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公開番号2024122446
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-09
出願番号2023029985
出願日2023-02-28
発明の名称転がり軸受の潤滑構造
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類F16N 7/32 20060101AFI20240902BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】円滑なエアオイルを供給するのに適した転がり軸受の潤滑構造を提供する。
【解決手段】本発明の転がり軸受1のエアオイル潤滑構造は、転がり軸受1の内輪2の外径面2aに内輪転走面2aaに連なって設けられた斜面部2abと、斜面部2abに隙間δを介して沿うように配置されたノズル部材6と、ノズル部材6に設けられて隙間δに開口するエアオイルの吐出孔8とを備えている。ノズル部材6の軸受内部方向への突出量をA、転がり軸受1の転動体4の軸方向中心位置をBとした場合、転動体4の軸方向位置に対するノズル部材6の突出量の比(A/B)が0.5~0.7となるように、ノズル部材6が配置されている。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
転がり軸受の内輪の外径面に、内輪転走面に連なって設けられた斜面部と、
前記斜面部に隙間を介して沿うように配置されたノズル部材と、
前記ノズル部材に設けられて前記隙間に開口するエアオイルの吐出孔とを備えた転がり軸受のエアオイル潤滑構造であって、
前記ノズル部材の軸受内部方向への突出量をA、転がり軸受の転動体の軸方向中心位置をBとした場合、転動体の軸方向位置に対するノズル部材の突出量の比(A/B)が0.5~0.7となるように、前記ノズル部材が配置されている転がり軸受のエアオイル潤滑構造。
続きを表示(約 520 文字)【請求項2】
請求項1に記載の転がり軸受のエアオイル潤滑構造において、前記転がり軸受は、前記転動体の周方向の位置を規制する保持器を有し、
軸受の一端面から前記保持器の一端面までの距離をCとした場合、前記保持器の一端面の位置に対するノズル部材の突出量の比(A/C)が1.4~3.5となるように、前記ノズル部材が配置されている転がり軸受のエアオイル潤滑構造。
【請求項3】
請求項1または2に記載の転がり軸受のエアオイル潤滑構造において、前記転がり軸受は玉軸受であり、前記転動体の直径をDとした場合、前記転動体の直径に対するノズル部材の突出量の比(A/D)が0.5~1.0となるように、前記ノズル部材が配置されている転がり軸受のエアオイル潤滑構造。
【請求項4】
請求項1または2に記載のエアオイル潤滑構造と、内輪と、外輪と、これら内輪と外輪との間に介在された転動体と、前記転動体を保持する保持器とを備えた転がり軸受。
【請求項5】
請求項3に記載のエアオイル潤滑構造と、内輪と、外輪と、これら内輪と外輪との間に介在された転動体と、前記転動体を保持する保持器とを備えた転がり軸受。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、工作機械の主軸の軸受に適用される転がり軸受のエアオイル潤滑構造に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
工作機械の主軸装置では、加工効率を上げるために高速化が求められている。そのため、軸受の潤滑についても、エアと潤滑油を混合して内輪転走面に吹き付けるエアオイル潤滑が適用されることが多い。また、軸受の高速化に伴うエア流量の増加および騒音の対策として、環境対応型のエアオイル潤滑装置が提案されている(例えば、特許文献1,2)。このような構造とすることで、エアオイルの使用量が少なくなり、騒音を低減できる。環境対応型のエアオイル潤滑装置では、ノズル部材は軸受内部に突出している。ノズル部材は転動体に近い位置に配置され、転動体に近い位置からエアを吹き付けることが好ましい。これにより、転動体が公転することで発生する風圧の影響を受けにくくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2004-332755号公報
特開2007-010017号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
軸受内部、すなわち、内輪と外輪に囲まれた空間には、転動体および保持器が配置されていることから、空間の制約があり、以下の不利益が発生する恐れがある。
(1)ノズル部材の軸方向長さが長すぎると、転動体と干渉する。
(2)ノズル部材の軸方向長さが短すぎると、転動体が公転することで発生する風圧の影響を受け、環境対応型のエアオイル潤滑装置の利点を得られない。
【0005】
本発明の目的は、円滑なエアオイルを供給するのに適した転がり軸受の潤滑構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の転がり軸受のエアオイル潤滑構造は、転がり軸受の内輪の外径面に内輪転走面に連なって設けられた斜面部と、前記斜面部に隙間を介して沿うように配置されたノズル部材と、前記ノズル部材に設けられて前記隙間に開口するエアオイルの吐出孔とを備えている。前記ノズル部材の軸受内部方向への突出量をA、転がり軸受の転動体の軸方向中心位置をBとした場合、転動体の軸方向位置に対するノズル部材の突出量の比(A/B)が0.5~0.7となるように、前記ノズル部材が配置されている。
【0007】
ここで、「ノズル部材の軸受内部方向への突出量」とは、転がり軸受の軸方向の一端面からノズル部材の突出端面までの距離をいう。「転がり軸受の転動体の軸方向中心位置」とは、転がり軸受の軸方向の一端面から転動体の軸方向中心までの距離をいう。「転がり軸受の軸方向の一端面」とは、転がり軸受における斜面部が形成される側、つまりノズル部材側の軸方向端面をいう。
【0008】
この構成によれば、軸受の内部に突出したノズル部材の先端の突出量を管理することで、潤滑効率を向上させることができる。これにより、軸受の内部に円滑に潤滑油が供給され、適切な軸受機能を維持できる。潤滑効率が向上することで、潤滑油量を低減できる。その結果、ミスト飛散量も低減できるので、クリーン環境化を実現できる。さらに、ノズル部材の先端の突出量を管理することで、ノズル部材と転動体との干渉を防ぐことができる。
【0009】
本発明において、軸受の一端面から前記転がり軸受の保持器の一端面までの距離をCとした場合、前記保持器の一端面の位置に対するノズル部材の突出量の比(A/C)が1.4~3.5となるように、前記ノズル部材が配置されてもよい。この構成によれば、ノズル部材の先端の突出量と保持器の位置を管理することで、保持器の強度を確保できるうえに、ノズル部材と保持器との干渉を防ぐことができる。
【0010】
本発明において、前記転がり軸受が玉軸受で、前記転動体の直径をDとした場合、前記転動体の直径に対するノズル部材の突出量の比(A/D)が0.5~1.0となるように、前記ノズル部材が配置されていてもよい。この構成によれば、ノズル部材の先端の突出量と転動体の位置を管理することで、転動体公転時の風圧の影響を受けにくくなり、潤滑油量(供給エア量)を低減できる。その結果、省エネと騒音低減の両方を実現できる。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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