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公開番号
2024114237
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-23
出願番号
2023019879
出願日
2023-02-13
発明の名称
芳香族チオール化合物の精製方法
出願人
スガイ化学工業株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C07C
319/28 20060101AFI20240816BHJP(有機化学)
要約
【課題】通常のチオール化合物に比べて、酸化(またはジスルフィド化)により多量体を形成し易い芳香族チオール化合物を、容易にまたは効率よく精製する方法(または高純度な芳香族チオール化合物を容易にまたは効率よく製造する方法)を提供する。
【解決手段】芳香族環に少なくとも1つのメルカプト基が置換した芳香族チオール化合物と、塩基成分と、水性溶媒とを混合する塩基混合工程と、
この塩基混合工程で得られた混合物から、不溶物を除去する分離工程と、
この分離工程で得られた溶液に、酸成分を混合する酸混合工程とを含む方法により、前記芳香族チオール化合物を精製する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
芳香族環に少なくとも1つのメルカプト基が置換した芳香族チオール化合物の精製方法であって、
前記芳香族チオール化合物と、塩基成分と、水性溶媒とを混合する塩基混合工程と、
この塩基混合工程で得られた混合物から、不溶物を除去する分離工程と、
この分離工程で得られた溶液に、酸成分を混合する酸混合工程とを含む、精製方法。
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【請求項2】
前記水性溶媒が、水およびアルコールから選択された少なくとも一種を含む請求項1記載の精製方法。
【請求項3】
前記水性溶媒の割合が、前記芳香族チオール化合物100質量部に対して、100~3000質量部である請求項1または2記載の精製方法。
【請求項4】
前記塩基混合工程において、還元剤および/または重合禁止剤の存在下で混合する請求項1または2記載の精製方法。
【請求項5】
前記還元剤および/または重合禁止剤が、少なくとも水素化ホウ素アルカリ金属類を含む請求項4記載の精製方法。
【請求項6】
前記還元剤および重合禁止剤の総量の割合が、前記芳香族チオール化合物のメルカプト基1モルに対して、0.001~0.1モルである請求項4記載の精製方法。
【請求項7】
前記塩基成分が、少なくともアルカリ金属水酸化物を含む請求項1または2記載の精製方法。
【請求項8】
前記塩基成分の割合が、前記芳香族チオール化合物のメルカプト基1モルに対して、1~2モルである請求項1または2記載の精製方法。
【請求項9】
前記塩基混合工程で得られた混合物を、50℃以上の温度に加熱する請求項1または2記載の精製方法。
【請求項10】
前記塩基混合工程において、不活性ガス雰囲気下で混合する請求項1または2記載の精製方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、メルカプト基(チオール基)で置換された芳香族チオール化合物[特に、ナフタレン環(またはナフタレン骨格)の1~8-位から選択された少なくとも1つの置換位置がメルカプト基(チオール基)で置換されたナフタレンチオール化合物など]の精製方法(または高純度なナフタレンチオール化合物などの芳香族チオール化合物の製造方法)に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
芳香族チオール化合物、特に、ナフタレンチオール化合物またはその誘導体は、光学材料、電気電子材料、薬剤などの様々な分野において、機能性材料またはその原料もしくは反応中間体などとして利用されている。
【0003】
特表2008-527413号公報(特許文献1)には、透光性基材と、基材に結合された所定のハードコート層とを含むディスプレイについて開示されている。この文献の実施例12には、2,7-ジヒドロキシナフタレンと塩化ジメチルチオカルバモイルとを反応させ、生成したジメチル-チオカルバミン酸O-(7-ジメチルチオカルバモイルオキシ-ナフタレン-2-イル)エステルを乾燥加熱して冷却し、固形分を酢酸エチルから再結晶してジメチル-チオカルバミン酸S-(7-ジメチルカルバモイルスルファニル-ナフタレン-2-イル)エステルを得た後、得られた化合物をエタノールとカリウム溶液との水中の混合物に添加して還流で加熱し、冷却後に水で希釈して塩酸で酸性化し、固形分をろ過、乾燥して、2,7-ナフタレンジチオールを得たことが記載されている。
【0004】
また、特開2005-179289号公報(特許文献2)には、光酸発生剤として期待できるスルホニウム塩や他の硫黄含有化合物の原料として有用性の高いナフタレン骨格に直接-SH基(メルカプト基またはチオール基)が導入された新規なチオール化合物として、6-アルコキシ-2-ナフタレンチオールについて開示されている。この文献の実施例3では、6-n-ブチルオキシナフタレン-2-スルホニルクロライドのトルエン溶液に還元剤としての亜鉛パウダーおよび塩酸を加えて還元した後、未反応亜鉛の除去、有機層の純水による洗浄、トルエンの除去を経て乾固状態とし、n-ヘプタンに50℃で完全に溶解してから10℃まで冷却して晶析し、ろ過した湿体を減圧乾燥して6-n-ブチルオキシ-2-ナフタレンチオールを調製したことが記載されている。
【0005】
なお、編者:社団法人日本化学会、発行所:丸善株式会社、「第4版 実験化学講座24 有機合成VI-ヘテロ元素・典型金属元素化合物-」、平成6年10月30日第2刷発行(非特許文献1)、大饗 茂、「メルカプタン類の反応」、有機合成化学協会誌、1968年、第26巻、第4号、第327~341頁(非特許文献2)には、チオール化合物の酸化によるジスルフィド体の形成性(または酸化され易さ)について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特表2008-527413号公報(請求項1および6、[0031][0038]、実施例12)
特開2005-179289号公報(請求項1および4、実施例3)
【非特許文献】
【0007】
編者:社団法人日本化学会、発行所:丸善株式会社、「第4版 実験化学講座24 有機合成VI-ヘテロ元素・典型金属元素化合物-」、平成6年10月30日第2刷発行(第330頁 b.ジスルフィド(i))
大饗 茂、「メルカプタン類の反応」、有機合成化学協会誌、1968年、第26巻、第4号、第327~341頁(第336頁 V.ジスルフィドへの酸化)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1の実施例12において、2,7-ナフタレンジチオールは、多段階の反応工程を経て、最終目的物である2,7-ビス(2-アクリロイルオキシエチルチオ)ナフタレンを調製するための反応中間体として調製されている。そのためか、ろ過、乾燥して得られた2,7-ナフタレンジチオールは、特に精製されることなく、次工程でエチレンカーボネートとの反応に供されたことが記載されている。
【0009】
また、特許文献2の実施例3では、還元反応で生成した6-n-ブチルオキシ-2-ナフタレンチオールを、n-ヘプタン中での晶析により精製したことが記載されている。
【0010】
しかし、チオール化合物は空気中などで容易に酸化してメルカプト基がジスルフィド化し、二量体などの多量体(ジスルフィド体)を形成し易い。また、多量体(特に、二量体など)では、元のチオール化合物と同程度の結晶性(または有機溶媒に対する溶解性)を示すことがあるためか、晶析(または結晶化)により精製しても、チオール化合物とその多量体などの不純物とを分離し難く、十分に高純度化できない場合がある。さらに、不純物量を低減しようとするほど、収率は低下し易く、通常、高純度と高収率とはトレードオフの関係にあるため、より一層高純度なチオール化合物を高い収率で容易にまたは効率よく製造するのは極めて困難であった。
(【0011】以降は省略されています)
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