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公開番号2024152679
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-25
出願番号2024063685
出願日2024-04-11
発明の名称内服液剤
出願人大正製薬株式会社
代理人
主分類A61K 36/258 20060101AFI20241018BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】沈殿の生成が抑制された安定な生薬エキス配合内服液剤を提供することであり、ニンジン又はコウジン以外の特定の生薬をさらに含むにもかかわらず、品質が良好な内服液剤を提供することである。。
【解決手段】
次の成分(a)(b)(c)及び(d)を含む内服液剤。
(a)(a1)ニンジン及び/又は(a2)コウジン
(b)インヨウカク、ショウキョウ、ニクジュヨウ、オウセイ、ジョテイシ、及びトチュウからなる群から選択される少なくとも1種の生薬
(c)ポリビニルピロリドン
(d)デキストリン
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
次の成分(a)(b)(c)及び(d)を含む内服液剤。
(a)(a1)ニンジン及び/又は(a2)コウジン
(b)インヨウカク、ショウキョウ、ニクジュヨウ、オウセイ、ジョテイシ、及びトチュウからなる群から選択される少なくとも1種の生薬
(c)ポリビニルピロリドン
(d)デキストリン
続きを表示(約 260 文字)【請求項2】
実質的にポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を含まない、請求項1に記載の内服液剤。
【請求項3】
pHが2.5~4.0である、請求項1又は2に記載の内服液剤。
【請求項4】
(d)デキストリンの含有量が、原生薬換算で(a2) コウジン1質量部に対し、0.1~170質量部である請求項1又は2に記載の内服液剤。
【請求項5】
(d)デキストリンの含有量が、原生薬換算で(a1)ニンジン1質量部に対し、0.1~45質量部である、請求項1又は2に記載の内服液剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ニンジン又はコウジンを含有する内服液剤に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
ニンジン又はコウジンは、古くから滋養強壮、虚弱体質、病後の体力低下時などに広く用いられてきた生薬であり、これらを配合した内服液剤が非常に多く上市されている。ニンジン又はコウジンにはサポニンであるジンセノサイドが多く含まれており、ジンセノサイド単独あるいは他の成分との相互作用により、様々な薬理作用を発揮することが知られている。しかし、ジンセノサイド類は水溶液中で経時的に濁りや浮遊物、沈殿を生成するため、いかにそれを防ぐかが商品性や有効性の観点から大きな検討課題となっている。
ジンセノサイド類由来の沈殿や浮遊物を抑制する方法として、ポリグリセリン脂肪酸エステルやポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などの合成界面活性剤を添加する方法が報告されている(特許文献1)。一方、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を配合すると低pHで経時的に沈殿が生じ、外観が悪化することが課題となっている。
【0003】
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油やその他の合成界面活性剤を使用しない方法としては、アルギン酸プロピレングリコールエステルを配合することにより、ニンジンやコウジンをはじめとするサポニン含有生薬の沈殿生成を抑制できることが知られている(特許文献2)。また、ニンジンエキス由来の沈殿や浮遊物の生成を、精油とポリビニルアルコールで抑制する方法が報告されている(特許文献3)。しかし、特許文献3では、ポリビニルアルコールに替えて、可溶化剤、溶解補助剤として知られているポリビニルピロリドンを使用すると、ニンジンエキスに起因する沈殿や浮遊物の生成を抑制することができず、商品性の観点から問題があったことが示されている(特許文献3)。
【0004】
デキストリンは不快味のマスキング剤として知られている(特許文献4)。また、一部の生薬を含む液体組成物において、pH調整剤と共に配合することによって経時的な沈殿や懸濁が抑制できることが報告されている(特許文献5)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2002-193825号公報
特開平3-99020号公報
特開2013-100270号公報
特開2015-128420号公報
特開2013-126958号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、a)ニンジン及び/又はコウジンと、b)インヨウカク、ショウキョウ、ニクジュヨウ、オウセイ、ジョテイシ、及びトチュウからなる群から選択される少なくとも1種の生薬を含む場合、デキストリンとpH調整剤を配合しても経時的な沈殿を抑制することができなかった。したがって、本発明の目的は、経時的な沈殿の生成が抑制された、ニンジン又はコウジン含有内服液剤を提供することであり、ニンジン又はコウジン以外の特定の生薬をさらに含むにもかかわらず、品質が良好な内服液剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ニンジン又はコウジン、及びニンジン又はコウジン以外の特定の生薬を配合した内服液剤に、ポリビニルピロリドン及びデキストリンを配合すると、経時的な沈殿の生成が抑制されることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、
(1)次の成分(a)(b)(c)及び(d)を含む内服液剤
(a)(a1)ニンジン及び/又は(a2)コウジン
(b)インヨウカク、ショウキョウ、ニクジュヨウ、オウセイ、ジョテイシ、及びトチュウからなる群から選択される少なくとも1種の生薬
(c)ポリビニルピロリドン
(d)デキストリン、
(2)実質的にポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を含まない、(1)に記載の内服液剤
(3)pHが2.5~4.0である、(1)又は(2)に記載の内服液剤、
(4)(d)デキストリンの含有量が、原生薬換算で(a2) コウジン1質量部に対し、0.1~170質量部である(1)~(3)のいずれかに記載の内服液剤、
(5)(d)デキストリンの含有量が、原生薬換算で(a1)ニンジン1質量部に対し、0.1~45質量部である、(1)~(4)のいずれかに記載の内服液剤、
である。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、経時的な沈殿の生成が抑制されたニンジン又はコウジン配合内服液剤を提供することが可能になった。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に用いる(a)ニンジンとコウジンは、エキスの形態での配合が好ましい。エキスの製造は通常の方法、例えば、抽出溶媒を用いて、適当な温度(低温又は加熱)にて、原料から抽出する方法などにより行う。抽出溶媒は適当に選択できるが、好ましくは、水、親水性溶媒およびこれらの混合溶媒が用いられ、特に、親水性溶媒としてエタノールを用いるのが良い。本発明のエキスとは、液状抽出物をそのまま使用できるほか、水などで希釈したもの、液状抽出物の濃縮物、液状抽出物の乾固物としても使用できる。すなわち、本発明のエキスには、乾燥エキス、軟エキス、流エキス、チンキなどいずれのものも包含される。エキスは市販品を用いることもできる。
(【0011】以降は省略されています)

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