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公開番号
2024104902
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-06
出願番号
2023009332
出願日
2023-01-25
発明の名称
減圧乾燥装置および減圧乾燥方法
出願人
株式会社SCREENホールディングス
代理人
個人
,
個人
主分類
F26B
5/04 20060101AFI20240730BHJP(乾燥)
要約
【課題】塗布膜が形成された基板の四隅近傍に発生する乾燥ムラを抑制する技術を提供する。
【解決手段】減圧乾燥装置1は、矩形状を有する基板9の上面の有効領域AEに塗布された塗布膜90を乾燥させるためのものである。減圧乾燥装置1は、基板9を収容するチャンバ10と、チャンバ10から気体を吸引してチャンバ10内の圧力を低下させる減圧機構30と、基板9に対面する冷却面40aを冷却する冷却部40と、を含む。冷却部40の冷却面40aは、基板9の有効領域AEの外縁から内側へ離れた内側部分PIに対面する内側領域AIと、基板9の有効領域AEの四隅部分PCに対面する四隅領域ACと、を含む。冷却部40は、冷却面40aの内側領域AIの温度に比して冷却面40aの四隅領域ACの温度が低くなるように構成されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
矩形状を有する基板の上面の有効領域に塗布された塗布膜を乾燥させる減圧乾燥装置であって、
前記基板を収容するチャンバと、
前記チャンバから気体を吸引して、前記チャンバ内の圧力を低下させる減圧機構と、
前記チャンバ内において、前記基板を支持する支持部と、
前記支持部によって支持された前記基板に対面する冷却面を冷却する冷却部と、
を備え、
前記冷却部の前記冷却面は、
前記基板の前記有効領域の外縁から内側へ離れた内側部分に対面する内側領域と、
前記基板の前記有効領域の四隅部分に対面する四隅領域と、
を含み、
前記冷却部は、前記冷却面の前記内側領域の温度に比して前記冷却面の前記四隅領域の温度が低くなるように構成されている、減圧乾燥装置。
続きを表示(約 660 文字)
【請求項2】
前記冷却面は、前記基板の前記上面に対面する、請求項1に記載の減圧乾燥装置。
【請求項3】
前記冷却部の前記冷却面は、前記四隅領域を包含し前記内側領域を囲繞する囲繞領域を含み、
前記冷却部は、前記冷却面の前記内側領域の温度に比して前記冷却面の前記囲繞領域の温度が低くなるように構成されている、請求項1または2に記載の減圧乾燥装置。
【請求項4】
前記冷却部は、前記冷却面を冷却するために、室温に比して低い温度に設定可能な複数の冷却機構を含み、
前記複数の冷却機構は、平面視で、
前記基板の前記有効領域の前記外縁に重なるように位置する主冷却機構と、
前記基板の前記有効領域の前記外縁から外れて位置し、前記主冷却機構の温度よりも高い温度に設定可能な少なくとも1つの副冷却機構と、
を含む、請求項1または2に記載の減圧乾燥装置。
【請求項5】
矩形状を有する基板の上面の有効領域に塗布された塗布膜を乾燥させる減圧乾燥方法であって、
a)チャンバ内に前記塗布膜が塗布された前記基板を配置する工程と、
b)前記a)の後、前記チャンバ内の圧力を低下させることによって前記塗布膜を乾燥させる工程と、
を備え、
前記b)において、前記基板の前記有効領域の外縁から内側へ離れた内側部分の温度に比して、前記基板の前記有効領域の四隅部分の温度が低くなるように、前記基板を冷却する工程が行われる、減圧乾燥方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は減圧乾燥装置および減圧乾燥方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
従来から、各種の基板に塗布されたフォトレジスト等の塗布膜を減圧乾燥する減圧乾燥装置が知られている。各種の基板には、例えば、各種のデバイスを形成するためのガラス基板、セラミック基板、半導体ウエハ、電子デバイス基板または印刷用の印刷版等の種々の基板が適用される。各種のデバイスには、例えば、半導体装置、表示パネル、太陽電池パネル、磁気ディスク、または光ディスク等が適用される。表示パネルには、例えば、液晶表示パネル、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示パネル、プラズマ表示パネル、または電界放出ディスプレイ等が適用される。
【0003】
減圧乾燥装置を用いて塗布膜を乾燥する際には、例えば、チャンバ内において複数の支持ピンが基板を支持している状態で、チャンバの底部の排気口を介して真空ポンプでチャンバ内から排気を行う。該排気により、チャンバ内を減圧する。チャンバ内の圧力が低下すると、塗布膜の溶媒が蒸発するので、塗布膜を乾燥させることができる。そして、例えば、真空度が所定値に到達するとチャンバ内からの排気を停止し、チャンバ内に気体を供給することでチャンバ内を大気圧に戻す。気体には、例えば、窒素気体等の不活性気体または空気等が適用される。
【0004】
特許文献1に開示された技術によれば、減圧乾燥装置の一種であるインク乾燥装置が開示されている。前記インク乾燥装置は、基板上に並設された複数の列バンクにおける、行方向に隣接する列バンク間の間隙それぞれに前記列バンクの列方向端部間にわたり列方向に連続して塗布されたインクの乾燥に用いられる。前記インクは、溶質と、2種類以上の溶媒とを含む。前記インク乾燥装置は、前記インクが塗布された基板が設置されるチャンバと、前記チャンバ内において前記基板が載置される支持台と、前記チャンバ内の気体を排気する手段とを備える。前記気体を排気する手段は、前記チャンバ内の圧力を、標準大気圧から前記複数の溶媒それぞれの蒸気圧中、最大の蒸気圧よりも高い第1の圧力まで減少する第1の期間と、前記第1の期間の後に、前記チャンバ内の圧力を、前記複数の溶媒それぞれの蒸気圧中、最小の蒸気圧よりも低い第2の圧力まで減少する第2の期間とを含むプロファイルで制御する。前記チャンバ内の圧力を10
X
Pa(Xは実数)と表したとき、前記第2の期間における単位時間当たりのXの値の変化量の平均値は、前記第1の期間における単位時間当たりのXの値の変化量の平均値よりも絶対値が大きい。上記特許文献1によれば、上記インク乾燥装置によって、膜厚の均一化を図ることができる、と主張されている。
【0005】
特許文献2に開示された技術によれば、減圧乾燥装置は、基板を支持する支持ピンを昇降させる昇降部が設けられた減圧乾燥装置が開示されている。昇降部は減圧初期において支持ピンを上昇させることにより、基板とチャンバの天井面との間隔を狭くする。これにより、基板と天井面との間の圧力の低下速度が小さくなることによって、減圧初期において塗布膜中に突沸が発生することが抑制される。これにより、当該突沸に起因しての膜厚のばらつきを抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2018/131616号
特開2022-086766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1および2に開示された技術は、膜厚のばらつきが抑制されるように乾燥ムラを抑制することを意図している。しかしながら本発明者の検討によれば、これら文献の技術においても乾燥ムラを十分には抑制することができないことがあり、特に、矩形状を有する基板の四隅近傍において乾燥ムラが問題となりやすいことを本発明者は見出している。
【0008】
本開示は、上記課題に鑑みてなされたものであり、塗布膜が形成された基板の四隅近傍に発生する乾燥ムラを抑制する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の態様は、矩形状を有する基板の上面の有効領域に塗布された塗布膜を乾燥させる減圧乾燥装置であって、前記基板を収容するチャンバと、前記チャンバから気体を吸引して、前記チャンバ内の圧力を低下させる減圧機構と、前記チャンバ内において、前記基板を支持する支持部と、前記支持部によって支持された前記基板に対面する冷却面を冷却する冷却部と、を備え、前記冷却部の前記冷却面は、前記基板の前記有効領域の外縁から内側へ離れた内側部分に対面する内側領域と、前記基板の前記有効領域の四隅部分に対面する四隅領域と、を含み、前記冷却部は、前記冷却面の前記内側領域の温度に比して前記冷却面の前記四隅領域の温度が低くなるように構成されている。
【0010】
第2の態様は、第1の態様に係る減圧乾燥装置であって、前記冷却面は、前記基板の前記上面に対面する。
(【0011】以降は省略されています)
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