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公開番号2024119642
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-03
出願番号2023026694
出願日2023-02-22
発明の名称水処理用徐放性固形薬剤
出願人パナソニックIPマネジメント株式会社
代理人個人,個人
主分類B01D 21/01 20060101AFI20240827BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】水処理での使用時に凝集剤の徐放量が低下することを抑制可能な水処理用徐放性固形薬剤を提供する。
【解決手段】水処理用徐放性固形薬剤1は、被処理水中の微粒子を粗大化させる凝集剤を含む柱状の固形凝集剤2と、固形凝集剤2の外周を覆うことで中空空間6の内部に位置する固形凝集剤2を被処理水から保護する筒状の固形酸化剤3と、を備える。固形凝集剤2は、柱状における底面である凝集剤底面4bと、凝集剤底面4bに対して逆側の端面である凝集剤天面4aと、を備える。固形酸化剤3は、筒状における底面である酸化剤底面7bと、酸化剤底面7bに対して逆側の端面である酸化剤天面7aと、を備える。凝集剤底面4bと凝集剤天面4aを結ぶ高さ方向において凝集剤底面4bは、酸化剤底面7bより外側に位置して固形酸化剤3から露出するよう設けられる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
被処理水中の微粒子を粗大化させる凝集剤を含む柱状の固形凝集剤と、
前記固形凝集剤の外周を覆うことで中空空間の内部に位置する前記固形凝集剤を前記被処理水から保護する筒状の固形酸化剤と、を備え、
前記固形凝集剤は、
前記柱状における底面である凝集剤底面と、
前記凝集剤底面に対して逆側の端面である凝集剤天面と、を備え、
前記固形酸化剤は、
前記筒状における底面である酸化剤底面と、
前記酸化剤底面に対して逆側の端面である酸化剤天面と、を備え、
前記凝集剤底面と前記凝集剤天面を結ぶ高さ方向において前記凝集剤底面は前記酸化剤底面より外側に位置して前記固形酸化剤から露出する水処理用徐放性固形薬剤。
続きを表示(約 720 文字)【請求項2】
前記凝集剤天面は、
前記凝集剤底面と同様に前記高さ方向において前記酸化剤天面より外側に位置して前記固形酸化剤から露出する請求項1に記載の水処理用徐放性固形薬剤。
【請求項3】
前記被処理水への添加前に保管容器内にて保管され、
前記固形酸化剤と前記保管容器内の表面に発生した結露水が接触することを防止する接触防止構造を備える請求項1に記載の水処理用徐放性固形薬剤。
【請求項4】
前記接触防止構造は、
前記凝集剤天面における外周端と前記酸化剤天面における外周端とを結ぶ仮想線よりも前記酸化剤天面側に、前記酸化剤天面の前記保管容器内の表面に発生した結露水への接触を抑制する緩衝空間を備えた、請求項3に記載の水処理用徐放性固形薬剤。
【請求項5】
前記緩衝空間は、
前記凝集剤天面を上面、前記酸化剤天面を下面とし、前記凝集剤天面から前記酸化剤天面に至る正円柱を空洞とした円錐台形状を有する請求項4記載の水処理用徐放性固形薬剤。
【請求項6】
前記固形凝集剤は、前記高さ方向における前記固形凝集剤の軸心Aを有し、
前記固形酸化剤は、前記高さ方向における前記固形酸化剤の軸心Bを有し、
前記軸心Aと前記軸心Bとが一致する請求項1に記載の水処理用徐放性固形薬剤。
【請求項7】
前記固形凝集剤は、前記高さ方向における前記固形凝集剤の軸心Aを有し、
前記固形酸化剤は、前記高さ方向における前記固形酸化剤の軸心Bを有し、
前記軸心Aと前記軸心Bとが一致しない請求項1に記載の水処理用徐放性固形薬剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水処理用徐放性固形薬剤に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
井戸水や水道水等の被処理水には、砂や粘土、鉄錆、鉄イオン等の無機物質や無機イオン、細菌等の不純物を含むことがあるため、水処理が行われる。水処理方法として、凝集剤を用いて不純物を粗大化させる水処理方法や、酸化剤を用いて溶存状態の金属イオンを不溶化させる水処理方法が知られている。このような水処理において、安定した品質の処理後水を得るためには、水処理方法の処理条件の変化が小さいことが好ましく、水処理の際には徐放性を有する薬剤を用いることが好ましい。
【0003】
徐放性を備えた薬剤を用いた水処理を安価に実施する方法として、固形の凝集剤を被処理水の水流で溶解させ、被処理水中の微粒子を粗大化し、固液分離で除去する方法や、固形の酸化剤を被処理水の水流で溶解させ、被処理水中の金属イオンを不溶化し、固液分離で除去する方法が考えられる。特許文献1には、柱状の固形凝集剤と、筒状の固形酸化剤を組み合わせ、被処理水の水流による溶解で凝集剤と酸化剤と同時に徐放する徐放性固形薬剤が開示されている。当該徐放性固形薬剤によれば、被処理水との接触時間を適切に制御することで凝集剤と酸化剤の安定した徐放性を実現できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-127142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記のような固形の酸化剤は一般的に水溶性が高く、保管容器中での保管時に保管容器内の内側、特に容器内底面に付着した結露水と接触して溶出し、固形成分が減少する可能性がある。そのため、水処理での使用時に十分な酸化剤成分の徐放量が得られない恐れがあるという課題があった。
【0006】
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的は保管容器中での溶出により固形酸化剤が減少することを抑制可能な水処理用徐放性固形薬剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る水処理用徐放性固形薬剤は、被処理水中の微粒子を粗大化させる凝集剤を含む柱状の固形凝集剤と、固形凝集剤の外周を覆うことで中空空間の内部に位置する固形凝集剤を被処理水から保護する筒状の固形酸化剤と、を備え、固形凝集剤は、柱状における底面である凝集剤底面と、凝集剤底面に対して逆側の端面である凝集剤天面と、を備え、固形酸化剤は、筒状における底面である酸化剤底面と、酸化剤底面に対して逆側の端面である酸化剤天面と、を備え、凝集剤底面と凝集剤天面を結ぶ高さ方向において凝集剤底面は酸化剤底面より外側に位置して固形酸化剤から露出する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、水処理での使用時に酸化剤の徐放量が低下することを抑制可能な水処理用徐放性固形薬剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、本発明に係る実施の形態1の水処理用徐放性固形薬剤の外観を示す斜視図である。
図2は、本発明に係る実施の形態1の固形酸化剤の外観を示す斜視図である。
図3は、本発明に係る実施の形態1の固形凝集剤の外観を示す斜視図である。
図4は、図1のI-I線断面図である。
図5は、本発明に係る実施の形態1の水処理用徐放性固形薬剤が内部に保管される保管容器の断面図である。
図6は、本発明に係る実施の形態1の水処理用徐放性固形薬剤が保管容器の床面に接触した状態を示す断面図である。
図7は、本発明に係る実施の形態1の水処理用徐放性固形薬剤が保管容器の床面に接触した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、実施形態に係る水処理用徐放性固形薬剤を説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
(【0011】以降は省略されています)

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