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公開番号
2024108261
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-13
出願番号
2023012534
出願日
2023-01-31
発明の名称
回転電機保護リングおよびその製造方法並びに回転電機
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
H02K
1/278 20220101AFI20240805BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約
【課題】
本発明は、回転電機における回転子の外側に巻き回し成形される繊維強化複合材料から構成される回転電機保護リングについて、回転電機の動作時に生じる回転電機保護リングの端部の剥離を抑制することで、回転電機保護リングの強度を向上し、回転電機のより一層の高速回転を可能にする、回転電機保護リングおよび、かかる回転電機保護リングの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
樹脂が強化繊維に含浸してなるテープ状もしくはシート状の材料が、環状に複数回巻き回されて、円筒状の積層体として成形されてなる、回転電機保護リングであって、
前記テープ状もしくはシート状の材料の全ての長手方向の端部の外周側に、外層が1層以上存在する、回転電機保護リング。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
樹脂が強化繊維に含浸してなるテープ状もしくはシート状の材料が、環状に複数回巻き回されて、円筒状の積層体として成形されてなる、回転電機保護リングであって、
前記テープ状もしくはシート状の材料の全ての長手方向の端部の外周側に、外層が1層以上存在する、回転電機保護リング。
続きを表示(約 290 文字)
【請求項2】
樹脂が強化繊維に含浸してなるテープ状もしくはシート状の材料を、環状に複数回巻き回して、円筒状の積層体として、次いで前記積層体を成形する、回転電機保護リングの製造方法であって、
前記テープ状もしくはシート状の材料を、外周から内周に向けて環状に複数回巻き回して、円筒状の積層体とする、回転電機保護リングの製造方法。
【請求項3】
前記テープ状もしくはシート状の材料における端部以外の箇所を巻き回しの起点とする、請求項2に記載の回転電機保護リングの製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載の回転電機保護リングを用いた回転電機。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電機や電動機等の回転電機の回転子の保護に使用可能な、回転電機保護リングに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、回転電機の性能向上のために、回転電機の高速回転化が求められている。回転電機には、回転子の外周側に永久磁石を配置したSPM(Surface Permanent Magnet)型、回転子に永久磁石を埋没させて配置したIPM(Internal Permanent Magnet)型が挙げられるが、かかる回転電機を高速回転させた場合、遠心力により、外周に配置された永久磁石が回転子から脱落したり、回転子自体が破損したりする可能性がある。このような高速回転に伴う回転電機の破壊を抑制するために、特許文献1には、SPM型の回転電機において、回転部材の外周側に配置される永久磁石の、さらに外周面側を覆って装着されるリング状材料であって、一方向に配列した複数の糸状の繊維が、樹脂により平らに束ねられるテープ状繊維束を、被覆筒として形成したものが記載されている。
【0003】
上記リング状材料として、強度が高く軽量である等の理由から繊維強化複合材料が用いられており、特に強化繊維として炭素繊維を用いた材料が好ましい素材として記載されている。
【0004】
特許文献2には、回転電機の回転子の回転軸の外周を円環状に包囲するように配列された磁石を外周から拘束する拘束具が記載されており、かかる拘束具は、複数本の繊維をテープ状に束ねた繊維束を環状に積層するように複数回巻回してマトリックスとなる樹脂で一体的に結着しており、その巻き終わりの端部を略V字形状にカットすることにより、巻終端の剥離を抑制する、という手法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2019-71763号公報
特開2019-110622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された発明では、回転電機の高速回転に伴う遠心力によって、上記被覆筒(リング)に強い張力が付与されると、テープ状繊維束を巻き終え、成形してなる終端部を構成する材料が他の部分から剥離することによってリングが破壊され、強度が低下する問題が生じる。
【0007】
特許文献2に記載の発明においては、V字形状にカットすることで、巻終端の剥離の抑制が図られているものの、かかるV字形状にカットされた先端部に応力が集中するため、巻終端の剥離抑制の効果は不十分であった。
【0008】
ここで、本発明では、かかる回転子の外側に巻き回して、その保護のために用いられ得るリング状材料を、回転電機保護リングとする。
【0009】
本発明は、かかる従来技術の欠点を改良し、回転電機における回転子の外側に巻き回し成形される繊維強化複合材料から構成される回転電機保護リングについて、回転電機の動作時に生じる回転電機保護リングの端部の剥離を抑制することで、回転電機保護リングの強度が向上し、回転電機のより一層の高速回転を可能にする、回転電機保護リングおよび、かかる回転電機保護リングの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記構成からなる回転電機保護リングを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明の回転電機保護リング、その製造方法は、以下のとおりである。
1. 樹脂が強化繊維に含浸してなるテープ状もしくはシート状の材料が、環状に複数回巻き回されて、円筒状の積層体として成形されてなる、回転電機保護リングであって、
前記テープ状もしくはシート状の材料の全ての長手方向の端部の外周側に、外層が1層以上存在する、回転電機保護リング。
2. 樹脂が強化繊維に含浸してなるテープ状もしくはシート状の材料を、環状に複数回巻き回して、円筒状の積層体として、次いで前記積層体を成形する回転電機保護リングの製造方法であって、
前記テープ状もしくはシート状の材料を、外周から内周に向けて巻き回す、回転電機保護リングの製造方法。
3. 前記テープ状もしくはシート状の材料における端部以外の箇所を巻き回しの起点とする、上記2に記載の回転電機保護リングの製造方法である。
(【0011】以降は省略されています)
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