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公開番号2024104359
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-05
出願番号2023008514
出願日2023-01-24
発明の名称ポリオレフィン微多孔膜の製造方法
出願人東レ株式会社
代理人
主分類H01M 50/417 20210101AFI20240729BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】本発明は、コロナ処理によるポリオレフィン微多孔膜の耐電圧性向上によって、リチウムイオン二次電池作成時の歩留まり改善を可能にするポリオレフィン微多孔膜の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 ポリオレフィン微多孔膜の少なくとも片面を、電圧印加の正負で対になる電極それぞれを誘電体で覆うコロナ放電により表面処理し、前記表面処理における放電電力が50W・min/m2以上150W・min/m2以下である、ポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリオレフィン微多孔膜の少なくとも片面を、電圧印加の正負で対になる電極それぞれを誘電体で覆うコロナ放電により表面処理し、前記表面処理における放電電力が50W・min/m

以上150W・min/m

以下である、ポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
続きを表示(約 140 文字)【請求項2】
請求項1に記載の製造方法により得られたポリオレフィン微多孔膜の少なくとも片面に、機能層を設ける工程を有するセパレータフィルムの製造方法。
【請求項3】
前記機能層が無機粒子およびバインダ樹脂を含む、請求項2に記載のセパレータフィルムの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリオレフィン微多孔膜の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
電気化学素子であるリチウムイオン二次電池のような二次電池は、スマートフォン、タブレット、ノートパソコンのような携帯機器のみならず、電動工具、電動アシスト補助自転車などのポータブル機器用途、さらに大電力を要する電気自動車、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車などの自動車用途などに、幅広く利用されるようになってきている。
【0003】
リチウムイオン二次電池は、一般的に、正極活物質を正極集電体に積層した正極と、負極活物質を負極集電体に積層した負極との間に、リチウムイオン二次電池用セパレータフィルムと電解質が介在する構成を有し、その中で正極と負極の間に介在するセパレータとして、例えば厚さが5~20μm程度のポリオレフィン微多孔膜が好適に使用されている。セパレータフィルムの機能の一つには、電池の熱暴走温度以下でセパレータフィルムの構成樹脂を溶融させて空孔を閉塞させ、これにより電池の内部における電気伝導物質移動の遮断、すなわち電池の内部抵抗を上昇させて短絡の際などに電池の安全性を向上させる所謂シャットダウン効果があり、この機能の要請に応じてポリオレフィン微多孔膜が、適宜選択され適用されている。
【0004】
セパレータフィルムには、さらに、正極活物質を正極集電体に積層した正極と、負極活物質を負極集電体に積層した負極との導通を電気的に遮断する機能も求められている。
【0005】
このセパレータフィルムに用いられるポリオレフィン微多孔膜の表面改質の方法として、従来からセパレータ用途に限ることなく、コロナ処理、プラズマ処理、あるいはフレーム処理などは広く用いられている(特許文献1、2)。上記特許文献に代表される従来技術は、主として濡れ性の向上、表面張力の改善、密着性の向上および微細加工、等を目的として行われており、本発明が課題とする耐電圧性の向上を記載するものではない。
【0006】
なお、コロナ処理を含む従来から用いられている技術においては、(特許文献3,4)に示すように被処理物であるセパレータフィルム、あるいはその他の被処理物に、表面処理がダメージを与えることが言及されており、局所的な樹脂の溶解や劣化としてフィルム強度に低下を生じることも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2013-182712号公報
国際公開第2020/230825号
国際公開第2008/044761号
国際公開第2011/129169号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述の通り、セパレータフィルムには、正極と負極との導通を電気的に遮断する機能が求められる。
【0009】
特に電池内部において、例えばセパレータフィルムとして用いられるポリオレフィン微多孔膜に導電性異物が接触した状態で電池として組み立てられた場合には、組み立てによりポリオレフィン微多孔膜・正極・負極に掛かる圧力によって導電性異物がポリオレフィン微多孔膜にめり込み、ポリオレフィン微多孔膜の実質的な厚みが減少する可能性がある。この場合、導電性異物が存在しない正常部では十分であったポリオレフィン微多孔膜の耐電圧性は、実質的な厚みの減少に伴い、通常要求されるよりも更に高い耐電圧性が要求される。このようなセパレータを挟む正負極間において発生し得る導電性異物として、リチウムイオン二次電池の構成物に由来するリチウムがデンドライトの形で電極表面に析出する現象が知られている。
【0010】
ポリオレフィン微多孔膜の耐電圧性は、上記現象も考慮すると、上限を設けず高いほど好ましい。しかしながら、ポリオレフィン微多孔膜をむやみに厚くして耐電圧値を追求することは電池設計の点から受け入れられず、また、ポリオレフィン微多孔膜の構成物質の耐電圧性のみに着目して耐電圧値を追求した場合、先に述べたポリオレフィン微多孔膜のシャットダウン機能との両立が困難となる可能性がある。
(【0011】以降は省略されています)

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