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公開番号
2024132316
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-30
出願番号
2023043060
出願日
2023-03-17
発明の名称
報知システム
出願人
本田技研工業株式会社
代理人
弁理士法人クシブチ国際特許事務所
主分類
G08G
1/16 20060101AFI20240920BHJP(信号)
要約
【課題】報知の緊急度又は重要度が中程度である場合において、移動体の乗員に不要な緊張を与えることなく且つ乗員が気付きやすい態様で報知を行う。
【解決手段】移動体に関わる情報を乗員に報知する報知システムは、注意音を生成する注意音生成部と、移動体の室内に配されて、上記生成された注意音を出力する一つ又は複数のスピーカと、を備え、注意音は、所定の持続時間で持続するシグナル音の、複数回の繰り返しで構成され、シグナル音は、最大強度に至るまでの立上り時間が60ms以上であって、最大強度が41dB以上、74dB未満であり、1000Hz以上、2000Hz以下の少なくとも1つの周波数成分を含み、時間的に隣接する2つのシグナル音の間の時間間隔は200ms以上である。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
移動体に関わる情報を当該移動体の乗員に報知する報知システムであって、
注意音を生成する注意音生成部と、
前記移動体の室内に配されて、前記生成された注意音を出力する一つ又は複数のスピーカと、
を備え、
前記注意音生成部が生成する前記注意音は、
所定の持続時間で持続するシグナル音の、複数回の繰り返しで構成され、
前記シグナル音は、
最大強度に至るまでの立上り時間が60ms以上であって、
最大強度が41dB以上、74dB未満であり、
1000Hz以上、2000Hz以下の周波数を有する少なくとも1つの周波数成分を含み、
時間的に隣接する2つの前記シグナル音の間の時間間隔は200ms以上である、
報知システム。
続きを表示(約 760 文字)
【請求項2】
前記シグナル音の最大強度は、45dB以上、65dB未満である、
請求項1に記載の報知システム。
【請求項3】
前記注意音は、所定の持続時間で持続する前記シグナル音の、2回以上4回以下の繰り返しにより構成される、
請求項1に記載の報知システム。
【請求項4】
前記シグナル音は、
前記持続時間が100ms以上であり、
300Hz以上、1000Hz以下の周波数を有する少なくとも2つの周波数成分を更に含む、
請求項1に記載の報知システム。
【請求項5】
前記シグナル音は、
最大強度に至るまでの立上り時間が120±12msの範囲であって、
前記持続時間が、100±20ms以上200±20ms以下であり、
最大強度から無音状態までの立下り時間が80±12msの範囲であり、
300Hz以上1000Hz以下の周波数を有する少なくとも2つの周波数成分を更に含み、
時間的に隣接する2つの前記シグナル音の間の時間間隔は200ms以上220ms以下である、
請求項1に記載の報知システム。
【請求項6】
前記移動体は車両であり、前記乗員は前記車両の運転者であって、
前記注意音を前記スピーカから出力して、前記移動体に到来するリスクの方向を音像定位により前記乗員に示す出力部を更に備え、
前記出力部は、前記車両の運転席の左前方及び右前方にそれぞれ設けられた前記スピーカと、前記運転席のヘッドレストの左右に一つずつ設けられた前記スピーカと、のうちから、前記音像定位に用いるスピーカを選択する、
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の報知システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体に関わる情報を乗員に報知する報知システムに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、交通参加者の中でも脆弱な立場にある人々にも配慮した持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する取り組みが活発化している。この実現に向けて予防安全技術に関する研究開発を通して交通の安全性や利便性をより一層改善する研究開発に注力している。
【0003】
特許文献1には、自車両周囲に存在する交通参加者等の危険要因の方向を特定し、運転者の視線方向とは異なる方向にある危険要因についての報知内容等を、運転者の視線方向と同方向にある危険要因についての報知内容等よりも優先して決定する運転支援装置が開示されている。
【0004】
特許文献2には、車室内に出力する警報音を運転者にとって聞き取りやすいものとするため、上記警報音を、200Hz以上の幅を持つ複数の音で構成し、警報レベルに応じて上記警報音の和音及びリズムを異なるものとする、車両用警報発生装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第4275507号公報
特開2018-120467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
予防安全技術においては、車室内に発する報知によって運転者の運転行動を阻害しないように、その報知の緊急度や重要度に応じて、運転者への確実な伝達を図りつつも運転者に不要な緊張を与えないことが課題である。
【0007】
本願は、上記課題の解決のため、報知の緊急度又は重要度が中程度である場合において、移動体の乗員に不要な緊張を与えることなく且つ乗員が気付きやすい態様で上記報知を行うことを目的とする。そして、延いては持続可能な輸送システムの発展に寄与するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の態様は、移動体に関わる情報を当該移動体の乗員に報知する報知システムであって、注意音を生成する注意音生成部と、前記移動体の室内に配されて、前記生成された注意音を出力する一つ又は複数のスピーカと、を備え、前記注意音生成部が生成する前記注意音は、所定の持続時間で持続するシグナル音の、複数回の繰り返しで構成され、前記シグナル音は、最大強度に至るまでの立上り時間が60ms以上であって、最大強度が41dB以上、74dB未満であり、1000Hz以上、2000Hz以下の周波数を有する少なくとも1つの周波数成分を含み、時間的に隣接する2つの前記シグナル音の間の時間間隔は200ms以上である、報知システムである。
本発明の他の態様によると、前記シグナル音の最大強度は、45dB以上、65dB未満である。
本発明の他の態様によると、前記注意音は、所定の持続時間で持続する前記シグナル音の、2回以上4回以下の繰り返しにより構成される。
本発明の他の態様によると、前記シグナル音は、前記持続時間が100ms以上であり、300Hz以上、1000Hz以下の周波数を有する少なくとも2つの周波数成分を更に含む。
本発明の他の態様によると、前記シグナル音は、最大強度に至るまでの立上り時間が120±12msの範囲であって、前記持続時間が、100±20ms以上200±20ms以下であり、最大強度から無音状態までの立下り時間が80±12msの範囲であり、300Hz以上1000Hz以下の周波数を有する少なくとも2つの周波数成分を更に含み、時間的に隣接する2つの前記シグナル音の間の時間間隔は200ms以上220ms以下である。
本発明の他の態様によると、前記移動体は車両であり、前記乗員は前記車両の運転者であって、前記注意音を前記スピーカから出力して、前記移動体に到来するリスクの方向を音像定位により前記乗員に示す出力部を更に備え、前記出力部は、前記車両の運転席の左前方及び右前方にそれぞれ設けられた前記スピーカと、前記運転席のヘッドレストの左右に一つずつ設けられた前記スピーカと、のうちから、前記音像定位に用いるスピーカを選択する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、報知の緊急度又は重要度が中程度である場合において、移動体の乗員に不要な緊張を与えることなく且つ乗員が気付きやすい態様で上記報知を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係る報知システムの構成を示す図である。
図2は、報知システムが搭載される車両における、スピーカの配置の一例を示す図である。
図3は、注意喚起の報知に用いる音響の、時間強度波形を定義する図である。
図4は、調査及び実験により得られた知見を示す図である。
図5は、スピーカからの音響に対して被験者が知覚した音響周波数の下限値及び上限値を示す図である。
図6は、シグナル音周波数と音像定位との関係に関する第1の実験の結果を示す図である。
図7は、シグナル音周波数と音像定位との関係に関する第2の実験の結果を示す図である。
図8は、シグナル音周波数と音像定位との関係に関する第3の実験の結果を示す図である。
図9は、シグナル音パラメータと音像定位との関係についての評価結果を示す図である。
図10は、シグナル音の周波数成分とシグナル音の聞き取り易さとの関係についての実験の結果を示す図である。
図11は、報知の緊急度及び重要度に適合するシグナル音パラメータについての主観評価に用いた、10種類のシグナル音及び基準シグナル音を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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