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公開番号2024124708
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-13
出願番号2023032581
出願日2023-03-03
発明の名称無傷クランプ
出願人イーグルクランプ株式会社
代理人個人
主分類B66C 1/48 20060101AFI20240906BHJP(巻上装置;揚重装置;牽引装置)
要約【課題】無傷クランプにおいて構成部品の摩耗や変形などに起因してワークに対する把持力が低下する恐れがあるときにその危険性を作業者に知らせてワーク滑落事故を未然に防止する。
【解決手段】無傷クランプ10の吊環29に、危険マーク41および上下の識別マーク42,43が設けられる。上方の識別マーク43は、その一部が出現していることにより、クランプに異常が無く、正常な状態で吊り上げ作業が行われていることを作業者に知らせる(図3)。下方の識別マーク42は、正常な吊り上げ状態でラック歯16a,17aが噛み合う位置から楔体17がガイド板16に対して1山後退したときに出現して、ラック歯の摩耗の可能性を作業者に知らせる(図4)。危険マーク41は、正常な吊り上げ状態で噛み合う位置から楔体17が2山後退したときに出現して、ワーク滑落のリスクが大きいことを作業者に知らせる(図5)。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
一対の脚部間にスロットを有して略逆U字形に形成されるクランプ本体と、クランプ本体に連結される吊環と、クランプ本体の一方の脚部に設けられる押さえ金と、吊環の上下方向の移動量と押さえ金のスロットへの突出方向の移動量とを関連付けるリンク機構と、クランプ本体の他方の脚部に設けられる楔体と、クランプ本体に固定されて楔体のラック歯と噛合可能なラック歯を備えるガイド板と、を有し、スロットに挿入したワークの厚さに応じて楔体がガイド板に対して下降して所定の位置で楔体のラック歯とガイド板のラック歯とが噛み合った状態で楔体の垂直係合面をワークの一側面に当接させ、押さえ金の垂直係合面をワークの他側面に当接させた状態で吊環を介してワークを吊り上げるように構成された無傷クランプにおいて、前記吊環には、正常なワーク吊り上げ時にはクランプ本体内に埋没して外部に露出しないが、ワーク吊り上げ中に吊環が所定距離L1以上上昇移動したときに少なくともその一部がクランプ本体の上端から露出する位置に、危険マークが表示されることを特徴とする、無傷クランプ。
続きを表示(約 580 文字)【請求項2】
前記危険マークは、前記所定の位置で楔体のラック歯とガイド板のラック歯とが噛み合った状態から楔体がラック歯2山後退したときに吊環が所定距離L1以上上昇移動して少なくともその一部がクランプ本体の上端から露出することを特徴とする、請求項1記載の無傷クランプ。
【請求項3】
前記吊環には、前記危険マークの上方であって、正常なワーク吊り上げ時にはクランプ本体内に埋没して外部に露出しないが、ワーク吊り上げ中に吊環が所定距離L2(L2<L1=以上上昇移動したときに少なくともその一部がクランプ本体の上端から露出する位置に、第一の識別マークが表示されることを特徴とする、請求項1記載の無傷クランプ。
【請求項4】
前記第一の識別マークは、前記所定の位置で楔体のラック歯とガイド板のラック歯とが噛み合った状態から楔体がラック歯1山後退したときに吊環が所定距離L2以上上昇移動して少なくともその一部がクランプ本体の上端から露出することを特徴とする、請求項3記載の無傷クランプ。
【請求項5】
前記吊環に、前記第一の識別マークのさらに上方であって、正常なワーク吊り上げ時にクランプ本体内から少なくともその一部が露出する位置に、第二の識別マークが表示されることを特徴とする、請求項3または4記載の無傷クランプ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークを傷付けずに吊り上げることができるように構成された無傷クランプに関し、特に、何らかの異常によりワークに対する把持力が低下する恐れがあるときにその危険性を作業者に知らせてワーク滑落事故を未然に防止する手段を設けた無傷クランプに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
本出願人による特許文献1,2に開示される無傷クランプは、スロットを挟んで対向する一対の脚部の一方に押さえ金を設けると共に、他方の脚部に平面視略三角形状の楔体を設け、スロットに挿入したワークの一側面に押さえ金の垂直面を当接させ、該ワークの他側面に楔体の垂直面を当接させた状態でワークを吊り上げるように構成されている。ワークの側面に歯や爪などの突起が喰い込まずに面で接した状態でワークを吊り上げるので、ワークの側面に傷が付いて損傷することによる商品価値の低下を防止するだけでなく、ワークを形成する金属材料の内部組織に悪影響を与えることによる強度低下を防止する。
【0003】
楔体は、垂直な把持面に対して所定角度で傾斜する傾斜面を有し、この傾斜面にラック歯(楔体ラック歯)が形成されると共に、楔体の傾斜面と平行な傾斜面を有するガイド板が前記他方の脚部に固定され、このガイド板の傾斜面に、楔体ラック歯に噛合可能なラック歯(ガイド板ラック歯)が形成される。スロットに挿入したワークの両側面に押さえ金の垂直面および楔体の垂直面を当接させた状態で吊り上げることにより、ワークの負荷を受けて楔体が下方に移動し、これにより楔体ラック歯がガイド板ラック歯に噛合して、ワークから受ける反力で楔体が上方に後退移動することを防止し、把持力を低下させないように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開昭61-27892号公報
特開2007-76806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のように構成された無傷クランプは、ワーク側面に喰い込む歯や爪などの突起を設けたクランプと比較すると、ワークを平面で押さえることになるので、ワークに対する把持力を強く設定する必要があり、ワークの板厚に対応するストロークを確保するためにクランプが大型化するという欠点を有する。この欠点を補うために、上記したように、楔体ラック歯とガイド板ラック歯との噛合を介して把持力が低下しないような機構を採用したとしても、クランプを構成する各部品の摩耗、変形、曲がり、亀裂、ガタつき、クランプ本体の歪み、スロットの開口幅の拡がりなどが生じることにより、楔体ラック歯とガイド板ラック歯との噛合がずれてしまい、その結果として楔体が上方に後退してワークに対する把持力が低下する。この状態に気付かずにそのままワークを吊り上げていくと、最悪の場合にはワークが滑落して重大事故を招く恐れがあった。
【0006】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、無傷クランプにおいて構成部品の摩耗や変形などに起因してワークに対する把持力が低下したときにその危険性を作業者に知らせてワーク滑落事故につながることを未然に防止することである。特許文献2には、無傷クランプにおいてワークが滑落し始めたときにワーク側面にストッパカムの歯先を喰い込ませてワークの落下を防止するワーク滑落防止装置を設けることが提案されているが、ワークの落下による重大事故の発生を未然に回避するという危険回避手段としては有効に機能するものの、ワークを傷付けないという無傷クランプの本来の機能を損ねてしまうことから、上記ワーク滑落防止装置が動作する前の予備的段階で、ワーク滑落の危険性を察知する手段を講ずることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決するため、請求項1に係る本発明は、一対の脚部間にスロットを有して略逆U字形に形成されるクランプ本体と、クランプ本体に連結される吊環と、クランプ本体の一方の脚部に設けられる押さえ金と、吊環の上下方向の移動量と押さえ金のスロットへの突出方向の移動量とを関連付けるリンク機構と、クランプ本体の他方の脚部に設けられる楔体と、クランプ本体に固定されて楔体のラック歯と噛合可能なラック歯を備えるガイド板と、を有し、スロットに挿入したワークの厚さに応じて楔体がガイド板に対して下降して所定の位置で楔体のラック歯とガイド板のラック歯とが噛み合った状態で楔体の垂直係合面をワークの一側面に当接させ、押さえ金の垂直係合面をワークの他側面に当接させた状態で吊環を介してワークを吊り上げるように構成された無傷クランプにおいて、前記吊環には、正常なワーク吊り上げ時にはクランプ本体内に埋没して外部に露出しないが、ワーク吊り上げ中に吊環が所定距離L1以上上昇移動したときに少なくともその一部がクランプ本体の上端から露出する位置に、危険マークが表示されることを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る本発明は、請求項1記載の無傷クランプにおいて、前記危険マークは、前記所定の位置で楔体のラック歯とガイド板のラック歯とが噛み合った状態から楔体がラック歯2山後退したときに吊環が所定距離L1以上上昇移動して少なくともその一部がクランプ本体の上端から露出することを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る本発明は、請求項1記載の無傷クランプにおいて、前記吊環には、前記危険マークの上方であって、正常なワーク吊り上げ時にはクランプ本体内に埋没して外部に露出しないが、ワーク吊り上げ中に吊環が所定距離L2(L2<L1=以上上昇移動したときに少なくともその一部がクランプ本体の上端から露出する位置に、第一の識別マークが表示されることを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る本発明は、請求項3記載の無傷クランプにおいて、前記第一の識別マークは、前記所定の位置で楔体のラック歯とガイド板のラック歯とが噛み合った状態から楔体がラック歯1山後退したときに吊環が所定距離L2以上上昇移動して少なくともその一部がクランプ本体の上端から露出することを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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