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公開番号
2024159968
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-08
出願番号
2024150513,2020091122
出願日
2024-09-02,2020-05-26
発明の名称
紡糸口金
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
D01D
4/02 20060101AFI20241031BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約
【課題】
安価で導入できる汎用加工機を用いて分割型の矩形の紡糸口金を製造する方法を用いて、ポリマ漏れが無く、多数のノズル孔を配置できる生産性の高い紡糸口金を提供する。
【解決手段】
本発明の紡糸口金は、流路が形成された1枚以上の分配板と吐出板とがポリマ紡出方向の下流に向かい順に配置され、ポリマ吐出面から観察して一方向に延存する紡糸口金であって、1枚の前記分配板、または、2枚以上の前記分配板が重ねられた積層体の少なくとも一方の面に、ポリマ紡出方向に延びる孔を有する補助分配板が重ねられた部分分配板であって、ポリマ紡出方向の厚みの差が0.009mm以下の複数の部分分配板が、前記紡糸口金の延在方向に並んでおり、前記複数の部分分配板が1枚の前記吐出板に重ねられて構成されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
流路が形成された1枚以上の分配板と吐出板とがポリマ紡出方向の下流に向かい順に配置され、ポリマ吐出面から観察して一方向に延存する紡糸口金であって、
1枚の前記分配板、または、2枚以上の前記分配板が重ねられた積層体の少なくとも一方の面に、ポリマ紡出方向に延びる孔を有する補助分配板が重ねられた部分分配板であって、ポリマ紡出方向の厚みの差が0.009mm以下の複数の部分分配板が、前記紡糸口金の延在方向に並んでおり、
前記延在方向に並んだ複数の部分分配板を1枚の前記吐出板に重ねて構成された、紡糸口金。
続きを表示(約 200 文字)
【請求項2】
前記吐出板が、延在方向の幅1m当たり1千個以上の吐出孔が配置されている、請求項1の紡糸口金。
【請求項3】
前記部分分配板が、1枚の前記分配板、または、2枚以上の前記分配板が重ねられた積層体の両面に前記補助分配板が重ねられている、請求項1または2の紡糸口金。
【請求項4】
前記分配板と前記補助分配板とが接合されている、請求項1~3のいずれかの紡糸口金。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は紡糸口金の製造方法と、その方法によって製造された紡糸口金に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)
【背景技術】
【0002】
一般的な繊維ウェブを製造するための紡糸口金は、矩形の長辺方向に延在した形状であり、多数のノズル孔が穿孔されている。近年は、この紡糸口金自体を広幅化することにより、生産性の向上が図られており、例えば、スパンボンドの大手設備メーカであるライフェンホイザー社(ドイツ)では、幅5.2mの紡糸機を2017年4月にプレスリリースしている点からも、幅3m以上の超大型の紡糸口金が主流となりつつある。
【0003】
そのような中、幅3m以上もあるような非常に幅の広い紡糸口金を製作する場合には、高額な長尺加工機が必要となるため、口金の製作費用が高額となる。また、このような長尺加工機では、1つの口金を製作するのに非常に長い時間が必要となる。そこで、幅方向に延存する紡糸口金を複数個に分割して製作し、それらを並べる紡糸口金の検討が進められている。しかし、その際の問題としては、分割して製作した紡糸口金の厚みが各々均一でないことから、ポリマ漏れの懸念がある。特に、複数成分のポリマを用いた複合紡糸用の紡糸口金では、紡糸口金が複数枚のプレートの積層により構成されており、これを分割した場合には、個々のプレート間での板厚み差が生じることから、ポリマ漏れの懸念が更に顕著となる。
【0004】
そこで、特許文献1では、矩形の長尺の紡糸口金では無いものの、紡糸口金と、紡糸口金を保持するための口金ホルダーを複数個に分割し、紡糸口金と口金ホルダーとから構成される部材を複数個並べて配置することが開示されている。この構成とすることにより、個別の口金ホルダー毎に紡糸口金を組み立てることができ、ポリマ漏れを抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2010-84303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、上述のように、分割した口金ホルダー毎に紡糸口金を構成することにより、課題のポリマ漏れを解決する方法が開示されているが、この方法を、繊維ウェブを製造する矩形の紡糸口金に適用した場合には、以下の1)~3)の問題が発生し得る。なお、特許文献1を矩形の紡糸口金に適用した場合は、口金ホルダーが吐出板(吐出板の下面に吐出孔が穿孔されており、ポリマを吐出)に該当する。
【0007】
1) 吐出板の下面に段差が生じるため、口金清掃時(ヘラによる吐出面を清掃)に段差部にポリマが堆積し、糸切れの要因となり、生産性が低化する。
【0008】
2) 吐出板が分割されているため、微小なポリマ漏れが生じた場合には、吐出面にポリマが堆積し、糸切れの要因となり、生産性が低化する。
【0009】
3) 吐出板の分割線上の近傍には、吐出孔が配置できないため、紡糸口金に配置できる吐出孔の数が少なくなり、生産性が低化する。特に、分割された吐出板の外周をボルトで締結する場合には、そのスペースの分だけ吐出孔の数が少なくなる。繊維ウェブを製造するための紡糸口金は、幅1m当たりに数千個の吐出孔が配置されているため、吐出孔が配置できないスペースが大きいと、吐出孔の個数が大幅に減少して、生産性が大きく低下する。
【0010】
また、特許文献1には、分割口金を製作する具体的な方法は開示されていない。
(【0011】以降は省略されています)
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