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公開番号2024119124
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-03
出願番号2023025795
出願日2023-02-22
発明の名称スチレンスルホン酸アンモニウムの製造方法
出願人東ソー・ファインケム株式会社
代理人個人
主分類C07C 303/32 20060101AFI20240827BHJP(有機化学)
要約【課題】簡便且つ環境に配慮したそのスチレンスルホン酸アンモニウムの製造方法を提供する。
【解決手段】スチレンスルホン酸リチウムの量に対して5モル%以下の重合禁止剤の存在下、水中でスチレンスルホン酸リチウム塩と無機アンモニウム塩とを混合、溶解させた後、冷却により析出したスチレンスルホン酸アンモニウムの結晶を濾別するスチレンスルホン酸アンモニウムの製造方法であって、
スチレンスルホン酸リチウムの量に対するアンモニウムカチオンの仕込み比が1.00当量~3.00当量であり、
反応系内の総固形分が25.00重量%~40.00重量%であり、
反応温度が30℃~70℃であり、及び
濾別温度が5℃~30℃である、
スチレンスルホン酸アンモニウムの製造方法を用いる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
スチレンスルホン酸リチウムの量に対して5モル%以下の重合禁止剤の存在下、水中でスチレンスルホン酸リチウム塩と無機アンモニウム塩とを混合、溶解させた後、冷却により析出したスチレンスルホン酸アンモニウムの結晶を濾別するスチレンスルホン酸アンモニウムの製造方法であって、
スチレンスルホン酸リチウムの量に対するアンモニウムカチオンの仕込み比が1.00当量~3.00当量であり、
反応系内の総固形分が25.00重量%~40.00重量%であり、
反応温度が30℃~70℃であり、及び
濾別温度が5℃~30℃である、
スチレンスルホン酸アンモニウムの製造方法。
続きを表示(約 390 文字)【請求項2】
スチレンスルホン酸リチウムの量に対して2モル%以下の重合禁止剤の存在下、水中でスチレンスルホン酸リチウムと無機アンモニウム塩とを混合、溶解させた後、冷却により析出したスチレンスルホン酸アンモニウムの結晶を濾別するスチレンスルホン酸アンモニウムの製造方法であって、
スチレンスルホン酸リチウムの量に対するアンモニウムカチオンの仕込み比が1.00当量~2.00当量であり、
反応系内の総固形分が30.00重量%~40.00重量%であり、
反応温度が30℃~60℃であり、及び
濾別温度が5℃~25℃である、
スチレンスルホン酸アンモニウム組成物の製造方法。
【請求項3】
重合禁止剤が亜硝酸ナトリウム及び/又は亜硝酸リチウムである、請求項1又は請求項2に記載のスチレンスルホン酸リチウムの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、簡便かつ環境に配慮したスチレンスルホン酸アンモニウムの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
スチレンスルホン酸ナトリウムは、界面活性を有する強電解質型の水溶性モノマーであり、耐熱性とラジカル重合性が優れることから、産業上の幅広い分野で使用されている。
【0003】
例えば、スチレンスルホン酸ナトリウムは、水性塗料や水性接着剤用のアクリルポリマーエマルションを製造する際の反応性乳化剤として古くから使用されている。アクリル酸エステルやメタクリル酸エステルなどのラジカル重合性モノマーを乳化重合する際に、従来型乳化剤の添加量を減量し、その代わりに少量のスチレンスルホン酸ナトリウムを添加、共重合することにより、ポリマーエマルションのコロイド安定性やエマルション塗膜の耐水性が向上するためである。しかし、コロイド安定性をさらに高めるため、スチレンスルホン酸ナトリウムの添加量を増やすと、エマルション塗膜の耐水性低下や、木造建築で使用される鉄釘の腐食など、ナトリウム塩に起因する不具合が生じることがある(例えば非特許文献1)。従って、アクリルエマルションの製造で使用されるアニオン性乳化剤の殆どは非金属性で吸湿性が低いアンモニウム塩である(例えば特許文献1及び2)。
また、スチレンスルホン酸ナトリウムの重合物であるポリスチレンスルホン酸ナトリウムは、カーボンナノチューブの分散剤、半導体基板の化学的機械研磨(CMP)スラリーや研磨後の洗浄剤など、電子材料用途で使用されている(例えば特許文献3~5)。しかし、特に半導体用途では金属分やハロゲン分が基板の欠陥や腐食の原因となるため、これらを極力含まないことが求められる(例えば特許文献6)。従って、金属分やハロゲン分を極力含まないポリスチレンスルホン酸のアンモニウム塩がより好まれる。
【0004】
上記背景から、スチレンスルホン酸アンモニウムに対する強い市場ニーズがあり、これに応えるべくその製造法が提案されている(例えば特許文献7及び8、非特許文献2)。
【0005】
特許文献7では、例えば、メタノール中、60℃でスチレンスルホン酸ナトリウムと硫酸アンモニウムを溶解、混合してカチオン交換反応した後、30℃まで冷却することにより、カチオン交換によって生成した硫酸ナトリウムを析出させる。その後、析出した硫酸ナトリウムを濾別してスチレンスルホン酸アンモニウムのメタノール溶液を回収し、さらに該メタノール溶液を濃縮乾固することにより、スチレンスルホン酸アンモニウム固体が得られる旨記載されている。当該方法は、カチオン交換によって生成するスチレンスルホン酸アンモニウムと硫酸ナトリウムのメタノールに対する溶解度差を利用したものと説明されている。しかしながら、総反応基質濃度が約9重量%と低く、濃縮乾固に時間を要するため、この間にポリマーが生成し易く、また、反応溶媒として毒性と引火性を有するメタノールを使用する課題があった。
【0006】
特許文献8では、例えば、スチレンスルホン酸ナトリウムの水溶液にパラトルイジン塩酸塩を添加し、塩交換によって析出したスチレンスルホン酸トルイジン塩を回収した後、該トルイジン塩をアンモニア水溶液に投入することにより再度塩交換し、スチレンスルホン酸アンモニウム水溶液を得るものである。しかしながら有害性があり、且つ着色し易いトルイジンを使用すること、さらにスチレンスルホン酸トルイジン塩がスチレンスルホン酸アンモニウムによって水に可溶化されることから、スチレンスルホン酸アンモニウムへのトルイジンの混入が避けられなかった。また、特許文献7と同様、約10重量%と低濃度のスチレンスルホン酸アンモニウムを含む水溶液から水を留去してスチレンスルホン酸アンモニウム結晶を析出させる際に、ポリマーが生成し易い課題があった。
【0007】
非特許文献2には、例えば、アセトンに分散させたスチレンスルホン酸ナトリウムに塩化水素ガスを吹込むことによって、スチレンスルホン酸ナトリウムをアセトンに可溶なスチレンスルホン酸とアセトンに不溶な塩化ナトリウムへ変換した後、塩化ナトリウムを濾別してスチレンスルホン酸のアセトン溶液を回収し、さらにアンモニアで中和してスチレンスルホン酸アンモニウムを得るものである。しかしながら引火性の高い有機溶媒、及び有毒な塩化水素ガスやアンモニアガスを使用すること、さらにスチレンスルホン酸のアセトン溶液に残留した塩化水素によってスチレンスルホン酸アンモニウムへの塩化アンモニウムの混入が避けられない課題があった。
さらに大きな課題として、反応中間体であるスチレンスルホン酸が極めて自然重合し易いため、ポリマーの混入が避けられないという課題があった(例えば非特許文献3)。
【0008】
上記課題から、スチレンスルホン酸アンモニウムは未だ工業化に至っておらず、簡便且つ環境に配慮したスチレンスルホン酸アンモニウムの製造方法が強く求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特許第3585588号公報
特許第3460246号公報
特許第5482194号公報
特許第6618355号公報
特開2021-44537号公報
国際公開第2020/184306号
特開昭50-149642号公報
特開昭51-26842号公報
【非特許文献】
【0010】
Jose M.Asua;European Polymer Journal,2017年,93巻,480~494頁
東洋曹達研究報告、第24巻、第1号、1980年、3~11頁
J.C.Salamone;Polymer Letters Edition,15巻,1977年,487~491頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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