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公開番号2024125621
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-19
出願番号2023033555
出願日2023-03-06
発明の名称ステアバイワイヤ方式の操舵装置
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類B62D 5/04 20060101AFI20240911BHJP(鉄道以外の路面車両)
要約【課題】ステアリングホイールの回転が規制される角度位置を、中立位置から180°を超える角度位置に設定することができ、しかも、その角度位置を任意に変化させることが可能なステアバイワイヤ方式の操舵装置を提供する。
【解決手段】ステアリングホイール1の回転が入力される太陽歯車23と、回転を出力する遊星キャリヤ24と、太陽歯車23から遊星キャリヤ24への回転伝達経路の一部を構成する内歯車21と、遊星キャリヤ24に固定して設けられたストッパ35と、ストッパ35を受け止めて遊星キャリヤ24の回転可能範囲を規制するストッパ受け部37と、内歯車21に回転を入力するストッパ角度調整モータ16とを有するステアバイワイヤ方式の操舵装置。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
ステアリングホイール(1)と、
前記ステアリングホイール(1)の操作量を検知する操舵センサ(5)と、
前記ステアリングホイール(1)に対して機械的に切り離して設けられ、前記操舵センサ(5)で検知される前記ステアリングホイール(1)の操作量に応じて操舵対象(3)の向きを変化させる転舵アクチュエータ(2)と、を有するステアバイワイヤ方式の操舵装置において、
前記ステアリングホイール(1)の回転が入力される入力側回転部材と、回転を出力する出力側回転部材と、前記入力側回転部材から前記出力側回転部材への回転伝達経路の一部を構成する差動回転部材とを有し、前記差動回転部材に回転を入力することで、前記入力側回転部材の回転角度に対する前記出力側回転部材の回転角度の角度関係を変化させることができるように構成された差動減速機構と、
前記出力側回転部材と一体に回転するように前記出力側回転部材に固定して設けられたストッパ(35)と、
前記ストッパ(35)を受け止めて前記出力側回転部材の回転可能範囲を規制するストッパ受け部(37)と、
前記差動回転部材に回転を入力するストッパ角度調整モータ(16)とを有することを特徴とするステアバイワイヤ方式の操舵装置。
続きを表示(約 970 文字)【請求項2】
前記差動減速機構は、太陽歯車(23)と、前記太陽歯車(23)を囲むリング状に形成され、前記太陽歯車(23)を中心に回転可能に設けられた内歯車(21)と、前記内歯車(21)と前記太陽歯車(23)の間に周方向に間隔をおいて配置され、前記内歯車(21)と前記太陽歯車(23)に同時に噛み合う複数の遊星歯車(25)と、前記複数の遊星歯車(25)を自転可能かつ前記太陽歯車(23)まわりに公転可能に支持する遊星キャリヤ(24)とを有する遊星歯車減速機構(20)であり、
前記太陽歯車(23)が、前記入力側回転部材であり、
前記内歯車(21)が、前記差動回転部材であり、
前記遊星キャリヤ(24)が、前記出力側回転部材である請求項1に記載のステアバイワイヤ方式の操舵装置。
【請求項3】
前記内歯車(21)の外周には外歯(32)が設けられ、
前記外歯(32)に噛み合う螺旋状のねじ山(33)を外周にもつウォーム(34)が設けられ、
前記ウォーム(34)が前記ストッパ角度調整モータ(16)で回転駆動される請求項2に記載のステアバイワイヤ方式の操舵装置。
【請求項4】
前記ウォーム(34)は、前記ウォーム(34)の軸線方向が前記内歯車(21)の軸線方向に対して直交する向きとなるように配置され、そのウォーム(34)の軸線上に前記ストッパ角度調整モータ(16)が配置されている請求項3に記載のステアバイワイヤ方式の操舵装置。
【請求項5】
前記外歯(32)は、前記内歯車(21)に一体に形成されている請求項3または4に記載のステアバイワイヤ方式の操舵装置。
【請求項6】
前記遊星歯車減速機構(20)を収容するケース(22)を更に有し、
前記ストッパ(35)は、前記遊星キャリヤ(24)の軸方向側面に形成された突起であり、
前記ケース(22)には、前記ストッパ(35)を周方向に移動可能に収容し、360°未満の角度範囲で周方向に延びるストッパ溝(36)が設けられ、
前記ストッパ受け部(37)は、前記ストッパ溝(36)の周方向端面である請求項2から4のいずれかに記載のステアバイワイヤ方式の操舵装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、ステアリングホイールと操舵対象との間が機械的に切り離された状態で操舵対象の転舵を行なうステアバイワイヤ方式の操舵装置に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
運転者によるステアリングホイールの回転操作に応じて、車両の転舵輪の向きを変化させる操舵装置として、ステアバイワイヤ方式のものが知られている(例えば、特許文献1)。ステアバイワイヤ方式の操舵装置は、ステアリングホイールの操作量を検知する操舵センサと、ステアリングホイールに対して機械的に切り離して設けられた転舵アクチュエータとを有し、その転舵アクチュエータが、操舵センサで検知されるステアリングホイールの操作量に応じて作動し、左右一対の転舵輪の向きを変化させる。
【0003】
このステアバイワイヤ方式の操舵装置は、運転者によるステアリングホイールの操作量をいったん電気信号に変換し、その電気信号に基づいて転舵アクチュエータの動作を制御するので、例えば、ステアリングホイールを操作したときの転舵輪の向きの変化量を車両の走行速度に応じて調整するといったように、車両の走行速度に応じてステアリングホイールの操作量と転舵アクチュエータの動作量の対応関係を最適化することが可能であり、車両の走行安定性や運動性能の向上を可能とするものとして期待されている。
【0004】
ところで、特許文献1の車両用操舵装置は、ステアリングホイールが、予め設定された角度範囲を超えて回転操作されるのを防止するため、ステアリングホイールに接続されたステアリングシャフトの外周の周方向の1箇所に外周突起(第1係止部)を設けるとともに、ステアリングシャフトを回転可能に収容する筒状のステアリングコラムの内周の周方向の1箇所に内周突起(第2係止部)を設け、ステアリングシャフトの外周突起(第1係止部)をステアリングコラムの内周の内周突起(第2係止部)で周方向に受け止めることで、ステアリングホイールの回転角度を予め設定された範囲内に規制するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-172202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の車両用操舵装置は、ステアリングシャフトの外周に設けた外周突起(第1係止部)を、ステアリングコラムの内周に設けた内周突起(第2係止部)で周方向に受け止める構成なので、ステアリングホイールの回転が規制される角度位置を、中立位置から180°未満の角度位置にしか設定することができない。
【0007】
また、特許文献1の車両用操舵装置は、ステアリングシャフトの外周に設けた外周突起(第1係止部)を、ステアリングコラムの内周に設けた内周突起(第2係止部)で周方向に受け止める構成なので、予め設定された固定の角度位置でしか、ステアリングホイールの回転を規制することができず、ステアリングホイールの回転が規制される角度位置を変更することはできない。そのため、例えば、車両の走行速度に応じて、ステアリングホイールの回転が規制される角度位置を変化させるということができなかった。
【0008】
この問題は、車両の転舵輪を操舵対象とするステアバイワイヤ方式の車両用ステアリング装置以外にも、ステアバイワイヤ方式のステアリング装置であれば、例えば、船舶の船尾に設けられる舵(船外機等)を操舵対象とするステアバイワイヤ方式の船舶用ステアリング装置などにも存在する。
【0009】
この発明が解決しようとする課題は、ステアリングホイールの回転が規制される角度位置を、中立位置から180°を超える角度位置に設定することができ、しかも、その角度位置を任意に変化させることが可能なステアバイワイヤ方式の操舵装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、この発明では、以下の構成のステアバイワイヤ方式の操舵装置を提供する。
[構成1]
ステアリングホイールと、
前記ステアリングホイールの操作量を検知する操舵センサと、
前記ステアリングホイールに対して機械的に切り離して設けられ、前記操舵センサで検知される前記ステアリングホイールの操作量に応じて操舵対象の向きを変化させる転舵アクチュエータと、を有するステアバイワイヤ方式の操舵装置において、
前記ステアリングホイールの回転が入力される入力側回転部材と、回転を出力する出力側回転部材と、前記入力側回転部材から前記出力側回転部材への回転伝達経路の一部を構成する差動回転部材とを有し、前記差動回転部材に回転を入力することで、前記入力側回転部材の回転角度に対する前記出力側回転部材の回転角度の角度関係を変化させることができるように構成された差動減速機構と、
前記出力側回転部材と一体に回転するように前記出力側回転部材に固定して設けられたストッパと、
前記ストッパを受け止めて前記出力側回転部材の回転可能範囲を規制するストッパ受け部と、
前記差動回転部材に回転を入力するストッパ角度調整モータとを有することを特徴とするステアバイワイヤ方式の操舵装置。
(【0011】以降は省略されています)

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