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公開番号
2024118519
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-02
出願番号
2023024836
出願日
2023-02-21
発明の名称
拡張可能な水中航走体-水上中継機連結システム、及び拡張可能な水中航走体-水上中継機連結システムの運用方法
出願人
国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所
代理人
弁理士法人YKI国際特許事務所
主分類
B63C
11/00 20060101AFI20240826BHJP(船舶またはその他の水上浮揚構造物;関連艤装品)
要約
【課題】水中航走体と水上中継機とが情報伝送線で連結されるシステムにおいて、水中航走体を用いて点検対象物の点検を行う際に、情報伝送線が引っ掛かるトラブルを避けることのできる拡張可能な水中航走体-水上中継機連結システムを提供する。
【解決手段】第1水中航走体100と、第2水中航走体102と、水上中継機200を備え、撮像手段で撮像した画像情報を水中光通信により第2水中航走体102から第1水中航走体100へ送信し、第1水中航走体100と水上中継機200とを連結した情報伝送線24によって第1水中航走体100で受信した画像情報を水上中継機200で伝送し、第1水中航走体100によって第2水中航走体102を追尾させるとともに、水上中継機200と情報伝送線24と第1水中航走体100を介して第2水中航走体102に指示を伝える構成とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
水中の点検対象物を点検するための拡張可能な水中航走体を有する水中航走体-水上中継機連結システムであって、
航走体位置推定手段を有した第1水中航走体と、
前記点検対象物を撮像するための撮像手段を有した第2水中航走体と、
前記撮像手段で撮像した画像情報を水中光通信により前記第1水中航走体に送信する前記第2水中航走体に設けた光送信手段と、
前記第1水中航走体に設けた前記画像情報を受信する光受信手段と、
中継機推進手段と中継機位置計測手段を有し水面近傍を移動可能な水上中継機と、
前記第1水中航走体と前記水上中継機とを連結し前記第1水中航走体で受信した前記画像情報の伝送を行う情報伝送線と、
前記第2水中航走体と前記第1水中航走体と前記水上中継機とを制御する制御手段とを備え、
前記制御手段が、前記第1水中航走体を前記第2水中航走体と所定の距離範囲内及び所定の相対方位範囲内を保ちながら追尾させるとともに、前記水上中継機と前記情報伝送線と前記第1水中航走体を介して前記第2水中航走体に指示を伝えることで前記点検対象物を撮像する制御を行うことを特徴とする拡張可能な水中航走体-水上中継機連結システム。
続きを表示(約 1,700 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の拡張可能な水中航走体-水上中継機連結システムであって、
前記点検対象物は、周囲に線状構造部を有した洋上風力発電設備を含む海洋構造物であり、前記情報伝送線が前記線状構造部と交差しないように、前記所定の距離範囲内及び前記所定の相対方位範囲内を保って前記第1水中航走体の追尾する位置を制御することを特徴とする拡張可能な水中航走体-水上中継機連結システム。
【請求項3】
請求項1に記載の拡張可能な水中航走体-水上中継機連結システムであって、
前記水上中継機と前記第1水中航走体に目標緯度及び目標経度を設定する位置設定手段を有した母船を備え、
前記母船と前記水上中継機とが無線通信を利用して前記目標緯度及び前記目標経度及び前記画像情報を含む情報の伝送を行うことを特徴とする拡張可能な水中航走体-水上中継機連結システム。
【請求項4】
請求項3に記載の拡張可能な水中航走体-水上中継機連結システムであって、
前記第1水中航走体は、前記第2水中航走体を握持する握持手段を有し、
前記制御手段は、前記位置設定手段で設定された前記目標緯度及び前記目標経度と前記中継機位置計測手段で計測された水上位置とに基づいて前記水上中継機の位置を制御するとともに、前記第1水中航走体の位置を前記航走体位置推定手段で推定された水中位置に基づいて制御し、前記第1水中航走体と前記水上中継機とを前記目標緯度及び前記目標経度まで鉛直位置関係を保持しながら並走させる制御を行うことを特徴とする拡張可能な水中航走体-水上中継機連結システム。
【請求項5】
請求項4に記載の拡張可能な水中航走体-水上中継機連結システムであって、
前記制御手段は、前記握持手段によって前記第1水中航走体が前記第2水中航走体を握持する際、前記第1水中航走体に設けられた撮像手段によって前記第2水中航走体を撮像する制御を行うことを特徴とする拡張可能な水中航走体-水上中継機連結システム。
【請求項6】
請求項5に記載の拡張可能な水中航走体-水上中継機連結システムであって、
前記第1水中航走体が、前記第2水中航走体を握持する際、前記制御手段が、前記第2水中航走体に設けた前記光送信手段と、前記第1水中航走体に設けた前記光受信手段とにより、前記撮像手段による前記第2水中航走体の撮影映像を水中光通信する制御を行うことを特徴とする拡張可能な水中航走体-水上中継機連結システム。
【請求項7】
請求項4に記載の拡張可能な水中航走体-水上中継機連結システムであって、
前記第1水中航走体と前記水上中継機が、設定された前記目標緯度及び前記目標経度に存在する前記点検対象物の近傍に到達したときに、前記制御手段が、前記第1水中航走体の前記握持手段を解除して前記第2水中航走体を開放し、前記第2水中航走体を前記点検対象物に接近させて点検する制御を行うことを特徴とする拡張可能な水中航走体-水上中継機連結システム。
【請求項8】
請求項1に記載の拡張可能な水中航走体-水上中継機連結システムであって、
前記第1水中航走体が、前記第2水中航走体の位置を検出するための撮像手段を含む位置検出手段を有し、前記制御手段が、検出された前記第2水中航走体の前記位置を追尾するように前記第1水中航走体及び前記水上中継機の位置を修正する制御を行うことを特徴とする拡張可能な水中航走体-水上中継機連結システム。
【請求項9】
請求項8に記載の拡張可能な水中航走体-水上中継機連結システムであって、
前記第1水中航走体が、前記第2水中航走体を照射する第1の照明手段を前記光受信手段と同じ側に有したことを特徴とする拡張可能な水中航走体-水上中継機連結システム。
【請求項10】
請求項9に記載の拡張可能な水中航走体-水上中継機連結システムであって、
前記水中光通信の波長と、前記第1水中航走体の前記第1の照明手段の波長とを異ならせたことを特徴とする拡張可能な水中航走体-水上中継機連結システム。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、拡張可能な水中航走体と水上中継機とを連結した水中航走体-水上中継機連結システム及びその運用方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、自然エネルギーの供給源として、洋上風力発電等による沿岸利用が注目を集めている。それに伴って、水中の設備点検の必要性も高まりつつある。そこで、水中を航走する水中航走体および水中航走体と連結しているケーブルの位置を高い精度で制御する技術が必要とされている。
【0003】
水上中継機と水中航走体とをケーブルで接続し、水中航走体で得られた画像情報を含む取得情報の伝送を行う情報伝送線と、水上中継機と水中航走体に目標緯度及び目標経度を設定する位置設定手段と、を備えた水中航走体-水上中継機連結システムが開示されている。設定された目標緯度及び目標経度と中継機位置計測手段で計測された水上位置に基づいて中継機推進手段を駆動し、水上中継機の位置を制御するとともに、設定された目標緯度及び目標経度と航走体位置推定手段で推定された水中位置に基づいて水中航走体の位置を制御することで、水中航走体と水上中継機が目標緯度及び目標経度まで水面と水中における鉛直位置関係を保持しながら並走する。(特許文献1)
【0004】
一方、可視光を用いて、水中移動体と海底等に設置された観測装置との間で可視光を授受することによって情報のやりとりを行う光通信システムが開示されている。(特許文献2)
【0005】
また、複数種の波長の可視光を用いることによって、水質の状況に応じて可視光の波長を変えることで通信を確実にすると共に、バッテリによる駆動時間を延ばすことができる水中可視光通信システムが開示されている。(特許文献3)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2022-145659号公報
国際公開第2021/152679号パンフレット
特開2009-278455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、従来の水中航走体-水上中継機連結システムでは、浮体式洋上風力発電設備等、係留索や複雑な構造を有する海中構造物を点検する際に、水上中継機と水中航走体とを繋ぐケーブルが係留索や構造物に引っ掛かる等のトラブルが生ずるおそれがあった。そこで、このようなトラブルを避けることができる水中航走体-水上中継機連結システム及びその運用方法が必要とされている。
【0008】
本願発明は、水中航走体と水上中継機とが情報伝送線で連結されるシステムにおいて、水中航走体を用いて点検対象物の点検を行う際に、情報伝送線が引っ掛かるトラブルを避けることのできる拡張可能な水中航走体-水上中継機連結システム及びその運用方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に対応した拡張可能な水上中継機と水中航走体との連結システムは、水中の点検対象物を点検するための拡張可能な水中航走体を有する水中航走体-水上中継機連結システムであって、航走体位置推定手段を有した第1水中航走体と、前記点検対象物を撮像するための撮像手段を有した第2水中航走体と、前記撮像手段で撮像した画像情報を水中光通信により前記第1水中航走体に送信する前記第2水中航走体に設けた光送信手段と、前記第1水中航走体に設けた前記画像情報を受信する光受信手段と、中継機推進手段と中継機位置計測手段を有し水面近傍を移動可能な水上中継機と、前記第1水中航走体と前記水上中継機とを連結し前記第1水中航走体で受信した前記画像情報の伝送を行う情報伝送線と、前記第2水中航走体と前記第1水中航走体と前記水上中継機とを制御する制御手段とを備え、前記制御手段が、前記第1水中航走体を前記第2水中航走体と所定の距離範囲内及び所定の相対方位範囲内を保ちながら追尾させるとともに、前記水上中継機と前記情報伝送線と前記第1水中航走体を介して前記第2水中航走体に指示を伝えることで前記点検対象物を撮像する制御を行うことを特徴とする。
【0010】
ここで、前記点検対象物は、周囲に線状構造部を有した洋上風力発電設備を含む海洋構造物であり、前記情報伝送線が前記線状構造部と交差しないように、前記所定の距離範囲内及び前記所定の相対方位範囲内を保って前記第1水中航走体の追尾する位置を制御することが好適である。
(【0011】以降は省略されています)
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