特許ウォッチ

公開番号2024126340
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-20
出願番号2023034650
出願日2023-03-07
発明の名称リーン車両
出願人ヤマハ発動機株式会社
代理人個人,個人
主分類B62K 5/10 20130101AFI20240912BHJP(鉄道以外の路面車両)
要約【課題】スタンディングアシストが可能であって、メインスイッチのOFF後に、乗員の負担が少なく、かつ、乗員が容易に移動させやすいリーン車両を提供する。
【解決手段】リーン車両は、リーンアクチュエータ33と、リーンアクチュエータ33を制御するアクチュエータ制御装置と、乗員によって操作されるメインスイッチと、を備える。アクチュエータ制御装置は、リーンアクチュエータ33を制御することにより車体フレームを自立させるスタンディングアシストを実行するスタンディングアシスト制御部37と、スタンディングアシストの実行中にメインスイッチがOFFされると、予め定められた所定時間が経過するまでリーンアクチュエータ33の制御を継続し、前記所定時間が経過したときにリーンアクチュエータ33の制御を終了させるスタンディングアシスト継続部38と、を有している。
【選択図】図8
特許請求の範囲【請求項１】
ヘッドパイプを有する車体フレームと、
前記ヘッドパイプよりも左方に配置された左車輪と、
前記ヘッドパイプよりも右方に配置された右車輪と、
前記左車輪を支持する左車輪支持部材と、
前記左車輪支持部材の右方に配置され、前記右車輪を支持する右車輪支持部材と、
前記車体フレームの左方および右方に延びる連結部材と、
前記車体フレームを前記連結部材に回転可能に連結する車両前後方向に延びる中央連結軸と、
前記左車輪支持部材を前記連結部材に回転可能に連結する車両前後方向に延びる左連結軸と、
前記右車輪支持部材を前記連結部材に回転可能に連結する車両前後方向に延びる右連結軸と、
前記車体フレームに対して前記中央連結軸周りのトルクを付与するアクチュエータと、
前記アクチュエータを制御する制御装置と、
乗員によって操作されるメインスイッチと、を備え、
前記制御装置は、
前記アクチュエータを制御することにより前記車体フレームを自立させるスタンディングアシストを実行するスタンディングアシスト制御部と、
前記スタンディングアシストの実行中に前記メインスイッチがＯＦＦされると、予め定められた所定時間が経過するまで前記アクチュエータの制御を継続し、前記所定時間が経過したときに前記アクチュエータの制御を終了させるスタンディングアシスト継続部と、を有している、リーン車両。
続きを表示（約 540 文字）【請求項２】
前記スタンディングアシスト継続部は、前記スタンディングアシストの実行中に前記メインスイッチがＯＦＦされると、前記所定時間が経過するまで、前記アクチュエータが出力するトルクを徐々に減少させるように構成されている、請求項１に記載のリーン車両。
【請求項３】
前記スタンディングアシストの実行中に前記メインスイッチがＯＦＦされると、前記所定時間が経過するまで、乗員に対して通知を行う通知装置を備えている、請求項１に記載のリーン車両。
【請求項４】
前記所定時間は０．３秒～１秒である、請求項１に記載のリーン車両。
【請求項５】
前記ヘッドパイプに支持されたステアリング軸と、
前記ステアリング軸に固定されたステアリングハンドルと、を備え、
前記左車輪および前記右車輪は、それぞれ前記ステアリングハンドルよりも前方に配置された左前輪および右前輪である、請求項１に記載のリーン車両。
【請求項６】
前記車体フレームに支持されたシートと、
前記車体フレームに支持され、前記シートの下方に配置され、前記シートに座る乗員の足を支持する足載せ台と、
を備えた、請求項１に記載のリーン車両。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、左車輪および右車輪を備え、左折時および右折時に傾倒するリーン車両に関する。
続きを表示（約 2,000 文字）【背景技術】
【０００２】
例えば特開２０１８－１４９９６２号公報に開示されているように、左折時および右折時に傾倒可能な車体フレームと、車体フレームを支持する左車輪および右車輪と、車体フレームと左車輪と右車輪とを連結するリンク機構とを備えたリーン車両が知られている。車体フレーム、左車輪、および右車輪は、それぞれリンク機構に対して、車両前後方向に延びる軸線周りに回転可能に連結されている。
【０００３】
また、上記リーン車両は、車体フレームに対して車両前後方向に延びる軸線周りのトルクを与えるアクチュエータを備えている。このようなリーン車両によれば、アクチュエータを制御することにより、車体フレームを自立させることができる。以下、アクチュエータにより車体フレームを自立させることをスタンディングアシストと呼ぶこととする。停車時にスタンディングアシストを行うことにより、乗員が地面に足をつけなくても車体フレームが傾かないようにすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特開２０１８－１４９９６２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
従来のリーン車両では、メインスイッチをＯＦＦすると、アクチュエータに対する給電が直ちに停止される。車体フレームを自立させるためにアクチュエータが発生するトルクは、メインスイッチのＯＦＦと同時に消失する。そのため、乗員は、メインスイッチをＯＦＦすると同時に、直ちに車体フレームを自ら支える必要があった。
【０００６】
メインスイッチをＯＦＦしたときの乗員の負担を軽減するため、メインスイッチのＯＦＦ後にもアクチュエータの制御を継続することが考えられる。しかし、乗員はメインスイッチのＯＦＦ後に、例えば、リーン車両を駐車場所まで押して移動させる場合がある。その際、車体フレームを傾倒させてリーン車両を旋回させることがある。この場合、アクチュエータがトルクを発生し続けると、リーン車両を押しながら旋回させることが難しくなり、リーン車両を円滑に移動させることができなくなる。
【０００７】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、スタンディングアシストが可能であって、メインスイッチのＯＦＦ後に、乗員の負担が少なく、かつ、乗員が容易に移動させやすいリーン車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
ここに開示されるリーン車両は、ヘッドパイプを有する車体フレームと、前記ヘッドパイプよりも左方に配置された左車輪と、前記ヘッドパイプよりも右方に配置された右車輪と、前記左車輪を支持する左車輪支持部材と、前記左車輪支持部材の右方に配置され、前記右車輪を支持する右車輪支持部材と、前記車体フレームの左方および右方に延びる連結部材と、前記車体フレームを前記連結部材に回転可能に連結する車両前後方向に延びる中央連結軸と、前記左車輪支持部材を前記連結部材に回転可能に連結する車両前後方向に延びる左連結軸と、前記右車輪支持部材を前記連結部材に回転可能に連結する車両前後方向に延びる右連結軸と、前記車体フレームに対して前記中央連結軸周りのトルクを付与するアクチュエータと、前記アクチュエータを制御する制御装置と、乗員によって操作されるメインスイッチと、を備える。前記制御装置は、前記アクチュエータを制御することにより前記車体フレームを自立させるスタンディングアシストを実行するスタンディングアシスト制御部と、前記スタンディングアシストの実行中に前記メインスイッチがＯＦＦされると、予め定められた所定時間が経過するまで前記アクチュエータの制御を継続し、前記所定時間が経過したときに前記アクチュエータの制御を終了させるスタンディングアシスト継続部と、を有している。
【０００９】
上記リーン車両によれば、スタンディングアシストの実行中に乗員がメインスイッチをＯＦＦした場合、アクチュエータのトルクは直ぐには消失せず、所定時間が経過するまで残存する。そのため、乗員はメインスイッチをＯＦＦした瞬間から車体フレームを支える必要は無い。よって、乗員の負担を軽減することができる。また、上記リーン車両によれば、メインスイッチをＯＦＦした後、所定時間が経過するとアクチュエータのトルクが消失するので、乗員はリーン車両を押しながら旋回させることができる。よって、乗員は、所定時間の経過後に、リーン車両を駐車場所等に容易に移動させることができる。
【００１０】
前記スタンディングアシスト継続部は、前記スタンディングアシストの実行中に前記メインスイッチがＯＦＦされると、前記所定時間が経過するまで、前記アクチュエータが出力するトルクを徐々に減少させるように構成されていてもよい。
（【００１１】以降は省略されています）

関連特許