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公開番号
2024119407
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-03
出願番号
2023026288
出願日
2023-02-22
発明の名称
パン類及びその製造方法
出願人
大阪瓦斯株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
A21D
2/14 20060101AFI20240827BHJP(ベイキング;生地製造または加工の機械あるいは設備;ベイキングの生地)
要約
【課題】3-ヒドロキシ酪酸及び/又はその塩を含んでいても、味覚が良好で、血中ケトン体濃度を上昇できるパン類を提供する。
【解決手段】3-ヒドロキシ酪酸及び/又はその塩と、穀物粉とを組み合わせてパン類を調製する。前記3-ヒドロキシ酪酸及び/又はその塩は、(R)-3-ヒドロキシ酪酸のナトリウム塩であってもよい。前記3-ヒドロキシ酪酸及び/又はその塩を、3-ヒドロキシ酪酸換算で、穀物粉100質量部に対して0.5~20質量部の割合で含んでいてもよい。さらに、食塩を、塩化ナトリウム換算で、穀物粉100質量部に対して0.75質量部以下の割合で含んでいてもよい。3-ヒドロキシ酪酸及び/又はその塩が、(R)-3-ヒドロキシ酪酸のナトリウム塩を含み、(R)-3-ヒドロキシ酪酸のナトリウム塩と食塩とのモル比が、ナトリウム換算で、前者/後者=100/0~50/50であってもよい。前記パン類は、食パンであってもよい。前記パン類は、血糖値の上昇を抑制するためのパン類であってもよい。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
3-ヒドロキシ酪酸及び/又はその塩と、穀物粉とを含むパン類。
続きを表示(約 780 文字)
【請求項2】
前記3-ヒドロキシ酪酸及び/又はその塩が、(R)-3-ヒドロキシ酪酸のナトリウム塩を含む請求項1記載のパン類。
【請求項3】
穀物粉が、小麦粉、ライ麦粉、米粉、大豆粉及びひよこ豆粉から選択される少なくとも一種である請求項1又は2記載のパン類。
【請求項4】
前記3-ヒドロキシ酪酸及び/又はその塩を、3-ヒドロキシ酪酸換算で、穀物粉100質量部に対して0.5~20質量部の割合で含む請求項1又は2記載のパン類。
【請求項5】
さらに、食塩を、塩化ナトリウム換算で、穀物粉100質量部に対して0.75質量部以下の割合で含む請求項1又は2記載のパン類。
【請求項6】
3-ヒドロキシ酪酸及び/又はその塩が(R)-3-ヒドロキシ酪酸のナトリウム塩を含み、(R)-3-ヒドロキシ酪酸のナトリウム塩と食塩とのモル比が、ナトリウム換算で、前者/後者=100/0~50/50である請求項1又は2記載のパン類。
【請求項7】
食パンである請求項1又は2記載のパン類。
【請求項8】
血糖値の上昇を抑制するためのパン類である請求項1又は2記載のパン類。
【請求項9】
少なくとも3-ヒドロキシ酪酸及び/又はその塩と、穀物粉、水及びイーストとを混合して捏ねて未発酵生地を調製する混合工程と、前記未発酵生地を一次発酵する一次発酵工程と、一次発酵させた生地を成形して二次発酵する二次発酵工程と、二次発酵させた生地を焼成する焼成工程とを含む請求項1又は2記載のパン類の製造方法。
【請求項10】
前記混合工程で、3-ヒドロキシ酪酸及び/又はその塩を、水と混合した形態で添加する請求項9記載の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、3-ヒドロキシ酪酸(以下、単に「3HB」又は「BHB」と称する場合がある)及び/又はその塩を含むパン類及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)
【背景技術】
【0002】
ケトジェニックダイエットやてんかん治療などにおいて、糖質の摂取を制限し、血中のケトン体濃度を上昇させる食事方法が知られている。血中ケトン体濃度を上げる方法として、中鎖脂肪酸(MCT)を摂取する方法やケトン体そのものを直接摂取する方法がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、炭素数8~12の脂肪酸を含有する油脂と、大豆蛋白質分解物を含有する、ケトン食用の栄養組成物が開示されている。特許文献1では、炭素数8~12の脂肪酸を特に多く含む油脂としてMCTオイルが記載され、MCTオイルの摂取により、尿及び血中ケトン体量(濃度)が上昇することが示されている。
【0004】
非特許文献1には、高脂肪食を摂取するケトジェニックダイエットの代替として、糖質制限をすることなく利用可能な経口摂取用のケトン前駆体(D-β-ヒドロキシブチレート(D-BHB))のサプリメントが開示されている。試験されたD-BHBのサプリメントは、D-BHBのナトリウム塩、マグネシウム塩及びカルシウム塩を含み、このサプリメントを経口摂取すると、急速に吸収、代謝され、血中ケトンをミリモル濃度レベルまで増加させることが報告されている。
【0005】
しかし、特許文献1のように、MCTオイルを摂取する方法では、栄養の偏りが生じるだけでなく、カロリー過多となる虞がある。
【0006】
非特許文献1では、サプリメントの形態で摂取するため、栄養の偏りやカロリー面での課題は解消できるものの、非特許文献1のD-BHBのサプリメントは、D-BHBのナトリウム塩、マグネシウム塩及びカルシウム塩を含むため、過剰の塩分摂取が懸念され、健康上、好ましくない。また、ケトン体を、食事とは別に付加的に摂取する必要があり、精神的に大きな負担となり得る。さらに、ケトン体(3-ヒドロキシ酪酸)そのものの酸味が非常に強く、ケトン体(3-ヒドロキシ酪酸)を直接多量に摂取することが困難である。
【0007】
一方、ケトン体を、糖質を含む食品と同時に摂取すると、前記糖質を含む食品を単独で摂取する場合に比べて、血糖値の上昇が抑制されるという報告がある。非特許文献2には、ケトン体と砂糖水とを同時に摂取すると、砂糖水を単独で摂取した場合と比較して血糖値の上昇が抑制されることが示されている。
【0008】
食事と密接な関係のある血糖値は、高すぎても低すぎても、身体に様々な不具合をもたらす。血糖値が常に高い状態にあると、血液が濃くなり、脱水状態になるだけでなく、糖尿病や心筋梗塞、肝硬変といった疾病にかかりやすくなるというリスクが生じる。一方、糖質を制限し、低血糖の状態になると、集中力の低下、無気力、頭痛や吐き気などが生じ、最悪の場合、昏睡状態に陥ることもある。そのため、血糖値を適正な範囲にコントロールすることが重要である。
【0009】
このように、血糖値のコントロールは急務であり、ケトン体(3-ヒドロキシ酪酸)と同時に摂取可能な食品の普及が期待されるが、ケトン体(3-ヒドロキシ酪酸)そのものの味が良好でないため、伸び悩んでいるのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2020-92691号公報
【非特許文献】
(【0011】以降は省略されています)
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