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公開番号2024127798
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-20
出願番号2024027174
出願日2024-02-27
発明の名称ポリヒドロキシアルカン酸フィルム、包装体、農林水産業資材、生分解方法、農林水産素材
出願人東レ株式会社
代理人
主分類C08J 5/18 20060101AFI20240912BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】本発明は、生分解性を有しながら、繰り返し屈曲させた後のピンホール発生個数を少なくできるポリヒドロキシアルカン酸フィルムを提供する。
【解決手段】突刺強度(厚み20μm換算値)が80gf以上である、ポリヒドロキシアルカン酸フィルム。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
以下の測定装置および測定条件で求めた、突刺強度(厚み20μm換算値)が80gf以上である、ポリヒドロキシアルカン酸フィルム。
測定装置: KATOTECH社製 HANDY-TYPE COMPRESSION TESTER KES-G5
(測定条件)
SENS:10
SPEED:0.20cm/秒
STROKE:20mm/10V
ニードル径:1.0mmφ
穴径:10.0mmφ
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
主配向軸方向の破断強度をS1(MPa)、主配向軸方向と直交する方向の破断強度をS2(MPa)とした際に、S1、およびS2が式(1)、および式(2)を満たす、請求項1に記載のポリヒドロキシアルカン酸フィルム。
30MPa≦S1≦280MPa・・・式(1)
30MPa≦S2≦280MPa・・・式(2)
【請求項3】
熱機械分析装置(TMA)で求められる熱収縮曲線において、フィルムの主配向軸方向の収縮開始温度T1(℃)、主配向軸方向と直交する方向の収縮開始温度T2(℃)がいずれも40℃以上150℃以下である、請求項1または2に記載に記載のポリヒドロキシアルカン酸フィルム。
【請求項4】
主配向軸方向の波長1550nmにおける屈折率をN1、主配向軸方向と直交する方向の波長1550nmにおける屈折率をN2とした際に、N1、およびN2が式(3)を満たす、請求項1または2に記載のポリヒドロキシアルカン酸フィルム。
2.0×10
-4
≦|N1-N2|≦1.3×10
-2
・・・式(3)
【請求項5】
120℃15分間の加熱処理によって求められるフィルムの主配向軸方向の熱収縮率H1(%)、主配向軸方向と直交する方向の熱収縮率H2(%)がいずれも0%以上20%以下である、請求項1または2に記載のポリヒドロキシアルカン酸フィルム。
【請求項6】
主配向軸方向の破断伸度をL1(%)、主配向軸方向と直交する方向の破断伸度をL2(%)とした際に、L1、L2がいずれも10%以上350%以下である、請求項1または2に記載のポリヒドロキシアルカン酸フィルム。
【請求項7】
以下の測定装置および測定条件で求めた、突刺変位が2.0mm以上4.5mm以下である請求項1または2に記載のポリヒドロキシアルカン酸フィルム。
測定装置: KATOTECH社製 HANDY-TYPE COMPRESSION TESTER KES-G5
(測定条件)
SENS:10
SPEED:0.20cm/秒
STROKE:20mm/10V
ニードル径:1.0mmφ
穴径:10.0mmφ
【請求項8】
主配向軸方向の波長1550nmにおける屈折率をN1、主配向軸方向と直交する方向の波長1550nmにおける屈折率をN2、厚み方向の波長1550nmにおける屈折率をNz、N1とN2の平均値をN12とした際に、式(4)を満たす、請求項1または2に記載のポリヒドロキシアルカン酸フィルム。
0.002≦(N12-Nz)≦0.015・・・式(4)
【請求項9】
CuKα線を用いた厚み方向の広角X線回折において、回折角2θが19°以上21°以下の範囲の配向度0.50以上のピークのうち最も強度の高いピークをPBとした際に、PBの半値幅から求めた結晶子サイズが5nm以上60nm以下である、請求項1または2に記載のポリヒドロキシアルカン酸フィルム。
【請求項10】
少なくとも片面にさらに機能層を有する請求項1または2に記載のポリヒドロキシアルカン酸フィルム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリヒドロキシアルカン酸フィルム、包装体、農林水産業資材、生分解方法、農林水産素材に関する。
続きを表示(約 4,200 文字)【背景技術】
【0002】
地球温暖化の抑制の観点から、世界各国でカーボンニュートラルの目標達成に向けた様々な取り組みが進められており、中でもプラスチック製品は製造や廃棄時に多くのCO

を排出することから使用量、廃棄量の削減が求められている。包装用プラスチックは各種プラスチック製品の中でも特に使用量が多く、さらにその多くが使い捨てとなることから、フィルムをはじめとした包装用プラスチックの使用量、廃棄量の削減やリサイクル、植物由来材料への置き換えが求められている。
【0003】
また、近年では海洋に流入するプラスチックの環境汚染問題も注目されている。例えば、魚類、海鳥、海洋哺乳動物が海洋に漂流したプラスチック製品を誤って摂取し死亡する被害や、波や紫外線で微細化されたマイクロプラスチックが海洋中の食物連鎖で生体濃縮され、魚類などを摂食する人体への影響が指摘されている。これらの課題は、適切な方法で廃棄されなかった包装用プラスチック、ならびに農業用途で使用されるプラスチック資材が河川を経由して海洋に流入したり、漁業、養殖業で用いられた後に投棄されたプラスチック資材が海を漂流したりすることによって引き起こされる。そのため、包装用プラスチックや農林水産業資材用プラスチックが適切に廃棄されなかった場合に備え、プラスチックの生分解性機能付与も求められている。
【0004】
この様なプラスチックによる海洋汚染に対し、生分解性プラスチックの使用が期待されるが、国連環境計画が2015年に取り纏めた報告書では、ポリ乳酸などのコンポストで生分解可能なプラスチックは、温度が低い実海洋中では短期間での分解が期待できないために、海洋汚染の対策にはなりえないと指摘されている。この様な中、生分解性プラスチックの中でも、脂肪族ポリエステル樹脂が高い生分解性を有する点から、特にポリヒドロキシアルカン酸樹脂製のフィルムが注目され、包装材料用などへ適用検討がなされている。
【0005】
生分解性フィルムとしてポリ乳酸あるいはポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペートテレフタレート、3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシヘキサノエート共重合体、ポリヒドロキシアルカン酸などの樹脂をインフレーション法で製造した青果物の鮮度保持包装用シート状物の提案がされている(特許文献1)。また、生分解性フィルムとしてポリヒドロキシアルカン酸樹脂シートを当該シートの融点-25℃以上融点以下の温度領域で一次延伸として部分融解延伸させ次いで二次延伸する製造方法が提案されている(特許文献2)。さらにはポリヒドロキシアルカン酸フィルムとしてポリ(3-ヒドロキシブチレート)樹脂をブレンドし得られたシートをロール圧延することなく、フィルム製造工程における流れ方向(MD方向)及びそれと直交する方向(TD方向)へそれぞれ、延伸倍率1.1倍以上で、連続的に二軸延伸する製造方法が提案されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2022-106249号公報
特開2003-311825号公報
特開2022-62759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1はインフレーション法で製造されるためポリヒドロキシアルカン酸樹脂の分子鎖伸張が不十分であり、更なる強度向上に改良の余地がある。特に特許文献1のフィルムは繰り返し屈曲させた後にはピンホールが多く発生し、内容物保護性が高く求められる用途に用いることは難しい。また特許文献2に記載のフィルムはいずれも二次延伸することで強度向上しているが、一軸方向への多段延伸であり強度向上が一方向に限定的であるため、延伸方向と直交する方向への強度を改良する余地がある。また、複数の向きに繰り返し屈曲させた後にはピンホールが多く発生する。特許文献3に記載のフィルムはポリヒドロキシアルカン酸フィルムを二軸延伸する製造方法であるが製膜時の面積延伸倍率が小さくポリヒドロキシアルカン酸樹脂の分子鎖伸張が不十分であり、更なる強度向上に改良の余地があった。
【0008】
そこで本発明は、生分解性を有しながら、繰り返し屈曲させた後のピンホール発生個数を少なくできるポリヒドロキシアルカン酸フィルムを提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意検討を重ね、以下の本発明に至った。すなわち本発明の好ましい一態様は以下の通りである。
1.以下の測定装置および測定条件で求めた、突刺強度(厚み20μm換算値)が80gf以上である、ポリヒドロキシアルカン酸フィルム。
測定装置: KATOTECH社製 HANDY-TYPE COMPRESSION TESTER KES-G5
(測定条件)
SENS:10
SPEED:0.20cm/秒
STROKE:20mm/10V
ニードル径:1.0mmφ
穴径:10.0mmφ
2.主配向軸方向の破断強度をS1(MPa)、主配向軸方向と直交する方向の破断強度をS2(MPa)とした際に、S1、およびS2が式(1)、および式(2)を満たす、1.に記載のポリヒドロキシアルカン酸フィルム。
30MPa≦S1≦280MPa・・・式(1)
30MPa≦S2≦280MPa・・・式(2)
3.熱機械分析装置(TMA)で求められる熱収縮曲線において、フィルムの主配向軸方向の収縮開始温度T1(℃)、主配向軸方向と直交する方向の収縮開始温度T2(℃)がいずれも40℃以上150℃以下である、1.または2.に記載のポリヒドロキシアルカン酸フィルム。
4.主配向軸方向の波長1550nmにおける屈折率をN1、主配向軸方向と直交する方向の波長1550nmにおける屈折率をN2とした際に、N1、およびN2が式(3)を満たす、1.~3.のいずれかに記載のポリヒドロキシアルカン酸フィルム。
2.0×10
-4
≦|N1-N2|≦1.3×10
-2
・・・式(3)
5.120℃15分間の加熱処理によって求められるフィルムの主配向軸方向の熱収縮率H1(%)、主配向軸方向と直交する方向の熱収縮率H2(%)がいずれも0%以上20%以下である、1.~4.のいずれかに記載のポリヒドロキシアルカン酸フィルム。
6.主配向軸方向の破断伸度をL1(%)、主配向軸方向と直交する方向の破断伸度をL2(%)とした際に、L1、L2がいずれも10%以上350%以下である、1.~5.のいずれかに記載のポリヒドロキシアルカン酸フィルム。
7.以下の測定装置および測定条件で求めた、突刺変位が2.0mm以上4.5mm以下である1.~6.のいずれかに記載のポリヒドロキシアルカン酸フィルム。
測定装置: KATOTECH社製 HANDY-TYPE COMPRESSION TESTER KES-G5
(測定条件)
SENS:10
SPEED:0.20cm/秒
STROKE:20mm/10V
ニードル径:1.0mmφ
穴径:10.0mmφ
8.主配向軸方向の波長1550nmにおける屈折率をN1、主配向軸方向と直交する方向の波長1550nmにおける屈折率をN2、厚み方向の波長1550nmにおける屈折率をNz、N1とN2の平均値をN12とした際に、式(4)を満たす、1.~7.のいずれかに記載のポリヒドロキシアルカン酸フィルム。
0.002≦(N12-Nz)≦0.015・・・式(4)
9.CuKα線を用いた厚み方向の広角X線回折において、回折角2θが19°以上21°以下の範囲の配向度0.50以上のピークのうち最も強度の高いピークをPBとした際に、PBの半値幅から求めた結晶子サイズが5nm以上60nm以下である、1.~8.のいずれかに記載のポリヒドロキシアルカン酸フィルム。
10.少なくとも片面にさらに機能層を有する1.~9.のいずれかに記載のポリヒドロキシアルカン酸フィルム。
11.包装用途に用いられる、1.~10.のいずれかに記載のポリヒドロキシアルカン酸フィルム。
12.1.~11.のいずれかに記載のポリヒドロキシアルカン酸フィルムを含む包装体。
13.農林水産業用途に用いられる、1.~11.のいずれかに記載のポリヒドロキシアルカン酸フィルム。
14.1.~11.のいずれかに記載のポリヒドロキシアルカン酸フィルムを含む農林水産業資材。
15.1.~11.のいずれかに記載のポリヒドロキシアルカン酸フィルムをコンポスト機材で分解する、生分解方法。
16.12.に記載の包装体をコンポスト機材で分解する、生分解方法。
17.14.に記載の農林水産業資材をコンポスト機材で分解する、生分解方法。
18.農林水産素材の被覆に用いられるフィルムであって、前記農林水産素材が肥料、飼料、種苗、薬剤から選択される1種以上を含む、1.~11.のいずれかに記載のポリヒドロキシアルカン酸フィルム。
19.1.~11.のいずれかに記載のポリヒドロキシアルカン酸フィルムによって被覆されたことを特徴とする農林水産素材。
【発明の効果】
【0010】
本発明により得られたポリヒドロキシアルカン酸フィルムは、生分解性を有しながら、繰り返し屈曲させた後のピンホール発生個数を少なくできる。それにより、内容物を十分に保護することができるため包装用途や農林水産用途に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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