TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024122149
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-09
出願番号2023029528
出願日2023-02-28
発明の名称パテ状耐火組成物
出願人デンカ株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08L 63/00 20060101AFI20240902BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】加工性(加工前軟度)、作業性(非付着性)、難燃性を損なわずに、燃焼前の高温時形状安定性、燃焼後の形状安定性、及び焼失による体積減少を生じない体積維持性に優れる耐火パテ状組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】液状ゴム及び固形エラストマーからなるポリマー成分Aと、無機化合物と、エポキシ系化合物と、硬化剤と、含み、前記無機化合物の含有量が、前記ポリマー成分A 100質量部に対して、400~1200質量部であり、前記液状ゴムの含有量が、前記ポリマー成分A 100質量部に対して、50~95質量部であり、前記無機化合物が、無機亜リン酸系化合物を含み、該無機亜リン酸系化合物の含有量が、前記無機化合物の総量に対して、0.1~13.0質量%であり、JIS A 5752に準拠して測定した硬化後の軟度が、30[1/10mm]以下である、パテ状耐火組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
液状ゴム及び固形エラストマーからなるポリマー成分Aと、無機化合物と、エポキシ系化合物と、硬化剤と、含み、
前記無機化合物の含有量が、前記ポリマー成分A 100質量部に対して、400~1200質量部であり、
前記液状ゴムの含有量が、前記ポリマー成分A 100質量部に対して、50~95質量部であり、
前記無機化合物が、無機亜リン酸系化合物を含み、
該無機亜リン酸系化合物の含有量が、前記無機化合物の総量に対して、0.10~13.00質量%であり、
JIS A 5752に準拠して測定した硬化後の軟度が、30[1/10mm]以下である、
パテ状耐火組成物。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記硬化剤が、イミダゾール系化合物を含む、
請求項1に記載のパテ状耐火組成物。
【請求項3】
前記エポキシ系化合物が、芳香族基を有する、
請求項1に記載のパテ状耐火組成物。
【請求項4】
前記エポキシ系化合物の含有量が、前記ポリマー成分A 100質量部に対して、1.0質量部以上である、
請求項1に記載のパテ状耐火組成物。
【請求項5】
前記硬化剤の含有量が、前記ポリマー成分A 100質量部に対して、0.5質量部以上である、
請求項1に記載のパテ状耐火組成物。
【請求項6】
パテ状耐火組成物を調製するための第一剤と第二剤を含有する二剤型組成物セットであって、
前記第一剤は、エポキシ系化合物を含み、かつ硬化剤を含有せず、
前記第二剤は、硬化剤を含み、かつエポキシ系化合物を含有せず、
前記第一剤と前記第二剤の何れか一方又は両方が、それぞれ、液状ゴム及び固形エラストマーからなるポリマー成分Aと、無機化合物と、を含み、
前記第一剤と前記第二剤を合計した際の前記無機化合物の含有量が、前記ポリマー成分A 100質量部に対して、400~1200質量部であり、
前記第一剤と前記第二剤を合計した際の前記液状ゴムの含有量が、前記ポリマー成分A 100質量部に対して、50~95質量部であり、
前記無機化合物は、無機亜リン酸系化合物を含み、
該無機亜リン酸系化合物の含有量が、前記無機化合物の総量に対して、0.1~13.0質量%であり、
前記第一剤と前記第二剤を合計した際の前記エポキシ系化合物の含有量が、前記ポリマー成分A 100質量部に対して、1.0質量部以上であり、
前記第一剤と前記第二剤を合計した際の前記硬化剤の含有量が、前記ポリマー成分A 100質量部に対して、0.5質量部以上である、
二剤型組成物セット。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか一項に記載のパテ状耐火組成物を用いて施工する施工工程を有する、
防火区画貫通埋め戻し処理方法。
【請求項8】
請求項6に記載の二剤型組成物セットの前記第一剤と前記第二剤を混合して、パテ状耐火組成物を調製する調製工程を有する、
防火区画貫通埋め戻し処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、主に建築物(建物や船舶等)における防火壁や床等に設けられた電線やケーブル・配管を挿通するための貫通部の隙間を閉塞するために用いられる、パテ状耐火組成物、二剤型組成物セット、及び防火区画貫通部埋め戻し処理方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
建物や船舶などの建造物では、各設備・各部屋を画分する壁や床、天井などの防火区画体に貫通孔を穿設し、その貫通孔に空調設備の配管や各種電線ケーブルなどが挿通される。しかしながら、ある空間で火災が発生するとその熱や炎で前記樹脂パイプ,空調装置の配管の発泡断熱材,電線ケーブルの被覆などが燃焼したり溶融したりして消失してしまうため、前記貫通孔が炎道になってここから隣の設備・部屋へと延焼が進んでしまう。
【0003】
これらの貫通部の防火措置としては、耐火性もしくは不燃性を持つパテが使用されている。パテは開口内に充填、もしくはケイ酸カルシウム板等の不燃性のボード等と組み合わせて、その隙間を閉塞するために使用される。ここで使用されるパテには、施工後の時間経過とともに硬化する硬化型パテと、施工後も乾燥・硬化しない非硬化型のパテが挙げられる。また、非硬化型のパテとしては、熱で膨張する膨張型パテと、膨張しない非膨張型パテがある。
【0004】
非硬化型の耐火パテとしては、例えば、液状ゴムとブチルゴムとからなるゴム成分に、特定量の熱膨張性黒鉛を配合するパテ組成物が挙げられる(特許文献1参照)。また、非膨張型の耐火パテとしては、樹脂と、水和金属化合物と、燃焼時に固化を促進させるリン系化合物と、耐熱性繊維を含むパテ状組成物が知られている(特許文献2参照)。また、耐火性パテ状組成物に熱硬化型のフェノール樹脂を用い、硬化させることで亀裂や隙間発生を防止するという技術が提案されている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2007-254563号公報
特開平02-80468号公報
特開平04-328166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のパテ組成物では、熱で膨張したときに非常に脆く形状安定性が低下しており、天井の貫通部に施工された場合は少しの衝撃で崩れてしまう場合がある。一方、特許文献2に記載の非膨張型パテは熱膨張しないため形状安定性は良好だが、バインダー等として使用しているゴムなどの有機化合物成分の焼失による体積減少が発生し、亀裂や隙間が生じて炎道になってしまう場合がある。さらに、特許文献3に記載の熱硬化型のフェノール樹脂は、高温での硬化反応に時間を要する(例えば、200℃×30分)ため、反応が終結するまでの高温下での暴露によりパテ材に変形が発生する場合が有り、燃焼前の高温時形状安定性に課題がある場合がある。
【0007】
本発明は問題点に鑑みてなされたものであり、加工性(加工前軟度)、作業性(非付着性)、難燃性を損なわずに、燃焼前の高温時形状安定性、燃焼後の形状安定性、及び焼失による体積減少を生じない体積維持性に優れる耐火パテ状組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、特定の配合の組成物を用いることにより、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
〔1〕
液状ゴム及び固形エラストマーからなるポリマー成分Aと、無機化合物と、エポキシ系化合物と、硬化剤と、含み、
前記無機化合物の含有量が、前記ポリマー成分A 100質量部に対して、400~1200質量部であり、
前記液状ゴムの含有量が、前記ポリマー成分A 100質量部に対して、50~95質量部であり、
前記無機化合物が、無機亜リン酸系化合物を含み、
該無機亜リン酸系化合物の含有量が、前記無機化合物の総量に対して、0.10~13.00質量%であり、
JIS A 5752に準拠して測定した硬化後の軟度が、30[1/10mm]以下である、
パテ状耐火組成物。
〔2〕
前記硬化剤が、イミダゾール系化合物を含む、
〔1〕に記載のパテ状耐火組成物。
〔3〕
前記エポキシ系化合物が、芳香族基を有する、
〔1〕又は〔2〕に記載のパテ状耐火組成物。
〔4〕
前記エポキシ系化合物の含有量が、前記ポリマー成分A 100質量部に対して、1.0質量部以上である、
〔1〕~〔3〕のいずれか一項に記載のパテ状耐火組成物。
〔5〕
前記硬化剤の含有量が、前記ポリマー成分A 100質量部に対して、0.5質量部以上である、
〔1〕~〔4〕のいずれか一項に記載のパテ状耐火組成物。
〔6〕
パテ状耐火組成物を調製するための第一剤と第二剤を含有する二剤型組成物セットであって、
前記第一剤は、エポキシ系化合物を含み、かつ硬化剤を含有せず、
前記第二剤は、硬化剤を含み、かつエポキシ系化合物を含有せず、
前記第一剤と前記第二剤の何れか一方又は両方が、それぞれ、液状ゴム及び固形エラストマーからなるポリマー成分Aと、無機化合物と、を含み、
前記第一剤と前記第二剤を合計した際の前記無機化合物の含有量が、前記ポリマー成分A 100質量部に対して、400~1200質量部であり、
前記第一剤と前記第二剤を合計した際の前記液状ゴムの含有量が、前記ポリマー成分A 100質量部に対して、50~95質量部であり、
前記無機化合物は、無機亜リン酸系化合物を含み、
該無機亜リン酸系化合物の含有量が、前記無機化合物の総量に対して、0.1~13.0質量%であり、
前記第一剤と前記第二剤を合計した際の前記エポキシ系化合物の含有量が、前記ポリマー成分A 100質量部に対して、1.0質量部以上であり、
前記第一剤と前記第二剤を合計した際の前記硬化剤の含有量が、前記ポリマー成分A 100質量部に対して、0.5質量部以上である、
二剤型組成物セット。
〔7〕
〔1〕~〔5〕のいずれか一項に記載のパテ状耐火組成物を用いて施工する施工工程を有する、
防火区画貫通埋め戻し処理方法。
〔8〕
〔6〕に記載の二剤型組成物セットの前記第一剤と前記第二剤を混合して、パテ状耐火組成物を調製する調製工程を有する、
防火区画貫通埋め戻し処理方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、加工性(加工前軟度)、作業性(非付着性)、難燃性を損なわずに、燃焼前の高温時形状安定性、燃焼後の形状安定性、及び焼失による体積減少を生じない体積維持性に優れる耐火パテ状組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

デンカ株式会社
残存膨張量測定方法
4日前
デンカ株式会社
アデノウイルスの免疫測定方法及び免疫測定器具
6日前
デンカ株式会社
防食被覆材、防食被覆層及びコンクリート構造物の防食方法
4日前
デンカ株式会社
回路基板用LCP樹脂組成物及び回路基板用LCPフィルム
12日前
東レ株式会社
フィルム
2か月前
東ソー株式会社
配管材
1か月前
日精株式会社
プリプレグ
2か月前
東ソー株式会社
樹脂組成物
1か月前
東ソー株式会社
ゴム組成物
12日前
東ソー株式会社
ゴム組成物
12日前
東ソー株式会社
ゴム組成物
2か月前
三菱ケミカル株式会社
テープ
1か月前
東レ株式会社
フィルムロール
2か月前
日本化薬株式会社
樹脂微粒子
28日前
東レ株式会社
多孔質フィルム
2か月前
三菱ケミカル株式会社
フィルム
25日前
三菱ケミカル株式会社
フィルム
25日前
株式会社カネカ
液晶ポリエステル
1か月前
三菱ケミカル株式会社
樹脂組成物
1か月前
東ソー株式会社
エチレン系重合体
1か月前
株式会社カネカ
液晶ポリエステル
1か月前
東レ株式会社
ポリエステルフィルム
2か月前
東レ株式会社
ポリオレフィン微多孔膜
2か月前
東レ株式会社
繊維強化樹脂中空構造体
1か月前
花王株式会社
乳化組成物
1か月前
東ソー株式会社
エチレン系重合用触媒
2か月前
株式会社スリーボンド
導電性樹脂組成物
2か月前
JNC株式会社
白色熱硬化性樹脂組成物
1か月前
松本油脂製薬株式会社
粒子及びその用途
2か月前
JNC株式会社
白色熱硬化性樹脂組成物
1か月前
株式会社大阪ソーダ
熱伝導用素材組成物
2か月前
アイカ工業株式会社
メラミン樹脂発泡体
5日前
JNC株式会社
低誘電率樹脂形成用組成物
18日前
株式会社カネカ
液状ポリオレフィン組成物
1か月前
株式会社カネカ
硬化性組成物
5日前
四国化成工業株式会社
難燃剤及びその用途
2か月前
続きを見る