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公開番号2025006993
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-17
出願番号2023108089
出願日2023-06-30
発明の名称ピラン誘導体、その製造法及び光電変換素子
出願人東ソー株式会社,公益財団法人相模中央化学研究所
代理人
主分類C07D 407/14 20060101AFI20250109BHJP(有機化学)
要約【課題】青色光用光電変換材料として適した高い外部量子効率を示す化合物の提供、該化合物の合成方法、及び該化合物を含む光電変換素子の提供。
【解決手段】下記式(1)で示すピラン誘導体及びその製造方法。
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式(1)中、A1は、電子求引性の二重結合性官能基を表す。R1~R3は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表す。R4は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基又はトリアルキルシリル基を表す。前記ジアルキルアミノ基及びジアリールアミノ基は、窒素原子を含んで、または酸素原子又は硫黄原子を介して結合し窒素原子を含んで一体となって環を形成してもよい。Ar1は、各々独立に、アリーレン基又はヘテロアリーレン基を表し、それぞれアルキル基で置換されていてもよい。nは0~2の整数を表す。ただし、nが0であり、R4が水素原子である場合を除く。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
式(1)で示されるピラン誘導体。
JPEG
2025006993000031.jpg
35
71
式(1)中、


は、電子求引性の二重結合性官能基を表す。


~R

は、各々独立に、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を表す。


は、各々独立に、水素原子、炭素数1~18のアルキル基、炭素数6~14のアリール基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数12~24のジアリールアミノ基又は炭素数3~12のトリアルキルシリル基を表す。前記ジアルキルアミノ基及びジアリールアミノ基は、2つのアルキル基又はアリール基が窒素原子を含んで一体となって環を形成してもよい。また、前記ジアルキルアミノ基及びジアリールアミノ基は、2つのアルキル基又はアリール基が酸素原子又は硫黄原子を介して結合し窒素原子を含んで一体となって環を形成してもよい。
Ar

は、各々独立に、炭素数6~18のアリーレン基又は炭素数2~12のヘテロアリーレン基を表し、前記アリーレン基及びヘテロアリーレン基は炭素数1~4のアルキル基で置換されていてもよい。
nは0~2の整数を表す。
ただし、nが0であり、R

が水素原子である場合を除く。
続きを表示(約 3,700 文字)【請求項2】
式(1)中、Ar

が、各々独立に、炭素数1~4のアルキル基で置換されていてもよいフェニレン基、フラニレン基、チエニレン基、ベンゾフラニレン基又はベンゾチエニレン基である、請求項1に記載のピラン誘導体。
【請求項3】
式(1)中、A

が、ジシアノメチリデン基、1,3-インダンジオン-2-イリデン基又は1,3-シクロペンタ[b]ナフタレンジオン-2-イリデン基である、請求項1に記載のピラン誘導体。
【請求項4】
式(1)中、R

~R

が水素原子である、請求項1に記載のピラン誘導体。
【請求項5】
下記式(2)
JPEG
2025006993000032.jpg
35
63
(式(2)中、R

~R

は、各々独立に、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を表す。A

は、電子求引性の二重結合性官能基を表す。X

及びX

は、各々独立にハロゲン原子を表す。)で示されるピラン化合物と、下記式(3)
JPEG
2025006993000033.jpg
12
42
(式(3)中、R

は、水素原子、炭素数1~18のアルキル基、炭素数6~14のアリール基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数12~24のジアリールアミノ基又は炭素数3~12のトリアルキルシリル基を表す。前記ジアルキルアミノ基及びジアリールアミノ基は、2つのアルキル基又はアリール基が窒素原子を含んで一体となって環を形成してもよい。また、前記ジアルキルアミノ基及びジアリールアミノ基は、2つのアルキル基又はアリール基が酸素原子又は硫黄原子を介して結合し窒素原子を含んで一体となって環を形成してもよい。Ar

は、各々独立に、炭素数6~18のアリーレン基又は炭素数2~12のヘテロアリーレン基を表し、前記アリーレン基及びヘテロアリーレン基は炭素数1~4のアルキル基で置換されていてもよい。n

は1~2の整数を表す。M

は、ZnY

、MgY

、Sn(Y



又はB(OY



を表す。Y

及びY

は、各々独立に、炭素数1~4のアルキル基又はフェニル基を表し、Y

は、各々独立に、炭素数1~4のアルキル基又はフェニル基を表し、Y

は、各々独立に、水素原子、炭素数1~4のアルキル基又はフェニル基を表す。2つの(OY

)基は一体となってホウ素原子とともに環を形成していてもよい。)で示される化合物、又は下記式(4)
JPEG
2025006993000034.jpg
6
30
(式(4)中、R
4a
は炭素数2~8のジアルキルアミノ基又は炭素数12~24のジアリールアミノ基を表す。前記ジアルキルアミノ基及びジアリールアミノ基は、2つのアルキル基又はアリール基が窒素原子を含んで一体となって環を形成してもよい。また、前記ジアルキルアミノ基及びジアリールアミノ基は、2つのアルキル基又はアリール基が酸素原子又は硫黄原子を介して結合し窒素原子を含んで一体となって環を形成してもよい。)で示されるアミン化合物と、を反応させることを特徴とする、下記式(1)
JPEG
2025006993000035.jpg
35
71
(式中、R

~R

、A

及びAr

は、前記と同じ意味を表す。R

はR
4a
と読み替えてもよく、各々独立に、水素原子、炭素数1~18のアルキル基、炭素数6~14のアリール基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数12~24のジアリールアミノ基又は炭素数3~10のトリアルキルシリル基を表す。前記ジアルキルアミノ基及びジアリールアミノ基は、2つのアルキル基又はアリール基が窒素原子を含んで一体となって環を形成してもよい。また、前記ジアルキルアミノ基及びジアリールアミノ基は、2つのアルキル基又はアリール基が酸素原子又は硫黄原子を介して結合し窒素原子を含んで一体となって環を形成してもよい。nは0~2の整数を表す。)で示されるピラン誘導体の製造方法。
【請求項6】
下記式(5)
JPEG
2025006993000036.jpg
35
63
(式(5)中、R

~R

は、各々独立に、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を表す。A

は、電子求引性の二重結合性官能基を表す。M

は、ZnY

、MgY

、Sn(Y



又はB(OY



を表す。Y

及びY

は、各々独立に、炭素数1~4のアルキル基又はフェニル基を表し、Y

は、各々独立に、炭素数1~4のアルキル基又はフェニル基を表し、Y

は、各々独立に、水素原子、炭素数1~4のアルキル基又はフェニル基を表す。2つの(OY

)基は一体となってホウ素原子とともに環を形成していてもよい。)で示されるピラン化合物と、下記式(6)
JPEG
2025006993000037.jpg
12
42
(式(6)中、R

は、水素原子、炭素数1~18のアルキル基、炭素数6~14のアリール基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数12~24のジアリールアミノ基又は炭素数3~10のトリアルキルシリル基を表す。前記ジアルキルアミノ基及びジアリールアミノ基は、2つのアルキル基又はアリール基が窒素原子を含んで一体となって環を形成してもよい。また、前記ジアルキルアミノ基及びジアリールアミノ基は、2つのアルキル基又はアリール基が酸素原子又は硫黄原子を介して結合し窒素原子を含んで一体となって環を形成してもよい。Ar

は、各々独立に、炭素数6~18のアリーレン基又は炭素数2~12のヘテロアリーレン基を表し、前記アリーレン基及びヘテロアリーレン基は炭素数1~4のアルキル基で置換されていてもよい。n

は1~2の整数を表す。X

は、ハロゲン原子を表す。)で示される化合物と、を反応させることを特徴とする、下記式(1a)
JPEG
2025006993000038.jpg
37
76
(式(1a)中、R

~R

、A

、Ar

及びn

は、前記と同じ意味を表す。R

は、各々独立に、水素原子、炭素数1~18のアルキル基、炭素数6~14のアリール基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数12~24のジアリールアミノ基又は炭素数3~10のトリアルキルシリル基を表す。前記ジアルキルアミノ基及びジアリールアミノ基は、2つのアルキル基又はアリール基が窒素原子を含んで一体となって環を形成してもよい。また、前記ジアルキルアミノ基及びジアリールアミノ基は、2つのアルキル基又はアリール基が酸素原子又は硫黄原子を介して結合し窒素原子を含んで一体となって環を形成してもよい。)で示されるピラン誘導体の製造方法。
【請求項7】
請求項1~4のいずれか1項に記載のピラン誘導体を含んでなる光電変換素子。
【請求項8】
請求項1~4のいずれか1項に記載のピラン誘導体を光電変換層に含んでなる光電変換素子。
【請求項9】
光電変換層にさらにフラーレン誘導体を含む、請求項8に記載の光電変換素子。
【請求項10】
フラーレン誘導体が[60]フラーレン(C
60
)又は[70]フラーレン(C
70
)である、請求項9に記載の光電変換素子。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ピラン誘導体、その製造方法及び光電変換素子に関するものである。
続きを表示(約 1,200 文字)【0002】
光電変換素子は、光センサーや撮像素子などのセンサー、及び太陽電池などの光発電装置に使用されている。有機光電変換材料を用いる光電変換素子が特許文献1などに開示されている。
【0003】
光電変換素子としては、シリコン半導体を用いた素子が広く用いられており、特に撮像素子としてはシリコンフォトダイオードが主に使用されている。このようなシリコンフォトダイオードは可視光領域全域に感度を有しているため、この上部にRGBがモザイク状に配置されたカラーフィルターを配置し、各画素をRGBそれぞれの受光部として振り分けることでカラー撮像を行っている。本方式ではカラーフィルターでの入射光の損失により光の利用効率が低いため、撮像素子の高感度化の障壁となることが懸念される。そこで、RGB各色の有機光電変換膜を積層した撮像素子(以下積層型有機撮像素子)が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。本方式はカラーフィルターを用いた場合と比べてカラーフィルターによる光の損失がなく、光の利用効率が数倍となるため、カメラなどのデバイスの高画素化に伴う画素の微細化に優位性を持つ、高感度デバイスへの利用が期待されている。
【0004】
積層型有機撮像素子の光電変換膜としては、各色に対応する波長領域にて高い外部量子効率を示すことが求められる。すなわち、B層(青色用光電変換膜)の場合、青色光領域である400~500nmにおいて高い外部量子効率を示すことが求められる。
【0005】
特許文献1~3には、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ジピロメテン誘導体等を含む青色用光電変換素子が記載されているが、いずれも本発明のピラン誘導体を含む光電変換素子とは異なる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2020/195935号
国際公開第2020/196029号
国際公開第2021/029223号
【非特許文献】
【0007】
Japanese Journal of Applied Physics,2011年、50巻、024103頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、青色光用光電変換材料として適した高い外部量子効率を示す化合物を提供すること、該化合物を簡便に合成する方法、及び該化合物を含む光電変換素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、新規なピラン誘導体を含む光電変換素子が青色光の波長域において高い外部量子効率を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち本発明は、
[1]
下記式(1)で示されるピラン誘導体。
(【0011】以降は省略されています)

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