去することを特徴とする使用済樹脂の再生方法。
【0008】
[作用]
使用済樹脂にアミン化合物系のVOC捕捉剤を0.03~0.3重量%添加して溶融混合することにより、次の化学反応式に示すように、該使用済樹脂に含まれるVOCのうち少なくともホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドが前記VOC捕捉剤に捕捉され、再生樹脂の臭気が低減する。また、使用済樹脂に含まれる揮発性におい物質を減圧により気化除去することにより、CaO等では除去できないと考えられるC11~C18の低分子量炭化水素等が除去され、再生樹脂の臭気がさらに低減する。
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2024127472000002.jpg
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【0009】
前記VOC捕捉剤の添加量が、0.03重量%未満であると前記捕捉が不十分となり、0.3重量%を超えると再生樹脂の引張伸び及び衝撃強度が低下する。VOC捕捉剤の添加量は、0.04~0.2重量%がより好ましい。
【0010】
[2]使用済樹脂は廃棄自動車由来のものである[1]記載の使用済樹脂の再生方法。
使用済樹脂が廃棄自動車由来のものである場合、従来は臭気規格を満足できなかった廃棄自動車由来の使用済樹脂の臭気を十分に低減し、臭気規格を満足する再生樹脂にすることができる。その再生樹脂は、自動車内装部品へリサイクルすることができる。こうして、大量に発生する廃棄自動車由来の使用済樹脂のリサイクルにより、CO2排出量削減、サーキュラーエコノミーに貢献できる。
(【0011】以降は省略されています)

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