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公開番号2024130878
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-30
出願番号2023040824
出願日2023-03-15
発明の名称パンの製造方法
出願人府金製粉株式会社
代理人弁理士法人平和国際特許事務所,個人
主分類A21D 2/36 20060101AFI20240920BHJP(ベイキング;生地製造または加工の機械あるいは設備;ベイキングの生地)
要約【課題】 超強力小麦の利用を図り、ケービングを極力低減するとともに、老化を抑制し、もちもち感を維持した食感や風味の良いパンの製造方法及びパンを提供する。
【解決手段】 中種用小麦粉を用いて中種生地を作成する中種工程と、中種生地にもち性小麦粉を含む本捏用小麦粉を加えてパン生地を作成する本捏工程とを備え、その後、パン生地を最終発酵させて焼成する方法であって、中種工程で、中種用小麦粉として、タンパク含有率が10重量%~13重量%、エクステンソグラムのR/E値が3.5~6.5の超強力小麦粉を50重量部~80重量部用い、この超強力小麦粉に、少なくとも、イースト,脱脂粉乳,食塩及び水を加えて混捏し、混捏した生地を、17℃~20℃で10時間以上発酵させ、pHが、5.0≦pH≦5.6の中種生地を作成する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
中種用小麦粉を用いて中種生地を作成する中種工程と、該中種工程で得られた中種生地にもち性小麦粉を含む本捏用小麦粉を加えてパン生地を作成する本捏工程とを備え、該本捏工程後にパン生地を最終発酵させて焼成するパンの製造方法であって、
上記中種工程で、中種用小麦粉として、タンパク含有率が10重量%~13重量%、エクステンソグラムのR/E値が3.5~6.5の超強力小麦粉を50重量部~80重量部用い、該超強力小麦粉に、少なくとも、イースト,脱脂粉乳,食塩及び水を加えて混捏し、混捏した生地を、17℃~20℃で10時間以上発酵させ、pHが、5.0≦pH≦5.6の中種生地を作成することを特徴とするパンの製造方法。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
イーストフード,酸化剤,乳化剤等の改良添加剤を使用しないことを特徴とする請求項1記載のパンの製造方法。
【請求項3】
上記中種工程で、中種用小麦粉としての超強力小麦粉を50重量部~60重量部用い、
上記本捏工程で、本捏用小麦粉として、タンパク含有率が9重量%~13重量%、エクステンソグラムのR/E値が0.8~2.0のもち性小麦粉を20重量部~45重量部用いるとともに、もち性小麦粉の他に、タンパク含有率が9重量%~13重量%、エクステンソグラムのR/E値が1~2.5の強力小麦粉を用いることを特徴とする請求項2記載のパンの製造方法。
【請求項4】
上記中種工程において、用いる超強力小麦粉は、小麦品種「銀河のちから」の国内産小麦粉であり、該超強力小麦粉を、50重量部~60重量部用い、インスタントドライイースト0.05重量部~0.15重量部、脱脂粉乳1重量部~3重量部、食塩0.1重量部~0.3重量部及び水25重量部~40重量部を加えて混捏し、混捏した生地を、17℃~19℃で15時間~20時間発酵させることを特徴とする請求項1乃至3何れかに記載のパンの製造方法。
【請求項5】
上記本捏工程において、用いるもち性小麦粉は、小麦品種「もち姫」の国内産小麦粉であることを特徴とする請求項4記載のパンの製造方法。
【請求項6】
上記本捏工程において、もち性小麦粉は、小麦品種「もち姫」の国内産小麦粉であり、25重量部~45重量部用いるとともに、強力小麦粉は、小麦品種「ゆきちから」の国内産小麦粉であり、5重量部~25重量部用いることを特徴とする請求項4記載のパンの製造方法。
【請求項7】
上記本捏工程において、上記中種生地に、少なくとも、インスタントドライイースト0.5重量部~1.5重量部、増粘多糖類(SLD)0.5重量部~1.5重量部、食塩1重量部~2重量部及び水30重量部~50重量部、油脂5重量部~7重量部、上白4重量部~6重量部、トレハロース2重量部~4重量部を加えて混捏してパン生地を作成することを特徴とする請求項6記載のパンの製造方法。
【請求項8】
中種用小麦粉を用いて中種生地を作成し、該中種生地にもち性小麦粉を含む本捏用小麦粉を加えてパン生地を作成し、その後、該パン生地を焼成してなるパンであって、
上記中種用小麦粉として、タンパク含有率が10重量%~13重量%、エクステンソグラムのR/E値が3.5~6.5の超強力小麦粉を50重量部~60重量部用い、
上記本捏用小麦粉として、タンパク含有率が9重量%~13重量%、エクステンソグラムのR/E値が0.8~2.0のもち性小麦粉を20重量部~45重量部の他に、タンパク含有率が9重量%~13重量%、エクステンソグラムのR/E値が1~2.5の強力小麦粉を5重量部~25重量部用いることを特徴とするパン。
【請求項9】
上記中種用小麦粉の超強力小麦粉として、小麦品種「銀河のちから」の国内産小麦粉を、50重量部~60重量部用い、
上記本捏用小麦粉のもち性小麦粉として、小麦品種「もち姫」の国内産小麦粉を、25重量部~45重量部用い、
上記本捏用小麦粉の強力小麦粉として、小麦品種「ゆきちから」の国内産小麦粉を、5重量部~25重量部用いることを特徴とする請求項8記載のパン。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、もち性小麦粉を用いたパンの製造方法及びパンに係り、特に、中種法によりパンを製造するパンの製造方法及びパンに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来、この種のパンの製造方法としては、例えば、特許第3641313号公報(特許文献1)に掲載された技術が知られている。これは、予め、外国産の強力小麦粉(所謂「外麦」)ともち性小麦粉を用意し、予めこれらを混合しておき、この混合した混合小麦粉の一部(例えば50重量部)を用いて中種生地を作成する中種工程と、中種工程で得られた中種生地に残りの混合小麦粉(例えば50重量部)を練り込んでパン生地を作成する本捏工程とを備え、本捏工程後にパン生地を最終発酵させて焼成している。例えば、パンとしてハードロールを製造する。
【0003】
上記の特許文献1において、外国産の強力小麦粉(所謂「外麦」)としては、例えば、カナダ産「ウエスタン・レッド・スプリング・ホイートNo.1」が挙げられている。また、もち性小麦粉とは、アミロース含量10%以下のものを指称し、その一つとしては、特開平6-125669号公報に記載のアミロース含量0%のものが挙げられている。
【0004】
このハードロールの例では、例えば、中種工程では、小麦粉にイースト,イーストフード及び水を適宜量加えてミキシングし(捏上温度24℃)、4時間(温度27℃、湿度70%)発酵させて中種生地を作成する。本捏工程では、中種生地に残りの混合小麦粉を加えてミキシングする。その後、フロアタイム(20分、室温)、分割(60g/個)、ベンチタイム(15分、室温)を経て成形し、ホイロ(60分、42℃、湿度85%)をとる。そして、このパン生地を焼成(9分、210℃)する。これにより、もちもちした食感のパンを得るようにしている。
【0005】
特許第3641313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、一般に、もち性小麦粉はもち米同様、澱粉が略100%のアミロペクチンからなることから、「もちもち感」をもたらすが、反面、このもち性小麦粉の配合比率を増やすと、パン生地内のトータルの蛋白量が減少し、ケービングを生じる要因になる。また、もち性小麦粉の糊化開始温度と最高粘度は通常のパン用粉に比べ、それぞれ約20℃程低く、パン焼成時に内部のスダチ(気泡)の膜を形成するでん粉が低い温度で糊化することで溶け出しやすくなり、膜を損傷して気泡のガスが抜けてしまうことで収縮が起こりやすくなる。また、アミロペクチンはアミロースに比べて吸水率が高く、もちもち感やしっとり感が増す反面、焼成後に食パンのクラスト(パンの表皮)に対して水分の移行が起こり、クラストが軟化してしまうことで、形の保持力の低下を生む。
【0007】
即ち、もち性小麦粉は、吸水が多いこと、膨化力が大きいこと、糊化温度が低いことから焼成中に澱粉が溶けだしグルテン膜のガス保持力を悪くすることにより、釜伸びが小さくなり、澱粉のゲル物性が弱くなり収縮してしまうことから、放冷中にケービングを生じやすいという欠点がある。また、もち性小麦粉は、蛋白量の含有量がやや低いこともあって、もち性小麦粉30重量部以上のブレンドでは焼成から例えば3日目頃にはパンが老化し硬くなりやすいなどの欠点もある。
【0008】
一方、パン用強力小麦粉は、上記のように、主に外国産に頼っているが、近年、国内において、グルテン質の強い超強力小麦「ゆめちから」を始め各地で超強力小麦の開発が進められている。岩手県では、2014年(平成26年)に、超強力小麦「銀河のちから」(品種登録第23403号)が開発され、学校給食に提供されてきてはいるが、一般市場での活用はそれ程多くないという実情がある。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みて為されたもので、超強力小麦の利用を図り、しかも、ケービングを極力低減するとともに、老化を抑制し、もちもち感を維持した食感や風味の良いパンの製造方法及びパンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明者は、長年の研究により、用いる小麦粉として、強力小麦粉に変えて、グルテン質が強い超強力小麦粉を用い、これともち性小麦粉とのブレンドにより、上記課題を解決することを発明した。
(【0011】以降は省略されています)

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