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公開番号2024112534
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-21
出願番号2023017635
出願日2023-02-08
発明の名称低水素系被覆アーク溶接棒
出願人日鉄溶接工業株式会社
代理人個人
主分類B23K 35/365 20060101AFI20240814BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約【課題】PWHTを施した溶接継手において、良好な機械的性能が得られ、かつ良好な溶接作業性を有する被覆アーク溶接棒を提供する。
【解決手段】溶接棒全質量に対する前記被覆剤の質量割合が30%以上45%以下であり、被覆剤全質量に対する質量%で、金属炭酸塩:35~55%、金属弗化物の:8~20%、Ti酸化物のTiO2換算値の合計:1.0~5.0%、Si酸化物のSiO2換算値:2~12%、Al酸化物のAl2O3換算値:0.1~3.0%、Mg酸化物のMgO換算値とZr酸化物のZrO2換算値:0~2.0%、Na化合物のNa2O換算値とK化合物のK2O換算値の合計:1.0~5.0%、Si:1.0~8.0%、Mn:1.0~6.0%、Ni:3~13%、CrとMo:0.5~3.5%、AlとMgとTi:0.1~2.5%、鉄粉及び鉄合金粉のFe:5~15%を含む。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
鋼心線に被覆剤が被覆されている低水素系被覆アーク溶接棒において、前記被覆剤の質量割合が溶接棒全質量に対する質量%で30%以上45%以下であり、
被覆剤全質量に対する質量%で、
金属炭酸塩の1種又は2種以上の合計:35~55%、
金属弗化物の1種又は2種以上の合計:8~20%、
Ti酸化物のTiO
2
換算値の合計:1.0~5.0%、
Si酸化物のSiO
2
換算値の合計:2~12%、
Al酸化物のAl
2

3
換算値の合計:0.1~3.0%、
Mg酸化物のMgO換算値とZr酸化物のZrO
2
換算値の1種又は2種以上の合計:2.0%以下、
Na化合物のNa
2
O換算値とK化合物のK
2
O換算値の1種又は2種以上の合計:1.0~5.0%、
Si:1.0~8.0%、
Mn:1.0~6.0%、
Ni:3~13%、
CrとMoの合計:0.5~3.5%、
AlとMgとTiの合計:0.1~2.5%、
鉄粉及び鉄合金粉のFe:5~15%、
残部は、塗装剤と1.0%以下の不純物からなることを特徴とする低水素系被覆アーク溶接棒。
続きを表示(約 330 文字)【請求項2】
前記Ni、Mn、Cr、Moの含有量が下記式(1)から求められる値で40~50であることを特徴とする請求項1記載の低水素系被覆アーク溶接棒。
0.0001×T.P.×{[Ni]+3×[Mn]+5×([Cr]+[Mo])}・・・(1)
ただし、[ ]は各成分の被覆剤全質量に対する質量%を示す。
また、(1)式のT.P.=k(20+logt)であり、kは熱処理温度(単位:K)、tは熱処理温度保持時間(単位:時間)を示す。
【請求項3】
前記被覆剤が被覆剤全質量に対する質量%で、
Ca酸化物のCaO換算値の合計:0.3%以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の低水素系被覆アーク溶接棒。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、590MPa以上の高張力炭素鋼板を用い、溶接後熱処理(以下、PWHTという。)を施した溶接継手において、良好な機械的性能が得られ、かつ良好な溶接作業性を有する低水素系被覆アーク溶接棒に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
低水素系被覆アーク溶接棒は、アーク安定性が良好で、耐割れ性や溶接金属の低温靱性が優れていることから、拘束が強い箇所や高張力鋼の溶接に広く使用されている。
【0003】
一方、最近の溶接構造物の大型化にともない、使用鋼材の高強度化が要望されている。加えて、圧力容器や大型鋼管などの分野では、溶接部の残留応力を除去する目的で、PWHTを施す場合が多い。しかしながら、PWHTにより、強度や靭性といった機械的性能の劣化が生じる場合もあり、適切なPWHT条件と、鋼材、溶接材料の選定が求められる。
【0004】
このような状況に対し、種々提案がされている。例えば、特許文献1には、780N/mm
2
級以上の高強度な溶接金属が得られるとともに、低温靭性、さらに応力除去焼鈍後の切り欠き破壊靭性が優れる低水素系被覆アーク溶接棒が開示されている。しかしながら、特許文献1の溶接棒はアーク安定剤の限定が不十分なため良好な溶接作業性を得ることはできないという問題があった。
【0005】
さらに、特許文献2には、溶接作業性が良好で、溶接まま(以下、AWという。)及びPWHT後の溶接金属の適正な強度及び低温靭性が得られる590MPa級高張力鋼用の鉄粉低水素系被覆アーク溶接棒が開示されている。しかしながら、特許文献2に記載の溶接棒は、交流溶接電源を用いた場合は考慮しておらず、また、590MPa級より強度の大きい高張力鋼について適用できなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平10-272594号公報
特開2021-58905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、590MPa以上の高張力鋼板を用い、PWHTを施した溶接継手において、良好な機械的性能が得られ、かつ良好な溶接作業性を有する被覆アーク溶接棒を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1発明に係る低水素系被覆アーク溶接棒は、鋼心線に被覆剤が被覆されている低水素系被覆アーク溶接棒において、前記被覆剤の質量割合が溶接棒全質量に対する質量%で30%以上45%以下であり、被覆剤全質量に対する質量%で、金属炭酸塩の1種又は2種以上の合計:35~55%、金属弗化物の1種又は2種以上の合計:8~20%、Ti酸化物のTiO
2
換算値の合計:1.0~5.0%、Si酸化物のSiO
2
換算値の合計:2~12%、Al酸化物のAl
2

3
換算値の合計:0.1~3.0%、Mg酸化物のMgO換算値とZr酸化物のZrO
2
換算値の1種又は2種以上の合計:2.0%以下、Na化合物のNa
2
O換算値とK化合物のK
2
O換算値の1種又は2種以上の合計:1.0~5.0%、Si:1.0~8.0%、Mn:1.0~6.0%、Ni:3~13%、CrとMoの合計:0.5~3.5%、AlとMgとTiの合計:0.1~2.5%、鉄粉及び鉄合金粉のFe:5~15%、残部は、塗装剤と1.0%以下の不純物からなることを特徴とする。
【0009】
第2発明に係る低水素系被覆アーク溶接棒は、第1発明において、前記Ni、Mn、Cr、Moの含有量が下記式(1)から求められる値で40~50であることを特徴とする請求項1記載の低水素系被覆アーク溶接棒。
0.0001×T.P.×{[Ni]+3×[Mn]+5×([Cr]+[Mo])}・・・(1)
ただし、[ ]は各成分の被覆剤全質量に対する質量%を示す。
また、(1)式のT.P.=k(20+logt)であり、kは熱処理温度(単位:K)、tは熱処理温度保持時間(単位:時間)を示す。
【0010】
第3発明に係る低水素系被覆アーク溶接棒は、第1発明又は第2発明において、前記被覆剤が被覆剤全質量に対する質量%で、Ca酸化物のCaO換算値の合計:0.3%以下であることを特徴とする。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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