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公開番号2024124598
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-13
出願番号2023032377
出願日2023-03-03
発明の名称処理対象物質を吸着した吸着材の乾燥処理終了判定方法及び乾燥方法
出願人東京電力ホールディングス株式会社
代理人個人
主分類F26B 5/04 20060101AFI20240906BHJP(乾燥)
要約【課題】汚染水に含まれる処理対象物質を吸着した吸着材を充填した吸着塔類等の容器から、漏水リスクの高い自由水を対象に、そのすべてを蒸発除去することが可能な乾燥時間を判定する、乾燥処理終了判定方法及び乾燥方法を提供する。
【解決手段】汚染水に含まれる処理対象物質を吸着した吸着材を充填した容器から、減圧処理により容器内の自由水を蒸発除去する時間を判定する乾燥処理終了判定方法であって、前記吸着材を充填した容器を常温かつ真空度1~9kPaで減圧処理し、該吸着材を充填した容器内の水分を系外に排出させたときの積算捕集水量と減圧処理時間とを直線近似し、直線部分の終点から適正減圧処理時間を判定する乾燥処理終了判定方法、ならびに、前記吸着材を真空度1~9kPaで減圧処理して乾燥する際に、前記乾燥処理終了判定方法により判定した時間、乾燥して容器内に残留する自由水を蒸発除去することを特徴とする乾燥方法。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
汚染水に含まれる処理対象物質を吸着した吸着材を充填した容器から、減圧処理により容器内の自由水を蒸発除去させる時間を判定する乾燥処理終了判定方法であって、
前記吸着材を充填した容器を常温かつ真空度1~9kPaで減圧処理し、該吸着材を充填した容器内の水分を系外に排出させたときの積算捕集水量と減圧処理時間とを直線近似し、自由水が無くなった状態に相当する直線部分の終点から、適正減圧処理時間を判定することを特徴とする乾燥処理終了判定方法。
続きを表示(約 860 文字)【請求項2】
汚染水に含まれる処理対象物質を吸着した吸着材を充填した容器から、減圧処理により容器内の自由水を蒸発除去させる時間を判定する乾燥処理終了判定方法であって、
予め吸着層中の自由水が無くなったことがわかるパラメーターとして、吸着材の色調変化、温度変化、重量変化、水分量変化の何れか、もしくはすべてが測定可能な条件で、これらの色調、温度、重量、水分量の何れか1以上と、容器出口配管内の湿度を測定し、自由水が無くなった状態に相当する出口配管内の湿度を決定した上で、
前記吸着材を、常温かつ真空度1~9kPaで減圧処理した際の、出口配管内の湿度を連続的に測定し、自由水が無くなった状態に相当する出口配管内の湿度から、適正減圧処理時間を判定することを特徴とする乾燥処理終了判定方法。
【請求項3】
前記吸着材が、外部からの目視、吸着材充填層の温度測定、及び全体重量の変化測定が不能な容器に入っていることを特徴とする請求項1または2に記載の乾燥処理終了判定方法。
【請求項4】
減圧処理終了後において、吸着材の結晶構造が実質的に破壊されていないことを特徴とする請求項1または2に記載の乾燥処理終了判定方法。
【請求項5】
吸着材が、結晶水または吸着水を有する吸着材であることを特徴とする請求項1または2に記載の乾燥処理終了判定方法。
【請求項6】
汚染水に含まれる処理対象物質を吸着した吸着材を、真空度1~9kPaで減圧処理して乾燥する際に、請求項1に記載の乾燥処理終了判定方法により判定した時間、乾燥し、容器内に残留する自由水を蒸発除去させることを特徴とする乾燥方法。
【請求項7】
汚染水に含まれる処理対象物質を吸着した吸着材を、真空度1~9kPaで減圧処理して乾燥する際に、請求項2に記載の乾燥処理終了判定方法により判定した時間、乾燥し、容器内に残留する自由水を蒸発除去させることを特徴とする乾燥方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、汚染水に含まれる処理対象物質を吸着した吸着材を充填した容器から、腐食や漏水の原因となる自由水を蒸発除去させることが可能な乾燥処理中での乾燥処理終了判定方法及び乾燥方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
汚染水に含まれる処理対象物質を処理するための装置として、ゼオライト(結晶性アルミノケイ酸塩)等の結晶水含有無機系吸着材を充填した吸着塔類が用いられている。しかし、使用済みの吸着塔類を長期に保管する場合、吸着塔類に残水があると、残水により容器が腐食する、漏水した際に汚染水が漏洩する虞があるため、吸着塔類からできるだけ水を除去することが望まれている。
【0003】
しかし、吸着材中に含まれる水分には、自由水、吸着水(“付着水”とも言う)、結晶水がある。自由水は、吸着材の周辺で自由に移動する水である。吸着塔類の内部の水は、例えば、圧縮空気を通気することで大部分を乾燥できるが、吸着材の粒表面に表面張力で残留した水(自由水)が経時的に吸着塔類の底部に溜まり、吸着塔の腐食や漏水の原因となる可能性があるため、自由水は除去することが望ましい。
一方、吸着水は、吸着材の細孔部に吸水保持される水であるため、吸着塔類に残留しても漏水リスクは低く、結露する程度と予想されるため、除去は必須でない。
【0004】
また、結晶水は、吸着材の骨格構造に組み込まれている水であるため、腐食や漏水に影響することはなく、除去は不要である。加えて、例えばゼオライトを高温処理して結晶水を除去した場合は、吸着材の結晶構造が破壊されてしまい、ゼオライトが脆化して処理対象物質を吸着した状態の微粉末が発生する可能性があるため、結晶水の除去は避けなければいけない。さらに、こうした高温処理によって、吸着材に吸着した処理対象物質が気化して大気中に拡散する虞もある。
そのため、処理対象物質を吸着した吸着材を充填した容器から、腐食・漏洩リスクの高い自由水を安全に除去するためには、結晶水や処理対象物質が除去されないよう、低い温度条件で乾燥する技術が求められている。このため、減圧・常温域での乾燥技術を採用して以下の検討を行った。
【0005】
乾燥終点の見極め方法としては、a)目視による方法、b)吸着材温度変化による方法、c)容器重量変化による方法、d)蒸発水回収量変化による方法、e)水位計による方法が考えられる。a)目視による方法は、遮蔽容器では実施できないため、適用できない。b)吸着材温度変化は、充分な乾燥により気化熱が無くなっていく状態を把握することで乾燥状況を確認可能であるが、吸着層が高線量の場合は遮蔽容器を開放できず必要なセンサーが取り付けられないため適用困難である。c)遮蔽容器の重量変化は、遮蔽容器の重量に対して乾燥後の重量変化が小さすぎるため測定精度に欠ける。d)蒸発水回収量変化は、模擬試験の実施結果より、容器内に残水が無くなりかつ吸着材表面が乾いた状態になった後も水が回収され続け、絶乾状態になるまで水が回収され続けることが判明したため、過剰な乾燥になるおそれがある。e)水位計による方法は、水が溜まっている状況か否かは判断できるものの、吸着材の充填層に表面張力で残る水を検出できないため適用困難である。
【0006】
一般的に吸着材を充填した系内の水分は、自由水、吸着水、結晶水の3種であると推定され、蒸発しやすさからいえば自由水の蒸発除去が最も容易であり、吸着水の蒸発除去は粒子内部から表面に移動する必要がある分だけ蒸発速度が遅くなると考えられる。また、結晶水については1~9kPa程度の減圧下で70℃以下の温度条件では蒸発しないと考えられる(例えば、非特許文献1~2参照)。従って、1~9kPa程度の減圧下、70℃以下の温度条件において、蒸発除去される水分は、自由水と吸着水の2種であり、このうち、容器腐食や漏水のリスクとなる自由水を蒸発除去するのが本願の目的である。
【0007】
1~9kPa程度の真空乾燥では、吸着材を充填した系内に自由水があると、吸着材の粒子表面に存在する水膜もしくは充分な湿分が熱伝達の媒体の役割を果たすため、吸着材層内は部位によらず一定の温度を示すことが想定される。一方、吸着材を充填した系内の自由水が無くなると、熱伝導性が低下するため吸着材層内での温度むらが発生する。このタイミングは、吸着材層の全体が(底部まで)乾燥色となる時間と一致することが予想される(この点は、後記する実施例で確認した)。このタイミングが、吸着塔類などの容器の腐食や漏水のリスク対策として求める乾燥状態であるが、蒸発水のトラップでは、この後も引き続き水が捕集され続ける(吸着水が捕集される)ため、蒸発水が自由水なのか吸着水なのかを判別することが困難である。
【0008】
このため、吸着材から捕集する水捕集速度の変化により、乾燥色に到達したことを判定することを検討したが、実際には、自由水から吸着水への蒸発に切り替わるタイミングは、吸着材層の部位毎で異なる、つまり、吸着材上部では、温度むらが発生する前に、吸着水の蒸発に切り替わっているため、吸着層全体の水捕集量の速度として変化を捕らえるのが難しいという問題があった。
【0009】
一方、出口配管を通る蒸気に着目し、当該部を断熱した上での「温度」「湿度」「蒸気流量」を測定することを検討したところ、「温度」の変化では、自由水除去のタイミングを判定できないことが分かった。一方、湿度は、容器内の蒸発中の水分量と比例し、数値としての変化量も大きいため、判定に使える指標となることが分かった。特に、出口配管中であっても、容器内と同様の温度になるよう断熱や保温を施すことで、容器内からの吸着水に由来する微量な蒸気の流れの変化を捉えることができ、容器内の湿度変化を知る指標になり得ると判断した。また、「湿度」と同様に、「蒸気流量」の測定でも自由水除去のタイミングを判定可能と考えられる。ただし、吸着材の充填容器が小さい場合は、蒸気流量が小さすぎて測定可能なセンサーが存在しないため、「蒸気流量」による判定については、大型の容器を用いた場合にのみ有効と判断した。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
ゼオライトの加熱脱水解析((株)東ソー分析センター技術レポートNo.T1501)
粉末回折法による合成A型ゼオライトの結晶構造の高精度解析と可視化 (BUNSEKI KAGAKU Vol.55,No.6,pp397-404(2006))
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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