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公開番号2024146768
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2024023510
出願日2024-02-20
発明の名称焼き菓子用生地、焼き菓子及びそれらの製造方法
出願人株式会社カネカ
代理人弁理士法人有古特許事務所
主分類A21D 2/26 20060101AFI20241004BHJP(ベイキング;生地製造または加工の機械あるいは設備;ベイキングの生地)
要約【課題】タンパク質を多く含有しながらも、混練時の生地のまとまりや成型性に優れ、焼成後の食感も良好な焼き菓子用生地、該生地を焼成した焼き菓子、及びそれらの製造方法を提供すること。
【解決手段】タンパク質の含有量が25重量%以上である焼き菓子用生地であって、油中水型乳化組成物を含有し、前記焼き菓子用生地中の全タンパク質に対するホエイタンパク質の割合が55~85重量%であり、前記油中水型乳化組成物の油相は25℃におけるSFCが15~25%の油脂を含むことを特徴とする、焼き菓子用生地。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
タンパク質の含有量が25重量%以上である焼き菓子用生地であって、
油中水型乳化組成物を含有し、
前記焼き菓子用生地中の全タンパク質に対するホエイタンパク質の割合が55~85重量%であり、
前記油中水型乳化組成物の油相は25℃におけるSFCが15~25%の油脂を含むことを特徴とする、焼き菓子用生地。
続きを表示(約 560 文字)【請求項2】
前記油中水型乳化組成物の含有量が15~35重量%である、請求項1に記載の焼き菓子用生地。
【請求項3】
前記油脂の15℃におけるSFCが25~45%であり、かつ35℃におけるSFCが4~8%である、請求項1または2に記載の焼き菓子用生地。
【請求項4】
前記焼き菓子用生地中の全タンパク質に対する大豆タンパク質の割合が13重量%以下である、請求項1または2に記載の焼き菓子用生地。
【請求項5】
請求項1または2に記載の焼き菓子用生地を焼成した、焼き菓子。
【請求項6】
水分が10重量%以下である、請求項5に記載の焼き菓子。
【請求項7】
最小差し渡し長さが3~15mmである、請求項5に記載の焼き菓子。
【請求項8】
タンパク質の含有量が25重量%以上である焼き菓子用生地の製造方法であって、
ホエイタンパク質と油中水型乳化組成物とを混合する工程を含み、
前記油中水型乳化組成物の油相は25℃におけるSFCが15~25%の油脂を含む、焼き菓子用生地の製造方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法で得られた焼き菓子用生地を焼成する工程を含む、焼き菓子の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、焼き菓子用生地、焼き菓子及びそれらの製造方法に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年の健康志向の高まりから、タンパク質、食物繊維、ビタミン、及びミネラル類等の栄養素を強化した栄養補助食品が人気を集めている。中でも、三大栄養素の一つであるタンパク質は、筋肉、骨、及び血液に欠かせない栄養素であることから、タンパク質含有量を高めた栄養補助食品の需要は特に高まっており、タンパク質含有量が高く、効率的にタンパク質を摂取することができる製品の開発が求められている。
【0003】
このような栄養補助食品のうち、手軽に摂取できる食品としてクッキー等の焼き菓子がある。焼き菓子中のタンパク質含有量は、一般的には、大豆タンパク質等の植物性タンパク質やホエイタンパク質等の動物性タンパク質を原料中に添加することで高めることができる。
【0004】
しかしながら、大豆タンパク質を多量に添加した焼き菓子は、大豆由来の大豆臭や大豆独特の風味を呈することがあるため、風味面においてはホエイタンパク質を使用することが適している。一方で、ホエイタンパク質はタンパク質素材の中でも特に吸水性が高いことから、多量のホエイタンパク質を生地原料、水とともに混練すると、ホエイタンパク質が急激に吸水することでダマとなり、結果、生地中に均一に分散せず、生地がまとまらないという課題が生じていた。
【0005】
このような課題に対して、種々の解決方法が提案されている。例えば、特許文献1には、油脂成分(パーム油、コーン油)と乳清タンパクを事前に混合してクリーム状の予備生成物を得た後、当該予備生成物と他原料とを合わせた混合物を作成し、成形、焼成することで、高タンパクでソフトな焼成食品が得られることが開示されている。
【0006】
特許文献2には、焼成食品生地に、タンパク質と架橋処理をした小麦澱粉を含有させるだけで、タンパク質含有量の高い焼成食品生地の物性及び乳化状態を向上させることができることが開示されている。
【0007】
特許文献3には、乳蛋白質と油脂を混合した後、水等の液体原料を加えて混合する方法により得られたベーカリー食品用生地を用いることで、ミキシング適正やクリスピー食感、付着感、ざらつき感に優れる焼き菓子が得られることが開示されている。
【0008】
しかしながら、特許文献1における実施例の焼成食品のタンパク質成分量は22.6重量%であり、当該焼成食品について更に焼成食品中のタンパク質含量を高めた場合には依然として生地のまとまりに課題が生じるものであった。
【0009】
また、特許文献2に記載の焼成食品は、架橋処理をした澱粉を含有するために、架橋処理をした澱粉由来のざらついた食感や異味が生じることがあった。
【0010】
特許文献3に記載の方法は、油脂として液油であるMCTを使用しているため、クッキーのような厚みの薄い生地に使用すると、成型時に生地ダレが発生することがあった。
(【0011】以降は省略されています)

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