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公開番号2024126162
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-20
出願番号2023034377
出願日2023-03-07
発明の名称多孔質ゼラチンファイバーの製造方法
出願人学校法人同志社
代理人弁理士法人前田特許事務所
主分類A61L 15/32 20060101AFI20240912BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】連通性及び優れた空隙率を有し、吸水性に優れ、集積することで細胞遊走性に優れる多孔質ゼラチンファイバーの製造方法を提供する。
【解決手段】ゼラチン溶液を段階的に冷却しながら微細管ノズルを通過させることでゼラチンゲルファイバーを作製するゲルファイバー作製工程と、ゼラチンゲルファイバーを凍結乾燥させることで多孔質ゼラチンファイバーを作製する凍結乾燥工程と、を有する。ゼラチン溶液を吐出する過程で冷却し、ノズル中で段階的にゲル化させ吐出することで径が均一なファイバーを連続して紡糸可能とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
多孔質ゼラチンファイバーの製造方法であって、
ゼラチン溶液を段階的に冷却しながら微細管ノズルを通過させることでゼラチンゲルファイバーを作製するゲルファイバー作製工程と、
前記ゼラチンゲルファイバーを凍結乾燥させることで多孔質ゼラチンファイバーを作製する凍結乾燥工程と、
を有することを特徴とする多孔質ゼラチンファイバーの製造方法。
続きを表示(約 490 文字)【請求項2】
前記微細管ノズルをn(nは2~100)段階的に冷却することを特徴とする請求項1に記載の多孔質ゼラチンファイバーの製造方法。
【請求項3】
前記微細管ノズルを2段階的に冷却し、前記微細管ノズルの先端に近い経路を冷却部B、前記微細管ノズルの基端に近い経路を冷却部Aとした場合、冷却部Aの温度が18℃~22℃であり、冷却部Bの温度が2℃~16℃であることを特徴とする請求項2に記載の多孔質ゼラチンファイバーの製造方法。
【請求項4】
ゼラチン溶液が微細管ノズルを通過する際の吐出速度が100~500 μL/minであることを特徴とする請求項1に記載の多孔質ゼラチンファイバーの製造方法。
【請求項5】
前記凍結乾燥工程では、多孔質ゼラチンファイバーを0~-196℃にて凍結乾燥させることを特徴とする請求項1に記載の多孔質ゼラチンファイバーの製造方法。
【請求項6】
前記多孔質ゼラチンファイバーは医療材料としての創傷被覆材に利用されることを特徴とする請求項1に記載の多孔質ゼラチンファイバーの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔質ゼラチンファイバーの製造方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
事故や疾病、老化等により生体組織の機能が損なわれた場合、その機能を再生させることを目的とした再生医療に注目が集まっている。一般的に生体組織は細胞と細胞自身が産生する細胞外基質から構成されており、細胞の接着・増殖や分化と言った組織形成の足場として細胞外基質が重要な役割を果たしている。再生医療では、細胞とその活動の基盤となるスキャホールドを用いることで生体組織の再生を促す。細胞とスキャホールドを用いて生体組織を再生する再生医療工学では、スキャホールドは単に構造支持体としての役割に加え、生体組織の再生を促進する役割が求められている。
【0003】
これまで、優れた生体吸収性や高い成型性からポリ乳酸等の合成高分子材料が足場材料として用いられてきた。しかし、合成高分子材料には、細胞親和性の低さや生体内で分解されたときの生成物の毒性があるといった問題点がある。そこで近年では、合成高分子材料と比較して生体適合性が高い天然高分子材料が用いられている。天然高分子材料であるゼラチンは、皮膚や腱、骨等生体組織の細胞外基質の主成分であるコラーゲンを加水分解することで得ることができる。ゼラチンは、安価で入手が容易であり、高い生体適合性やコラーゲンと比較して抗原性が低いといった利点があることから近年、スキャホールドとして用いられている(特許文献1~4)。
【0004】
三次元スキャホールドは、細胞外マトリックス(ECM)を模倣することが可能であり、生体組織の再生を促進する。また、優れた空隙率及び制御された孔径を有する三次元スキャホールドは、細胞種に適した細胞接着性とすることが可能であり、細胞の分化や増殖を促進する。三次元スキャホールドには細胞浸潤性が求められるため、連通性を有する必要がある。
【0005】
ゼラチンスポンジは、三次元構造かつ多孔質構造であるため、細胞接着のためのスペースが多く、細胞の増殖や分化を促進する。さらに、架橋を施したゼラチンスポンジは生体内での形状維持が可能である。
【0006】
ゼラチンは、水溶性が極めて高く、これをそのまま生体内に移植しても急速にその形状を失ってしまう。従って、生体に移植して足場材としての役割を果たすためには、何らかの架橋を施して耐水性を高める必要があり、例えば凍結乾燥による物理架橋がある。
【0007】
しかし、凍結乾燥法により作製されるスポンジは、内部の水分が凍結後、昇華・蒸発により取り除かれることで細孔が形成される。そのため細孔間の連続性が乏しく、スポンジ内部への細胞遊走が困難である点が懸念される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2022-159315号公報
特開2020-204120号公報
特開2019-123955号公報
特表2019-524949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、連通性及び優れた空隙率を有し、吸水性に優れ、集積することで細胞遊走性に優れる多孔質ゼラチンファイバーの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明にかかる多孔質ゼラチンファイバーの製造方法は、多孔質ゼラチンファイバーの製造方法であって、ゼラチン溶液を冷却しながら微細管ノズルを通過させることでゼラチンゲルファイバーを作製するゲルファイバー作製工程と、ゼラチンゲルファイバーを凍結乾燥させることで多孔質ゼラチンファイバーを作製する工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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