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公開番号
2024157608
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-08
出願番号
2023072047
出願日
2023-04-26
発明の名称
積層体、包装体、積層体の製造方法
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
B32B
9/00 20060101AFI20241031BHJP(積層体)
要約
【課題】ポリオレフィン系樹脂フィルム上に、金属層および/または無機化合物層と、被覆層を積層した、バリア性の良好な積層体、包装体、積層体の製造方法を提供する。
【解決手段】樹脂フィルムの少なくとも一方の面に、金属層および/または無機化合物層と、被覆層とをこの順に有する積層体であって、前記樹脂フィルムがポリオレフィン系樹脂フィルムであり、
被覆層がポリビニルアルコール系樹脂とシロキサン化合物を含み、被覆層をレーザーラマン分光法で測定して得られるシロキサン化合物由来のランダムネットワーク構造を示すラマンバンドの面積A1と直鎖状ポリシロキサン構造および環状シロキサンを示すラマンバンドのピーク強度A2の合計値に占めるランダムネットワーク構造の面積比率A1/(A1+A2)が、0.50以上0.85以下である積層体。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
樹脂フィルムの少なくとも一方の面に、金属層および/または無機化合物層と、被覆層とをこの順に有する積層体であって、
前記樹脂フィルムがポリオレフィン系樹脂フィルムであり、
被覆層がポリビニルアルコール系樹脂とシロキサン化合物を含み、
被覆層をレーザーラマン分光法で測定して得られるシロキサン化合物由来のランダムネットワーク構造を示すラマンバンドの面積A1と直鎖状ポリシロキサン構造および環状シロキサンを示すラマンバンドのピーク強度A2の合計値に占めるランダムネットワーク構造の面積比率A1/(A1+A2)が、0.50以上0.85以下である積層体。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
熱機械分析(TMA)により測定される主配向軸方向の121℃における応力をSF
121℃
、主配向軸方向の145℃における応力をSF
145℃
としたときに、SF
145℃
-SF
121℃
≦2.50MPaである請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
主配向軸方向の145℃におけるtanδが0.25以下である請求項1または2に記載の積層体。
【請求項4】
主配向軸方向の破断点伸度をT
0
とし、該積層体を130℃で10分間熱処理した後に測定される主配向軸方向の破断点伸度をT
130
としたとき、T
0
/T
130
の値が1.20以下である請求項1または2に記載の積層体。
【請求項5】
前記被覆層をFT-IR-ATR法(全反射フーリエ変換赤外分光法)で測定して検出される下記ピーク強度P1とP2の比P1/P2の値が3.5以上8.0以下である請求項1または2に記載の積層体。
P1:1,050~1,080cm
-1
に存在する最大ピークの強度
P2:920~970cm
-1
に存在する最大ピークの強度
【請求項6】
前記ポリビニルアルコール系樹脂が、ビニルエステル基、アルキル基、カルボニル基、カルボキシ基、アセトアセチル基、ビニルエーテル基、アルキル基、エチレン基およびラクトン環より選ばれる1つ以上の官能基を有するポリビニルアルコール系樹脂である請求項1または2に記載の積層体。
【請求項7】
前記被覆層の厚さが200nm以上600nm以下である請求項1または2に記載の積層体。
【請求項8】
前記金属層または無機化合物層がアルミニウムを含む請求項1または2に記載の積層体。
【請求項9】
前記積層体の水蒸気透過率が1.0g/m
2
/24hr以下、かつ酸素透過率が1.0cc/m
2
/24hr以下である請求項1または2に記載の積層体。
【請求項10】
前記金属層または無機化合物層が樹脂フィルムに直接接している請求項1または2に記載の積層体。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリオレフィン系樹脂基材を用いたバリア性の良好な積層体、包装体、積層体の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)
【背景技術】
【0002】
食品、医薬品、日用品などの包装材料には、内容物の劣化防止のために酸素バリア性や、水蒸気バリア性が求められる。これらバリア性包装材料として、ポリエステル等の樹脂フィルムにアルミニウム等の金属層や、金属酸化物層、さらには保護層を積層したバリアフィルムが用いられてきた。特に、金属酸化物層を積層した場合は、透明フィルムとなるため視認性がよく、食品の包装においては電子レンジ加熱が可能になるなど利便性が高いため、広く用いられている。
【0003】
一方で、プラスチック製の包装材料は、使用後埋め立てても土壌で分解されなかったり、焼却時に大きな発熱があったりするため、環境負荷が懸念されている。さらに近年では、流出したプラスチックごみによる海洋汚染も大きな問題となっており、世界的にプラスチック製材料の使用量削減、再利用の機運が高まっている。そこで、環境保全の観点から包装材料の回収・リサイクルが提唱されている。
【0004】
従来の包装材料に使用されるバリアフィルムの基材フィルムは、耐熱性、透明性が高いポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステル系樹脂や、機械強度に優れるポリアミド系樹脂が使用されてきた。これらのフィルムには、包装材料の製袋加工等で必要なヒートシール性がないため、熱融着可能なポリプロピレン系樹脂と積層して包装材料に使用されている。しかしながら、異素材の積層体はリサイクルする際の分離が難しいため、リサイクル性を高めるために包装材料を同一素材で構成するモノマテリアル化、つまり、ヒートシール性を有するポリプロピレン系樹脂と類似のオレフィン系素材をバリアフィルムの基材として用いる試みがなされている。しかしながら、オレフィン系素材は、ポリエステル系樹脂や、ポリアミド系樹脂と比較して基材自体の酸素バリア性が悪い課題がある。そこで、酸素バリア性を向上させ、包装材料として内容物の保存性を高めるために、被覆層の形成によってバリア性を向上させる方法が検討されてきた(特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第4784039号公報
特許第4972951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、基材上に無機酸化物の蒸着膜と、ガスバリア性塗布膜を設けたガスバリア性フィルムを開示しているが、加工条件が150℃以上と高温であり、ポリエステル系樹脂よりも耐熱性の低いポリオレフィン系樹脂フィルムに適用すると、シワやクラックが発生する課題があった。特許文献2では、ポリプロピレンフィルムに蒸着層と複合被膜を積層して、包装材料に用いることができる蒸着フィルムを開示しているが、内容物の劣化を抑制するほど緻密に硬化していないためにバリア性を得るには十分ではなく、改善の余地があった。
【0007】
本発明の課題は、ポリオレフィン系樹脂フィルム上に、金属層および/または無機化合物層と、被覆層を積層した、バリア性の良好な積層体、包装体、積層体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の好ましい一態様は以下の通りである。
(1)樹脂フィルムの少なくとも一方の面に、金属層および/または無機化合物層と、被覆層とをこの順に有する積層体であって、
前記樹脂フィルムがポリオレフィン系樹脂フィルムであり、
被覆層がポリビニルアルコール系樹脂とシロキサン化合物を含み、
被覆層をレーザーラマン分光法で測定して得られるシロキサン化合物由来のランダムネットワーク構造を示すラマンバンドの面積A1と直鎖状ポリシロキサン構造および環状シロキサンを示すラマンバンドのピーク強度A2の合計値に占めるランダムネットワーク構造の面積比率A1/(A1+A2)が、0.50以上0.85以下である積層体。
(2)熱機械分析(TMA)により測定される主配向軸方向の121℃における応力をSF
121℃
、主配向軸方向の145℃における応力をSF
145℃
としたときに、SF
145℃
-SF
121℃
≦2.50MPaである(1)に記載の積層体。
(3)主配向軸方向の145℃におけるtanδが0.25以下である(1)または(2)に記載の積層体。
(4)主配向軸方向の破断点伸度をT
0
とし、該積層体を130℃で10分間熱処理した後に測定される主配向軸方向の破断点伸度をT
130
としたとき、T
0
/T
130
の値が1.20以下である(1)から(3)のいずれかに記載の積層体。
(5)前記被覆層をFT-IR-ATR法(全反射フーリエ変換赤外分光法)で測定して検出される下記ピーク強度P1とP2の比P1/P2の値が3.5以上8.0以下である(1)から(4)のいずれかに記載の積層体。
P1:1,050~1,080cm
-1
に存在する最大ピークの強度
P2:920~970cm
-1
に存在する最大ピークの強度
(6)前記ポリビニルアルコール系樹脂が、ビニルエステル基、アルキル基、カルボニル基、カルボキシ基、アセトアセチル基、ビニルエーテル基、アルキル基、エチレン基およびラクトン環より選ばれる1つ以上の官能基を有するポリビニルアルコール系樹脂である(1)から(5)のいずれかに記載の積層体。
(7)前記被覆層の厚さが200nm以上600nm以下である(1)から(6)のいずれかに記載の積層体。
(8)前記金属層または無機化合物層がアルミニウムを含む(1)から(7)のいずれかに記載の積層体。
(9)前記積層体の水蒸気透過率が1.0g/m
2
/24hr以下、かつ酸素透過率が1.0cc/m
2
/24hr以下である(1)から(8)のいずれかに記載の積層体。
(10)前記金属層または無機化合物層が樹脂フィルムに直接接している(1)から(9)のいずれかに記載の積層体。
(11)(1)から(10)のいずれかに記載の積層体を有する包装材。
(12)樹脂フィルムの少なくとも一方の面に、
金属層および/または無機化合物層と、被覆層とをこの順に有する積層体の製造方法であって、
樹脂フィルムがポリオレフィン系樹脂であり、被覆層はポリビニルアルコール系樹脂とシロキサン化合物を含む液を塗布し、120℃以下で乾燥させる工程により得られるものであり、
被覆層をレーザーラマン分光法で測定して得られるシロキサン化合物由来のランダムネットワーク構造を示すラマンバンドの面積A1と直鎖状ポリシロキサン構造および環状シロキサンを示すラマンバンドのピーク強度A2の合計値に占めるランダムネットワーク構造の面積比率A1/(A1+A2)が、0.50以上0.85以下である積層体の製造方法。
(13)前記シロキサン化合物がアルコキシシラン、およびアルコキシシランの5量体以下のシロキサン化合物より選ばれる1種以上を含む、(12)に記載の積層体の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ポリオレフィン系樹脂フィルム上に、金属層および/または無機化合物層と、被覆層を有する、緻密でバリア性の良好な積層体、包装体、積層体の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の積層体の構成を示す断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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