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公開番号2024137155
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-07
出願番号2023048559
出願日2023-03-24
発明の名称多加水パン類製造用ゲル状組成物及び多加水パン類の製造方法
出願人松谷化学工業株式会社
代理人
主分類A21D 2/18 20060101AFI20240927BHJP(ベイキング;生地製造または加工の機械あるいは設備;ベイキングの生地)
要約【課題】多加水パン類は、生地の加水量を増やすことによりしっとり感やソフト感を向上させているが、それにより生地にべたつきが生じ、作業性が悪化したり、腰折れの発生など外観に影響を及ぼすことが問題となっている。本発明の目的は製造時のパン生地の作業性や焼成後のパンの外観を損なうことなく、多加水パン類を製造する方法及びそれに用いるゲル状組成物を提供することにある。
【解決手段】冷水膨潤度30未満のα化澱粉1質量部に対して水4~5.5質量部を含むゲル状組成物を調製しておき、穀粉原料100質量部に対して前記ゲル状組成物30~67.5質量部を油脂原料と同時に、又は油脂原料の添加後にパン生地と混捏することによって、パン生地における最終総加水量が穀粉原料100質量部に対して90~120質量部となるように調整することにより、パン生地の作業性や焼成後のパンの外観を損なうことなく、多加水パン類を製造することができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
パン生地における最終総加水量を穀粉原料100質量部に対して90~120質量部とする多加水パン類の製造方法において、
(1)冷水膨潤度30未満のα化澱粉1質量部に対して水4~5.5質量部を含むゲル状組成物を予め調製しておき、
(2)穀粉原料100質量部に対して前記ゲル状組成物30~67.5質量部を油脂原料と同時に、又は油脂原料の添加後にパン生地と混捏する、
多加水パン類の製造方法。
続きを表示(約 400 文字)【請求項2】
パン生地における最終総加水量を穀粉原料100質量部に対して90~120質量部とする多加水パン類の製造方法において、
(3)穀粉原料100質量部に対して60~70質量部の水をパン生地に配合する工程をさらに含む、請求項1記載の多加水パン類の製造方法。
【請求項3】
冷水膨潤度30未満のα化澱粉1質量部に対して水を4~5.5質量部の割合で含んでなる、多加水パン類製造用のゲル状組成物。
【請求項4】
冷水膨潤度30未満のα化澱粉1質量部に対して水を4~5.5質量部の割合で含んでなる、パン生地における最終総加水量が穀粉原料100質量部に対して90~120質量部である多加水パン類製造用のゲル状組成物。
【請求項5】
α化澱粉が、α化ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉である、請求項3又は4に記載の多加水パン類製造用のゲル状組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、多加水パン類を製造するためのゲル状組成物及びそれを用いた多加水パン類の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
パンに求められる食感は種々あるが、近年「しっとり感」や「ソフト感」を向上させたパンが好まれる傾向があり、「多加水パン」が注目されている。一般的なパン生地は、小麦粉100質量部に対して水を45~70質量部程度加えて製造されるが、多加水パンは、生地の加水量をその20~30%以上増やすことにより一般的なパンよりしっとり感やソフト感を向上させている。しかし、パン生地原料としての水を増やし、一般的なパン類の製法で製造すると、生地のべたつきや生地荒れ、焼成後の腰折れの発生やボリュームの低下などの問題が生じる。
【0003】
そこで、そのような問題を回避できる多加水パン類の製法として、湯種法やバシナージュ法がある。しかし、湯種法は、熱水を小麦粉に添加して混捏するため、熱により小麦粉中のグルテンが変性し、パン生地の伸展性が悪くなって焼成後のパンのボリュームが低下する。また、バシナージュ法(加水法、足し水法)は、パン生地のミキシング工程の後半にさらに水を加える方法であるが、得られる生地は非常にやわらかく流動性が高いため、機械での成形は困難であり、手作業での成形にも熟練の技術を要する。
【0004】
その他にも、吸水性の高い素材を生地に添加する多加水パン類の製法がいくつか提案されており、例えば、生地原料中に粉体の状態でα化澱粉及びエンド型アミラーゼを配合する方法(特許文献1)や、α化澱粉、部分α化穀粉及び未糊化の穀粉の3成分を1~2.5倍の水に混合・分散し、製パン原料に配合する方法(特許文献2)が提案されている。さらに、特定の物性を有する高含水寒天ゲルをパン生地に添加する方法(特許文献3)や、こんにゃく粉と澱粉と水をアルカリ性凝固剤によりゼリー状固体に成形した有形水をパン生地に添加する方法(特許文献4)などが開示されている。
【0005】
しかし、特許文献1に開示される、生地原料中に粉体の状態でα化澱粉のみを添加する方法は、生地の作業性が悪く、好ましいものではない。また、特許文献2に開示される多成分の使用や、特許文献3及び4に開示されるゲルの作製に要する加熱工程などは、煩雑であって簡便とはいいにくい。そのため、より簡便に多加水パンを製造することができる方法が依然として求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2022-37867号公報
特開2015-70807号公報
特開2011-200140号公報
特開2006-320207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、パン生地の作業性が良好で、かつ焼成後の外観に優れた多加水パン類の製造方法、及びその多加水パン類製造用のゲル状組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、かかる課題を解決すべく種々検討したところ、冷水膨潤度30未満のα化澱粉1質量部に対して水4~5.5質量部を含むゲル状組成物を調製しておき、穀粉原料100質量部に対して前記ゲル状組成物30~67.5質量部を油脂原料と同時に、又は油脂原料の添加後にパン生地と混捏することによって、パン生地における最終総加水量が穀粉原料100質量部に対して90~120質量部となるように調整すれば、多加水パン類の製造における上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明は、以下の[1]~[5]から構成される。
[1]パン生地における最終総加水量を穀粉原料100質量部に対して90~120質量部とする多加水パン類の製造方法において、
(1)冷水膨潤度30未満のα化澱粉1質量部に対して水4~5.5質量部を含むゲル状組成物を予め調製しておき、
(2)穀粉原料100質量部に対して前記ゲル状組成物30~67.5質量部を油脂原料と同時に、又は油脂原料の添加後にパン生地と混捏する、
多加水パン類の製造方法。
[2]パン生地における最終総加水量を穀粉原料100質量部に対して90~120質量部とする多加水パン類の製造方法において、
(3)穀粉原料100質量部に対して60~70質量部の水をパン生地に配合する工程をさらに含む、上記[1]に記載の多加水パン類の製造方法。
[3]冷水膨潤度30未満のα化澱粉1質量部に対して水を4~5.5質量部の割合で含んでなる、多加水パン類製造用のゲル状組成物。
[4]冷水膨潤度30未満のα化澱粉1質量部に対して水を4~5.5質量部の割合で含んでなる、パン生地における最終総加水量が穀粉原料100質量部に対して90~120質量部である多加水パン類製造用のゲル状組成物。
[5]α化澱粉が、α化ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉である、上記[3]又は[4]に記載の多加水パン類製造用のゲル状組成物。
【発明の効果】
【0010】
本発明品及び本発明の製造方法によれば、パン生地に対する加水量を増やしても生地の作業性を損なうことなく、焼成後の外観に優れた多加水パン類を簡便に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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