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公開番号2024007768
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-01-19
出願番号2022109074
出願日2022-07-06
発明の名称浮体構造物
出願人日立造船株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類B63B 22/18 20060101AFI20240112BHJP(船舶またはその他の水上浮揚構造物;関連艤装品)
要約【課題】浮体構造物を軽量化する。
【解決手段】浮体構造物2は、底部と、第1側壁部211と、複数の強度部材214と、第2側壁部212とを備える。第1側壁部211は、底部の全周に亘って底部の周縁部から上方に延びる。複数の強度部材214は、第1側壁部211の内側面に設けられる。第2側壁部212は、平面視における第1側壁部211の周囲の一部において、第1側壁部211の外側面に固定される。第2側壁部212は、第1側壁部211から外側に向かって凸となるように湾曲する。平面視における第2側壁部212の両端部は、複数の強度部材214のうち2つの強度部材214と第1側壁部211を挟んで対向する位置にて第1側壁部211の外側面に固定される。また、平面視における第2側壁部212の中央部は、第1側壁部211から外側に離間する。これにより、浮体構造物2を軽量化することができる。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
係留ラインにより係留される浮体構造物であって、
底部と、
前記底部の全周に亘って前記底部の周縁部から上方に延びる第1側壁部と、
前記第1側壁部の内側面に設けられた複数の強度部材と、
平面視における前記第1側壁部の周囲の一部において、前記第1側壁部の外側面に固定されるとともに前記第1側壁部から外側に向かって凸となるように湾曲する第2側壁部と、
を備え、
平面視における前記第2側壁部の両端部は、前記複数の強度部材のうち2つの強度部材と前記第1側壁部を挟んで対向する位置にて前記第1側壁部の前記外側面に固定され、
平面視における前記第2側壁部の中央部は、前記第1側壁部から外側に離間することを特徴とする浮体構造物。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
請求項1に記載の浮体構造物であって、
前記底部および前記第1側壁部により構成される内側本体部は、前後方向に延びる船形であることを特徴とする浮体構造物。
【請求項3】
請求項2に記載の浮体構造物であって、
前記内側本体部は、
平面視における幅方向の幅が前端から後方に向かうに従って増大する船首部と、
前記船首部の後端に連続するとともに平面視における幅方向の幅が前後方向において一定である平行部と、
を備え、
前記第2側壁部は、前記平行部において前記第1側壁部に固定されることを特徴とする浮体構造物。
【請求項4】
請求項3に記載の浮体構造物であって、
前記平行部において前記第2側壁部と前後方向にて隣接して前記第1側壁部の前記外側面に固定されるとともに前記第1側壁部から外側に向かって凸となるように湾曲する他の第2側壁部をさらに備え、
平面視における前記他の第2側壁部の両端部は、前記複数の強度部材のうち2つの強度部材と前記第1側壁部を挟んで対向する位置にて前記第1側壁部の前記外側面に固定され、
平面視における前記他の第2側壁部の中央部は、前記第1側壁部から外側に離間し、
前記他の第2側壁部の前後方向の長さは、前記第2側壁部の前後方向の長さとは異なり、
前記他の第2側壁部の前記第1側壁部からの幅方向における突出量は、前記第2側壁部の前記第1側壁部からの幅方向における突出量と同じであることを特徴とする浮体構造物。
【請求項5】
請求項2に記載の浮体構造物であって、
前記内側本体部の幅方向の中心を通るとともに幅方向に垂直な本体中心面に対して、前記第2側壁部と面対称であるもう1つの第2側壁部をさらに備え、
前記もう1つの第2側壁部は、前記第1側壁部の前記外側面に固定されるとともに、前記第1側壁部から外側に向かって凸となるように湾曲し、
平面視における前記もう1つの第2側壁部の両端部は、前記複数の強度部材のうち2つの強度部材と前記第1側壁部を挟んで対向する位置にて前記第1側壁部の前記外側面に固定され、
平面視における前記もう1つの第2側壁部の中央部は、前記第1側壁部から外側に離間することを特徴とする浮体構造物。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1つに記載の浮体構造物であって、
前記第1側壁部のうち前記第2側壁部と対向する部位は平板状であることを特徴とする浮体構造物。
【請求項7】
請求項1ないし5のいずれか1つに記載の浮体構造物であって、
前記第1側壁部と前記第2側壁部との間に設けられた空間に、水よりも比重が小さい充填材が詰められていることを特徴とする浮体構造物。
【請求項8】
請求項1ないし5のいずれか1つに記載の浮体構造物であって、
前記第2側壁部を含む複数の第2側壁部が、平面視における前記第1側壁部の周囲の全周に亘って設けられ、
前記複数の第2側壁部の各第2側壁部は、前記第1側壁部の前記外側面に固定されるとともに、前記第1側壁部から外側に向かって凸となるように湾曲し、
平面視における前記各第2側壁部の両端部は、前記複数の強度部材のうち2つの強度部材と前記第1側壁部を挟んで対向する位置にて前記第1側壁部の前記外側面に固定され、
平面視における前記各第2側壁部の中央部は、前記第1側壁部から外側に離間することを特徴とする浮体構造物。
【請求項9】
係留ラインにより係留される浮体構造物であって、
幅方向に並ぶとともにそれぞれが前後方向に延びる2つの浮体本体と、
前記2つの浮体本体を連結する連結部と、
を備え、
前記2つの浮体本体のそれぞれは、
底部と、
前記底部の周縁部の全周に亘って前記周縁部から上方に延びる第1側壁部と、
前記第1側壁部の内側面に設けられた複数の強度部材と、
平面視における前記第1側壁部の周囲の一部において、前記第1側壁部の外側面に固定されるとともに前記第1側壁部から外側に向かって凸となるように湾曲する第2側壁部と、
を備え、
前記2つの浮体本体のそれぞれにおいて、
前記底部および前記第1側壁部により構成される内側本体部は、前後方向に延びる船形であり、
平面視における前記第2側壁部の両端部は、前記複数の強度部材のうち2つの強度部材と前記第1側壁部を挟んで対向する位置にて前記第1側壁部の前記外側面に固定され、
平面視における前記第2側壁部の中央部は、前記第1側壁部から外側に離間することを特徴とする浮体構造物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、係留ラインにより係留される浮体構造物に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、ブイや浮魚礁等の海面に浮遊する浮体構造物は、係留ラインにより海底に係留されている。例えば、特許文献1では、八角柱状の主浮体を有する浮体構造物や、通常の船形を有する浮体構造物が開示されている。船形を有する浮体構造物は、波上側に船首を向けた状態において、八角柱状や円柱状の浮体構造物に比べて流体抵抗が低減され、係留ラインに対して作用する係留張力も低減される。その結果、係留ラインが小径化され、係留ラインのコストが低減される可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平10-244989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、船形を有する浮体構造物では、八角柱状や円柱状の浮体構造物に比べて形状が複雑であるため、浮体構造物の強度を確保するための内部構造が複雑化する。その結果、浮体構造物の重量が増大し、浮体構造物の製造コストが増大するおそれがある。したがって、係留ラインのコストが低減されたとしても、浮体構造物および係留ラインを含む係留システムのコスト低減に限界がある。このため、船形を有する浮体構造物では、重量の低減が求められている。また、船形以外の形状を有する浮体構造物においても、浮体構造物の軽量化は、製造コスト低減や搬送の簡素化等、様々な面で有益である。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、浮体構造物を軽量化することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様1は、係留ラインにより係留される浮体構造物であって、底部と、前記底部の全周に亘って前記底部の周縁部から上方に延びる第1側壁部と、前記第1側壁部の内側面に設けられた複数の強度部材と、平面視における前記第1側壁部の周囲の一部において、前記第1側壁部の外側面に固定されるとともに前記第1側壁部から外側に向かって凸となるように湾曲する第2側壁部と、を備える。平面視における前記第2側壁部の両端部は、前記複数の強度部材のうち2つの強度部材と前記第1側壁部を挟んで対向する位置にて前記第1側壁部の前記外側面に固定される。平面視における前記第2側壁部の中央部は、前記第1側壁部から外側に離間する。
【0007】
本発明の態様2は、態様1に記載の浮体構造物であって、前記底部および前記第1側壁部により構成される内側本体部は、前後方向に延びる船形である。
【0008】
本発明の態様3は、態様2に記載の浮体構造物であって、前記内側本体部は、平面視における幅方向の幅が前端から後方に向かうに従って増大する船首部と、前記船首部の後端に連続するとともに平面視における幅方向の幅が前後方向において一定である平行部と、を備える。前記第2側壁部は、前記平行部において前記第1側壁部に固定される。
【0009】
本発明の態様4は、態様3に記載の浮体構造物であって、前記平行部において前記第2側壁部と前後方向にて隣接して前記第1側壁部の前記外側面に固定されるとともに前記第1側壁部から外側に向かって凸となるように湾曲する他の第2側壁部をさらに備える。平面視における前記他の第2側壁部の両端部は、前記複数の強度部材のうち2つの強度部材と前記第1側壁部を挟んで対向する位置にて前記第1側壁部の前記外側面に固定される。平面視における前記他の第2側壁部の中央部は、前記第1側壁部から外側に離間する。前記他の第2側壁部の前後方向の長さは、前記第2側壁部の前後方向の長さとは異なる。前記他の第2側壁部の前記第1側壁部からの幅方向における突出量は、前記第2側壁部の前記第1側壁部からの幅方向における突出量と同じである。
【0010】
本発明の態様5は、態様2(態様2ないし4のいずれか1つであってもよい。)に記載の浮体構造物であって、前記内側本体部の幅方向の中心を通るとともに幅方向に垂直な本体中心面に対して、前記第2側壁部と面対称であるもう1つの第2側壁部をさらに備える。前記もう1つの第2側壁部は、前記第1側壁部の前記外側面に固定されるとともに、前記第1側壁部から外側に向かって凸となるように湾曲する。平面視における前記もう1つの第2側壁部の両端部は、前記複数の強度部材のうち2つの強度部材と前記第1側壁部を挟んで対向する位置にて前記第1側壁部の前記外側面に固定される。平面視における前記もう1つの第2側壁部の中央部は、前記第1側壁部から外側に離間する。
(【0011】以降は省略されています)

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