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公開番号
2024113362
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-22
出願番号
2023018294
出願日
2023-02-09
発明の名称
アメリカンドッグ用ミックス粉及びバッター生地
出願人
松谷化学工業株式会社
代理人
主分類
A21D
10/00 20060101AFI20240815BHJP(ベイキング;生地製造または加工の機械あるいは設備;ベイキングの生地)
要約
【課題】アメリカンドッグは、店頭のホットストッカーで陳列販売されることが多く、手軽に喫食できる商品形態として広く好まれる。しかし、ホットストッカーで長時間保存すると、衣生地が硬くなって噛み切りにくくなる。本発明の目的は、ホットストッカーで保存した後にも歯切れと口溶けのよいアメリカンドッグを製造するためのミックス粉、同バッター生地、及びそれらを用いたアメリカンドッグ、そのアメリカンドッグの製造方法、並びにアメリカンドッグの食感劣化抑制方法を提供することにある。
【解決手段】ミックス粉又はバッター生地中に、エンドウ豆酸化澱粉、難消化性デキストリン及び還元難消化性デキストリンのうちいずれか一以上を対紛0.6~23質量%で含ませること、より好ましくは、さらに、そのエンドウ豆酸化澱粉と、難消化性デキストリン及び還元難消化性デキストリンのうちいずれか一以上とを、5:(1~10)の質量部比とすることにより、上記課題は解決される。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
エンドウ豆酸化澱粉、難消化性デキストリン及び還元難消化性デキストリンのうちいずれか一以上を対紛0.6~23質量%で含む、アメリカンドッグ用ミックス粉。
続きを表示(約 590 文字)
【請求項2】
エンドウ豆酸化澱粉と、難消化性デキストリン及び還元難消化性デキストリンのうちいずれか一以上を、5:(1~10)の質量部比で含む、請求項1記載のアメリカンドッグ用ミックス粉。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のアメリカンドッグ用ミックス粉100質量部と、液体原料50~100質量部とが混合されてなる、アメリカンドッグ用バッター生地。
【請求項4】
請求項3記載のアメリカンドッグ用バッター生地で被覆された具材が油ちょうされてなる、アメリカンドッグ。
【請求項5】
エンドウ豆酸化澱粉と、難消化性デキストリン及び還元難消化性デキストリンのうちいずれか一以上を5:(1~10)の質量部比とし、これを対紛0.6~23質量%となるように配合してバッター生地を調製する工程と、そのバッター生地で具材を被覆する工程と、その具材を油ちょうする工程とを含む、アメリカンドッグの製造方法。
【請求項6】
エンドウ豆酸化澱粉と、難消化性デキストリン及び還元難消化性デキストリンのうちいずれか一以上を、5:(1~10)の質量部比とし、これを対紛0.6~23質量%となるように配合してバッター生地を調製する工程と、そのバッター生地で具材を被覆する工程と、その具材を油ちょうする工程とを含む、アメリカンドッグの食感劣化抑制方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、主にアメリカンドッグ用のミックス粉及びバッター生地に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
アメリカンドッグは、串に刺したソーセージ等の具材を、小麦粉及び膨張剤を主成分として含むバッター液で被覆し、油ちょうして得られる食品である。アメリカンドッグは手軽に喫食できる形態であるため、公園、球場、神社、遊園地、高速道路サービスエリア、スーパー、コンビニエンスストアなどでホットストッカー(ホットショーケース、保温庫などともいわれる)に陳列されて販売されることが多い。しかし、ホットストッカー内に長時間保存すると衣が硬くなって噛み切りにくい、いわゆる「ヒキの強い食感」となるため、これを改善するための様々な提案がされている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ホットショーケースに保存しても良好な食感が維持されたアメリカンドッグを提供しようと、ミックス粉にβ-アミラーゼを含有させる手段が開示され、特許文献2には、時間の経過に伴う品質の低下が少ないアメリカンドッグの衣を形成するために、ミックス粉の一部に強力小麦粉を利用する手段が開示されている。また、特許文献3には、電子レンジ調理後に保温器に保管しても衣のクリスピー感が変わらないアメリカンドッグを提供しようと、小麦蛋白質を湿ふ換算で5重量%以下含有するバッターが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-99210号公報
特開2013-59270号公報
特開平04-042815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ホットストッカーに長時間保存しても食感が硬くならない、すなわちヒキの少ない食感のアメリカンドッグを得ることにあり、そのようなアメリカンドッグの衣を得るためのバッター生地及びミックス粉を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らが鋭意検討したところ、エンドウ豆澱粉を原料とする酸化澱粉、難消化性デキストリン及び還元難消化性デキストリンから選ばれるいずれか一以上を含むバッター生地が、ホットストッカーに長時間保存されるアメリカンドッグの衣に適することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、上記知見に基づいて完成されたものであり、以下〔1〕~〔6〕のミックス粉、バッター生地、それらを用いて得られるアメリカンドッグ、そのアメリカンドッグの製造方法、及びアメリカンドッグの食感劣化抑制方法から構成される。
[1]エンドウ豆酸化澱粉、難消化性デキストリン及び還元難消化性デキストリンのうちいずれか一以上を対紛0.6~23質量%で含む、アメリカンドッグ用ミックス粉。
[2]エンドウ豆酸化澱粉と、難消化性デキストリン及び還元難消化性デキストリンのうちいずれか一以上を、5:(1~10)の質量部比で含む、上記[1]のアメリカンドッグ用ミックス粉。
[3]上記[1]又は[2]のアメリカンドッグ用ミックス粉100質量部と、液体原料50~100質量部とが混合されてなる、アメリカンドッグ用バッター生地。
[4]上記[3]のアメリカンドッグ用バッター生地で被覆された具材が油ちょうされてなる、アメリカンドッグ。
[5]エンドウ豆酸化澱粉と、難消化性デキストリン及び還元難消化性デキストリンのうちいずれか一以上を5:(1~10)の質量部比とし、これを対紛0.6~23質量%となるように配合してバッター生地を調製する工程と、そのバッター生地で具材を被覆する工程と、その具材を油ちょうする工程とを含む、アメリカンドッグの製造方法。
[6]エンドウ豆酸化澱粉と、難消化性デキストリン及び還元難消化性デキストリンのうちいずれか一以上を、5:(1~10)の質量部比とし、これを対紛0.6~23質量%となるように配合してバッター生地を調製する工程と、そのバッター生地で具材を被覆する工程と、その具材を油ちょうする工程とを含む、アメリカンドッグの食感劣化抑制方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明のミックス粉又はバッター生地を利用すれば、ホットストッカーに長時間保存しても食感の劣化が少ないアメリカンドッグを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明にいう「アメリカンドッグ」とは、固形状の具材をバッター生地で被覆し、油ちょう(揚げ焼き含む)してなる食品である。中心部の具材となりうるものとしては、例えば、ソーセージ、ウインナーなどの畜肉練り製品、魚肉ソーセージなどが主流であるが、かまぼこ、ちくわなどの魚肉練り製品、サツマイモ、ジャガイモ、バナナといった野菜・果物類、チーズ、ゆで卵、餅、練り餡などもバリエーションの例として挙げられる。これらの形態や大きさはとくに問わず、串に刺すか刺さないかも問わないが、製造のしやすさ、食べやすさ、保存のしやすさから、目安として長さおおよそ1~20cm、2~15cm又は3~10cm程度のものが好ましい。
【0010】
本発明に用いる「エンドウ豆酸化澱粉」とは、エンドウ豆を原料とする澱粉に酸化剤である次亜塩素酸ナトリウムを反応させたものであり、澱粉の水酸基の一部がカルボキシル基(カルボニル基)に酸化されるとともに、澱粉の一部が切断されて低分子化したものである。本発明に用いるエンドウ豆酸化澱粉における酸化の程度に制限はないが、無水15%濃度の水懸濁液を90℃達温後50℃に冷却した時のBM型粘度計における粘度が50~1,000mPa・sのものが好ましく、100~600mPa・sのものがより好ましく、150~300mPa・sのものが最も好ましい。
(【0011】以降は省略されています)
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