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公開番号
2024105157
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-06
出願番号
2023009750
出願日
2023-01-25
発明の名称
鋼板保持装置
出願人
ウエダ産業株式会社
代理人
個人
主分類
B66C
1/06 20060101AFI20240730BHJP(巻上装置;揚重装置;牽引装置)
要約
【課題】鋼板保持装置を大型化する場合であっても、油圧シリンダーの動力を係止用アームに伝達する動力伝達部の重量の増大を抑制する。
【解決手段】鋼板保持装置10の落下防止機構16は、係止用アーム21と油圧シリンダー22と動力伝達部23とを備えている。動力伝達部23は、基端部21bを支点に係止用アーム21を回転させるための第1伝達機構31と、係止用アーム21の基端部21bを上下動させるための第2伝達機構32と、クラッチ部材25を具備する切替機構33とを有する。ピストンロッドの進出過程では、切替機構33は、クラッチ部材25が第1伝達機構31に係合する第1状態から、クラッチ部材25が第2伝達機構32に係合する第2状態に切り替わり、第1状態の期間に、第1伝達機構31の動作によって係止用アーム21が下方に回転し、第2状態の期間に、第2伝達機構32の動作によって係止用アーム21の基端部21bが持ち上げられる。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
磁力によって鋼板を吸着する吸着装置と、
前記吸着装置により吸着される鋼板を係止する落下防止機構とを備えた鋼板保持装置であって、
前記落下防止機構は、
先端部にて鋼板に係止可能で、基端部が回転自在に支持された係止用アームと、
ピストンロッドが進退する油圧シリンダーと、
前記基端部を支点に前記係止用アームを回転させるための第1伝達機構と、前記係止用アームの基端部を上下動させるための第2伝達機構と、前記第1伝達機構と前記第2伝達機構に係合するクラッチ部材を具備し、前記ピストンロッドの進退に伴ってクラッチ部材が移動して該クラッチ部材の係合先が前記第1伝達機構と前記第2伝達機構とで切り替わる切替機構とを有する動力伝達部とを備え、
前記ピストンロッドの進出過程では、前記切替機構は、前記クラッチ部材が前記第1伝達機構に係合する第1状態から、前記クラッチ部材が前記第2伝達機構に係合する第2状態に切り替わり、前記第1状態の期間に、前記クラッチ部材の移動に伴う前記第1伝達機構の動作によって、前記先端部が上方を向く状態の係止用アームが下方に回転し、前記第2状態の期間に、前記クラッチ部材の移動に伴う前記第2伝達機構の動作によって、前記係止用アームの基端部が持ち上げられる、鋼板保持装置。
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【請求項2】
前記第2伝達機構は、当該鋼板保持装置の基台に固定された固定軸に一端側が回転自在に支持されて、他端側が前記係止用アームの基端部に回転自在に連結された伝達側回転体を備え、
前記切替機構は、前記ピストンロッドの進退に伴って、前記クラッチ部材が前記固定軸と同軸の回転軸を中心に回転移動するように構成され、
前記第2状態では、前記ピストンロッドの進出に伴って、前記伝達側回転体に係合する前記クラッチ部材が移動して、該移動に伴って前記伝達側回転体が回転することで、前記係止用アームの基端部が持ち上げられる、請求項1の鋼板保持装置。
【請求項3】
前記第1伝達機構は、
当該鋼板保持装置の基台に固定された固定軸に回転自在に支持された揺動ギアと、
前記揺動ギアに噛み合うピニオンを有し、且つ、前記ピニオンの回転軸を支点にして回転自在に設けられて、前記先端部が上方を向く状態の係止用アームを下側から支持するリフト用アームとを備え、
前記第1状態の期間に、前記ピストンロッドの進出に伴って、前記揺動ギアに係合する前記クラッチ部材が移動して、該移動に伴って前記揺動ギアが回転することで、前記リフト用アームと共に前記係止用アームが下方に回転する、請求項1に記載の鋼板保持装置。
【請求項4】
重機のアームが連結されるアーム連結部と、
前記吸着装置の上側に配置され、前記落下防止機構が取り付けられた基台と、
前記アーム連結部と前記基台の間に設けられ、前記アーム連結部に対し前記基台を傾動可能に連結する傾動機構とをさらに備え、
前記傾動機構は、
平面視において互いに直交する第1回転軸及び第2回転軸を有する自在継手と、
前記自在継手の連結角度の変化による傾動の際に、弾性変形により収縮する復元機構とを備えている、請求項1の鋼板保持装置。
【請求項5】
前記自在継手は、前記第1回転軸及び前記第2回転軸が一体化されたリング部材と、前記基台側に固定されて前記第1回転軸を回転自在に支持する第1軸回転支持機構と、前記アーム連結部側に固定されて前記第2回転軸を回転自在に支持する第2回転支持機構とをさらに備え
前記第1回転軸は、前記リング部材の外周面から、互いに逆方向に突出する一対の第1軸部材により構成され、
前記第2回転軸は、平面視において前記第1回転軸と直交する方向に沿って前記リング部材の外周面から互いに逆方向に突出する一対の第2軸部材により構成されている、請求項4の鋼板保持装置。
【請求項6】
前記復元機構は、前記基台側の部材と前記アーム連結部側の部材とが対面する対面空間に配置されて、該対面空間において上面視で互いに離間して配置された複数の伸縮装置を有し、前記傾動の際に前記対面空間の高さが狭まる箇所の伸縮装置が、弾性変形により収縮し、
前記伸縮装置は、
上下方向に弾性変形可能な弾性部材と、
前記アーム連結部側の部材に対し、少なくとも前記第1回転軸の軸方向と前記第2回転軸の軸方向とに揺動自在に支持された上側部材と、
上部が前記上側部材に係合して、前記上側部材と共に前記弾性部材を挟む下側部材と、
前記基台側の部材上に設けられて前記下側部材を受止め、且つ、前記第1回転軸の軸方向及び前記第2回転軸の軸方向の2方向の何れかに、前記下側部材が移動するように案内するガイド部とを備えている、請求項4の鋼板保持装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼板などの運搬に用いられる鋼板保持装置等に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
土木などの工事現場では、足場の保護等のために鋼板が敷設される。鋼板の敷設又は撤去の際には、重量物である鋼板の運搬が必要となる。このような場面で、ショベルなどの重機によって吊下げられた状態で使用される鋼板保持装置が用いられる。
【0003】
特許文献1には、鋼板のクランプの確実性及び容易性を高めるように構成された鋼板移送装置が記載されている。この鋼板移送装置は、先端にフック部を有した左右一対の支持アームを備えている。支持アームは、動力伝達部によって上下方向に回転するように軸支されており、回転下限位置において、フック部が鋼板を裏面側から支持する。動力伝達部は、油圧シリンダーと、油圧シリンダーの伸縮動を支持アームの回転動として伝達するリンク機構とから構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2016-69130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来の鋼板保持装置では、動力伝達部を構成するリンク機構の一端部が、油圧シリンダーのピストンロッドに連結され、他端部が支持アーム(本願発明の「係止用アーム」に相当)の基端部に連結されている。そして、リンク機構は、油圧シリンダー寄りの支点で、該鋼板保持装置の基台(フレーム)に固定された固定軸に対して回転自在に支持されている。リンク機構は、支点から支持アームとの連結箇所までの距離が比較的長い。そのため、ピストンロッドを進出させる際に、支持アームの基端部の移動距離が長くなり、リンク機構による動力伝達のみで、支持アームを下方に回転させ、且つ、支持アームの基端部を持ち上げることができる。
【0006】
しかし、従来の鋼板保持装置のリンク機構は、支点から支持アームとの連結箇所までの距離を長くする必要があるために、比較的大きな部材となる。そのため、昨今において求められている鋼板保持装置の大型化に対応しようとすると、リンク機構の強度を確保するために部材の厚みが必要となり、リンク機構の重量が増大する。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、鋼板保持装置を大型化する場合であっても、油圧シリンダーの動力を係止用アームに伝達する動力伝達部の重量の増大を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するべく、第1の発明は、磁力によって鋼板を吸着する吸着装置と、吸着装置により吸着される鋼板を係止する落下防止機構とを備えた鋼板保持装置であって、落下防止機構は、先端部にて鋼板に係止可能で、基端部が回転自在に支持された係止用アームと、ピストンロッドが進退する油圧シリンダーと、基端部を支点に係止用アームを回転させるための第1伝達機構と、係止用アームの基端部を上下動させるための第2伝達機構と、第1伝達機構と第2伝達機構に係合するクラッチ部材を具備し、ピストンロッドの進退に伴ってクラッチ部材が移動して該クラッチ部材の係合先が第1伝達機構と第2伝達機構とで切り替わる切替機構とを有する動力伝達部とを備え、ピストンロッドの進出過程では、切替機構は、クラッチ部材が第1伝達機構に係合する第1状態から、クラッチ部材が第2伝達機構に係合する第2状態に切り替わり、第1状態の期間に、クラッチ部材の移動に伴う第1伝達機構の動作によって、先端部が上方を向く状態の係止用アームが下方に回転し、第2状態の期間に、クラッチ部材の移動に伴う第2伝達機構の動作によって、係止用アームの基端部が持ち上げられる、鋼板保持装置である。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、第2伝達機構は、当該鋼板保持装置の基台に固定された固定軸に一端側が回転自在に支持されて、他端側が係止用アームの基端部に回転自在に連結された伝達側回転体を備え、切替機構は、ピストンロッドの進退に伴って、クラッチ部材が固定軸と同軸の回転軸を中心に回転移動するように構成され、第2状態では、ピストンロッドの進出に伴って、伝達側回転体に係合するクラッチ部材が移動して、該移動に伴って伝達側回転体が回転することで、係止用アームの基端部が持ち上げられる。
【0010】
第3の発明は、第1の発明において、第1伝達機構は、当該鋼板保持装置の基台に固定された固定軸に回転自在に支持された揺動ギアと、揺動ギアに噛み合うピニオンを有し、且つ、ピニオンの回転軸を支点にして回転自在に設けられて、先端部が上方を向く状態の係止用アームを下側から支持するリフト用アームとを備え、第1状態の期間に、ピストンロッドの進出に伴って、揺動ギアに係合するクラッチ部材が移動して、該移動に伴って揺動ギアが回転することで、リフト用アームと共に係止用アームが下方に回転する。
(【0011】以降は省略されています)
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