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公開番号2024142709
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2023054978
出願日2023-03-30
発明の名称火災感知端末
出願人ニッタン株式会社
代理人個人,個人
主分類G08B 17/06 20060101AFI20241003BHJP(信号)
要約【課題】再設置の際に、誤接続を効率良く防止し、信頼性の高い設置作業を実行することができる火災感知端末を提供する。
【解決手段】取付け面に固定可能な感知器設置用ベースと、回転動作により前記感知器設置用ベースに取り付け可能な感知器本体と、からなる火災感知端末において、感知器本体の感知器設置用ベースに接合される面の所定位置に、検出対象に応じて検出手段が異なる種類ごとに形状が設定されたキーが設けられ、感知器設置用ベースの前記キーに対応する位置に、最初に取り付けられた感知器本体に設けられているキーの種類を物理的に記憶するキー記憶手段が設けられており、キー記憶手段は、最初に感知器本体を感知器設置用ベースに取り付ける際の回転操作によって、キー記憶手段の構成部品が当該キーの種類によって決定される状態に変換されることによりキーの種類を記憶するように構成した。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
取付け面に固定可能な感知器設置用ベースと、
回転動作により前記感知器設置用ベースに取り付け可能な感知器本体と、からなる火災感知端末であって、
前記感知器本体の前記感知器設置用ベースに接合される面の所定位置には、仕様の異なる感知器の種類ごとに形状が設定されたキーが設けられ、
前記感知器設置用ベースの前記キーに対応する位置には、最初に取り付けられた感知器本体に設けられている前記キーの種類を物理的に記憶するキー記憶手段が設けられ、
前記キー記憶手段は、最初に感知器本体を前記感知器設置用ベースに取り付ける際の感知器本体の回転操作によって、前記キーが前記キー記憶手段の構成部品を当該キーの種類によって決定される状態に変換させることにより前記キーの種類を記憶するように構成されていることを特徴とする火災感知端末。
続きを表示(約 420 文字)【請求項2】
前記キー記憶手段は、移動可能なコマを有しており、最初に感知器本体を前記感知器設置用ベースに取り付ける際の感知器本体の回転操作によって、前記キーが前記コマを前記キーの種類によって決定される方向へ移動させることにより前記キーの種類を記憶するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の火災感知端末。
【請求項3】
前記コマは、三角形の頂点部と該頂点部を挟む2つの傾斜辺を有し、1つの頂点が感知器本体の取付けの際の回転方向と逆を向いた状態で回転可能に前記感知器設置用ベースに取り付けられており、
前記キーは、前記コマに対向する部位に傾斜面が設けられ、前記感知器本体の種類に応じて前記傾斜面の傾きの方向が異なるように設定されていることを特徴とする請求項2に記載の火災感知端末。
【請求項4】
前記キー記憶手段を複数個備えていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の火災感知端末。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、火災感知器本体と感知器設置用ベースとからなる火災感知端末に関し、特にそれぞれの設置場所において特定種類の感知器のみを設置可能な火災感知端末に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、火災感知器には、煙を感知して火災を検出する煙感知器や熱を感知して火災を検出する熱感知器、炎を感知して火災を検出する炎感知器等がある。熱感知器は、大きく分けて2種類あり、所定の温度で作動する「定温式」や温度差を検出して作動する「差動式」がある。そして、これらの感知器は一般に、感知器設置用ベース(以下、必要に応じ感知器ベースあるいは単にベースと記す)を介して建造物の天井面等に設置されている。
【0003】
具体的には、火災検出用の感知器は、煙や熱を感知する感知器本体と感知器ベースとから構成されており、設置の際には、先ず感知器ベースを天井面に据え付け、配線を行った後に、感知器本体をベースに嵌合させ取り付ける方法がとられている。
感知器本体とベースには、両者の嵌合の際に、電気的接続と機械的接続が同時に行える構造が設けられており、感知器本体をベースに接合させ、規定の方向に回転させることで、電気的、機械的接続を伴う嵌合が実現される。一方、取り外すときは、上記と逆方向に感知器本体を回転させることで成される。
【0004】
しかし、感知器ベースを複数種類の感知器に対して共通に使用できるようにすると、部品の共通化によるコスト低減のメリットがある一方、感知器の設置工事あるいは感知器の交換作業時や点検時に、一旦取り外した感知器を再度ベースに取り付ける際に、種類を間違えて設置してしまうおそれがある。そして、誤った種類の感知器が取り付けられると、期待される条件で火災発生の検出動作をすることができないため、例えば誤報(非火災報)や失報の発生につながりかねない。
【0005】
従来、感知器の設置工事の際における誤った種類の感知器の取付けを防止する技術として、ベースに感知器の種類に応じた複数のネジ穴を用意しておき、設置時に施工図面に従い取り付けられるべき感知器の種類に応じたネジ穴を選択してネジを取り付けるようにした技術がある(例えば特許文献1)。
この先行技術によれば、最初の設置工事の際に正しくネジ穴と感知器本体の種類の組み合わせを選んでおけば、以後は異なる種類の感知器本体をベースに取り付けることができないようにすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
実公昭57-7101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載された技術にあっては、設置時に施工図面を確認しながら取り付けられるべき感知器の種類に応じたネジ穴を選択してネジを取り付ける必要があるため、作業効率が悪いという課題がある。
本発明は上記のような課題に着目してなされたもので、その目的とするところは、再設置の際に、誤接続を効率良く防止し、信頼性の高い設置作業を実行することができる火災感知端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため本発明は、
取付け面に固定可能な感知器設置用ベースと、
回転動作により前記感知器設置用ベースに取り付け可能な感知器本体と、からなる火災感知端末において、
前記感知器本体の前記感知器設置用ベースに接合される面の所定位置には、仕様の異なる感知器の種類ごとに形状が設定されたキーが設けられ、
前記感知器設置用ベースの前記キーに対応する位置には、最初に取り付けられた感知器本体に設けられている前記キーの種類を物理的に記憶するキー記憶手段が設けられ、
前記キー記憶手段は、最初に感知器本体を前記感知器設置用ベースに取り付ける際の感知器本体の回転操作によって、前記キーが前記キー記憶手段の構成部品を当該キーの種類によって決定される状態に変換させることにより前記キーの種類を記憶するように構成したものである。
【0009】
上記のような構成を有する火災感知端末によれば、感知器設置用ベース(感知器ベース)に最初に感知器本体を取り付けた際に、取り付けた感知器本体に設けられている感知器の種類に応じたキーの種類を感知器ベースが記憶するため、再設置の際に、誤接続を効率良く防止し、信頼性の高い設置作業を実行することができる。また、一旦感知器ベースに感知器本体を取り付けると以後記憶したキーと異なる種類の感知器を取り付けることができないようにすることができる。
【0010】
ここで、望ましくは、前記キー記憶手段は、移動可能なコマを有しており、最初に感知器本体を前記感知器設置用ベースに取り付ける際の感知器本体の回転操作によって、前記キーが前記コマを前記キーの種類によって決定される方向へ移動させることにより前記キーの種類を記憶するように構成する。
かかる構成によれば、比較的簡単な部品を感知器設置用ベースと感知器本体にそれぞれ取り付けるだけで、キーの種類を記憶し、一旦感知器設置用ベースに感知器本体を取り付けると以後記憶したキーと異なる種類の感知器本体が取り付けられないようにすることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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