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公開番号2024109199
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-14
出願番号2023013866
出願日2023-02-01
発明の名称絶縁電線
出願人東ソー株式会社
代理人
主分類H01B 7/02 20060101AFI20240806BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】 耐熱性を有し、耐絶縁破壊電圧、誘電特性に優れ、耐衝撃性等の靭性に優れるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を被覆材、外装材としてなる生産性に優れ、部分放電開始電圧が向上する絶縁電線を提供する。
【解決手段】 導体及びその外周を被覆する被覆材を有する絶縁電線であって、該被覆材がポリアリーレンスルフィド樹脂(A)100重量部に対して、共重合体成分として反応性官能基を含むポリオレフィン共重合体(B)15~50重量部、ポリエチレン樹脂(C)5~40重量部を含むポリアリーレンスルフィド樹脂組成物製である絶縁電線。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
導体及びその外周を被覆する被覆材を有する絶縁電線であって、該被覆材がポリアリーレンスルフィド樹脂(A)100重量部に対して、共重合体成分として反応性官能基を含むポリオレフィン共重合体(B)15~50重量部、ポリエチレン樹脂(C)5~40重量部を含むポリアリーレンスルフィド樹脂組成物製であることを特徴とする絶縁電線。
続きを表示(約 370 文字)【請求項2】
導体が、タフピッチ銅製及び/又は純銅製であり、短辺0.8~5mm、長辺1.4~8mmの断面矩形を有する導体であることを特徴とする請求項1に記載の絶縁電線。
【請求項3】
被覆材が、厚み0.03~0.3mmを有する単一層であることを特徴とする請求項1又は2に記載の絶縁電線。
【請求項4】
反応性官能基を含むポリオレフィン共重合体(B)が、エチレン-アクリル酸エチルエステル-無水マレイン酸共重合体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の絶縁電線。
【請求項5】
ポリエチレン樹脂(C)が、260℃における溶融張力が100mN以上、かつGPC法による標準ポリスチレン換算の重量平均分子量/数平均分子量が9.0以上のものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の絶縁電線。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁電線に関するものであり、特に耐熱性を有し、耐絶縁破壊電圧、誘電特性に優れ、耐衝撃性等の靭性に優れるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を被覆材、外装材としてなる生産性に優れ、部分放電開始電圧が向上する絶縁電線に関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
ハイブリッド車や電気自動車等の駆動用途などに搭載される多くのモータや発電機において高効率化、小型化および軽量化のための要素技術開発が自動車業界全体で進められている。中でも、高出力化を達成するための一つの方法としては、ステータコア内におけるコイルの占有率を高めることが挙げられている。このコイルの占積率を高める方策として、コイル用の電線としてこれまで一般に用いられてきた丸線に代わって断面矩形の平角線を適用することが挙げられる。
【0003】
そして、この際の絶縁電線用被覆材としては、耐絶縁破壊強さ、特に高い部分放電開始電圧が求められ、部分放電開始電圧と比誘電率との関係は下記式(1)(Dakinの式)で示されることが知られている(例えば非特許文献1参照。)。式(1)によれば電線として高い部分放電開始電圧を持つためには、絶縁被覆材である樹脂組成物に対して低い比誘電率であることが求められている。
V=163(t/εr)
0.46
(1)
(ここで、Vは部分放電開始電圧(Vrms)、tは絶縁層の厚さ(μm)、εrは絶縁層の比誘電率のそれぞれを示す。)
また、このような用途で用いられる電線は押出成形である電線成形加工にて連続的に電線を成形後に曲げ加工して、電線端面をスポット溶接で電気的に接続させ一つの長いワイヤとして用いられる。絶縁被膜である樹脂組成物に対しても電線の曲げ加工での柔軟性および導体との密着性が求められている。
【0004】
そして、絶縁被覆が導体上に形成されている絶縁電線であって、絶縁被覆が、特定割合のポリフェニレンサルファイド樹脂とオレフィン系共重合樹脂からなる樹脂組成物からなり、ポリフェニレンサルファイド樹脂の結晶が融解する温度での熱処理を施した絶縁電線(例えば特許文献1参照。)、導体と、融点が200℃以上の熱可塑性樹脂及びメルトフローレート(MFR)が1g/10分以下のオレフィン系共重合樹脂を含む樹脂組成物を電子線照射により架橋した押出被覆層とを備えた絶縁電線(例えば特許文献2参照。)、導体とその外周に位置する主鎖に芳香環を有する熱可塑性樹脂(a1)を含有するノンハロゲン樹脂組成物から形成される内層と更にその外周に位置するポリオレフィン系ノンハロゲン難燃性樹脂組成物を架橋させた架橋物から形成される外層とからなる絶縁電線(例えば特許文献3参照。)、等が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2012-84256号公報
特開2012-243568号公報
特開2018-41700号公報
【非特許文献】
【0006】
古河電工時報 133号(2014年) p11-18
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1の提案においては、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、ポリメチルペンテン等はいずれもポリエチレンに比べて強度が高いものではあるが、弾性率が高く硬い樹脂であるため、モータや発電機などに用いるコイル用の電線のような押出成形後に曲げ加工を必要とするものに適したものとは言えず、そのような用途として想定されていないものであった。
【0008】
また、特許文献2の提案においては、メルトフローレート(MFR)が1g/10分以下のオレフィン系共重合樹脂との低流動性の樹脂を要件とするものではあるが、溶融張力に関する検討はなされておらず、溶融張力に基づく、電線被覆成形性、被膜の薄肉化等に関して想定されていないものであった。さらに、特許文献3の提案においても同様に溶融張力に関する検討はなされていないものであった。
【0009】
そこで、耐熱性、絶縁性、機械特性に優れることは無論、電線成形時にその絶縁被覆層の厚さが薄い場合、生産速度が早い場合においても被覆に課題を発生しない優れた特性を有する絶縁電線の提案が求められてきた。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、ポリアリーレンスルフィド樹脂、特定のポリオレフィン共重合体およびポリエチレン樹脂からなる樹脂組成物を絶縁被覆材として適用することにより、耐熱性、耐薬品性、絶縁破壊強さおよび低誘電率を有し、冷熱衝撃サイクル性やクラックを発生しにくく、部分放電開始電圧の向上を達成した絶縁電線となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
(【0011】以降は省略されています)

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