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公開番号
2024159567
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-08
出願番号
2024065099
出願日
2024-04-15
発明の名称
エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
C08G
59/18 20060101AFI20241031BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】
本発明では、硬化物の高温/湿潤弾性率、ゴム状態弾性率について、従来技術に対し優れた特性を示し得るエポキシ樹脂組成物、そのエポキシ樹脂組成物を用いた繊維強化複合材料およびその樹脂組成物が繊維基材に含浸されて成るプリプレグを提供する。
【解決手段】
少なくとも次の構成要素[A]~[D]を含んでなるエポキシ樹脂組成物であって、
全エポキシ樹脂100質量部に対して、構成要素[A]を60~100質量部含み、
構成要素[B]を13質量部以上45質量部以下含んでいる、エポキシ樹脂組成物。
[A]:1分子内に4個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂
[B]:単官能フェノール類
[C]:硬化剤
[D]:硬化促進剤
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
少なくとも次の構成要素[A]~[D]を含んでなるエポキシ樹脂組成物であって、
全エポキシ樹脂100質量部に対して、構成要素[A]を60~100質量部含み、
構成要素[B]を13質量部以上45質量部以下含んでいる、エポキシ樹脂組成物。
[A]:1分子内に4個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂
[B]:単官能フェノール類
[C]:硬化剤
[D]:硬化促進剤
続きを表示(約 2,400 文字)
【請求項2】
構成要素[A]が、一般式(I)で表される、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
TIFF
2024159567000012.tif
37
170
(上記一般式(I)中、R
1
、R
2
は、それぞれ炭素数1~5の脂肪族炭化水素基、炭素数3~6の脂環式炭化水素基、炭素数6~10の芳香族炭化水素基、炭素数1~6のアルコキシ基、アシル基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、シアノ基、フェニル基、ハロゲン原子からなる群から選ばれた少なくとも一つを表す。m
1
、m
2
はそれぞれ0~4の整数である。m
1
またはm
2
が2以上である場合、複数のR
1
、R
2
のそれぞれは、いずれも、同一であっても異なってもよい。Xは、-O-、-S-、-CO-、-C(=O)O-、-SO
2
-、-CH
2
-、-CH(CH
3
)-、-C(CH
3
)
2
-、-N=N-、で表されるいずれかの構造である。)
【請求項3】
構成要素[B]が、ヒドロキシフェニル化合物、ナフトール化合物またはヒドロキシビフェニル化合物のいずれかである、請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項4】
構成要素[B]が、一般式(II)、一般式(III)、一般式(IV)または一般式(V)で表される、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
TIFF
2024159567000013.tif
30
170
(上記一般式(II)中、R
3
、R
4
は、それぞれ炭素数1~5の脂肪族炭化水素基、炭素数3~6の脂環式炭化水素基、炭素数6~10の芳香族炭化水素基、炭素数1~6のアルコキシ基、アシル基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、シアノ基、フェニル基およびハロゲン原子からなる群から選ばれた少なくとも一つを表す。m
3
は0~4の整数であり、m
4
は0~5の整数である。m
3
またはm
4
が2以上である場合、複数のR
3
、R
4
のそれぞれは、いずれも、同一であっても異なってもよい。Aは、-O-、-S-、-CO-、-C(=O)O-、-SO
2
-、-CH
2
-、-CH(CH
3
)-、-C(CH
3
)
2
-、-N=N-、で表されるいずれかの構造である。)
TIFF
2024159567000014.tif
30
170
(上記一般式(III)中、R
5
は、炭素数1~5の脂肪族炭化水素基、炭素数3~6の脂環式炭化水素基、炭素数6~10の芳香族炭化水素基、炭素数1~6のアルコキシ基、アシル基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、シアノ基、フェニル基およびハロゲン原子からなる群から選ばれた少なくとも一つを表す。m
5
は0~7の整数である。m
5
が2以上である場合、複数のR
5
は、いずれも、同一であっても異なってもよい。)
TIFF
2024159567000015.tif
30
170
(上記一般式(IV)中、R
6
、R
7
は、それぞれ炭素数1~5の脂肪族炭化水素基、炭素数3~6の脂環式炭化水素基、炭素数6~10の芳香族炭化水素基、炭素数1~6のアルコキシ基、アシル基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、シアノ基、フェニル基およびハロゲン原子からなる群から選ばれた少なくとも一つを表す。m
6
は0~4の整数であり、m
7
は0~5の整数である。m
6
またはm
7
が2以上である場合、複数のR
6
、R
7
のそれぞれは、いずれも、同一であっても異なってもよい。)
TIFF
2024159567000016.tif
32
163
(上記一般式(V)中、R
8
は、それぞれ炭素数1~5の脂肪族炭化水素基、炭素数3~6の脂環式炭化水素基、炭素数6~10の芳香族炭化水素基、炭素数1~6のアルコキシ基、アシル基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、シアノ基、フェニル基およびハロゲン原子からなる群から選ばれた少なくとも一つを表す。m
8
は0~5の整数である。m
8
が2以上である場合、複数のR
8
のそれぞれは、いずれも、同一であっても異なってもよい。)
【請求項5】
構成要素[C]が芳香族ポリアミンである、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項6】
構成要素[A]のエポキシ当量が90g/eq、以上300g/eq以下であり、構成要素[B]のフェノール性水酸基由来の活性水素当量が100g/eq以上400g/eq以下である、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を強化繊維に含浸させてなるプリプレグ。
【請求項8】
請求項1~6のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させてなるエポキシ樹脂硬化物、および強化繊維を含んでなる繊維強化複合材料。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械特性に優れた繊維強化複合材料を与えるエポキシ樹脂組成物、そのエポキシ樹脂組成物を用いたプリプレグおよび繊維強化複合材料に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、炭素繊維、ガラス繊維などの強化繊維と、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂からなる繊維強化複合材料は、軽量でありながら、強度や剛性などの力学特性や耐熱性、また耐食性に優れているため、航空・宇宙、自動車、鉄道車両、船舶、土木建築およびスポーツ用品などの数多くの分野に応用されてきた。特に、高性能が要求される用途では、連続した強化繊維を用いた繊維強化複合材料が用いられ、強化繊維としては比強度、比弾性率に優れた炭素繊維が、そしてマトリックス樹脂としては熱硬化性樹脂、中でも特に炭素繊維との接着性、耐熱性、弾性率および耐薬品性を有し、硬化収縮が最小限であるエポキシ樹脂が多く用いられている。近年、繊維強化複合材料の使用例が増えるに従い、その要求特性は厳しくなっている。特に航空宇宙用途や車両などの構造材料に適用する場合には、例えば、引張強度や圧縮強度といった特徴の異なる物性を厳しい条件下でも十分保持することが要求される。これらの物性に関する要求を満たすために、マトリックス樹脂の改良がなされている。強化繊維複合材料の高温/湿潤条件下の圧縮強度向上には、圧縮荷重に対する強化繊維の座屈を抑制するためにマトリックス樹脂硬化物の高弾性率化が有効であることが知られている。一方で、引張強度向上のためには、強化繊維の引張強度利用率を高める必要があるが、マトリックス樹脂硬化物のゴム状態における弾性率を低下させると引張強度利用率が向上することが知られている。そして、マトリックス樹脂硬化物のゴム状態における弾性率の低下には、マトリックス樹脂硬化物の架橋点の密度(以下、架橋密度ということがある)を下げることが有効であると知られている。
【0003】
特許文献1では多官能エポキシ樹脂およびナフトールグリシジルエーテル類を使用したエポキシ樹脂組成物が提案されている。特許文献2では、ペンダント型エポキシ樹脂を使用したエポキシ樹脂組成物が提案されている。特許文献3では、特定の官能基を有するフェノール化合物を所定量使用したエポキシ樹脂組成物が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2020/058766号公報
国際公開第2010/109929号公報
国際公開第2018/159574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載されたエポキシ樹脂組成物の硬化物は、高温/湿潤条件下での弾性率は高い値を示すものの、架橋密度が高い構造を有しているためゴム状態における弾性率も高く、結果として引張強度利用率の大きな向上には至っていない。一方、特許文献2に記載されたエポキシ樹脂組成物の硬化物は、高温/湿潤弾性率について、それ以前の一般的なエポキシ樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物と比較して優れた高い値を示し、その上ゴム状態弾性率についてより低い値を示し得るものの、まだ不十分であった。また、特許文献3に記載されたエポキシ樹脂組成物の硬化物についても、高温/湿潤弾性率およびゴム状態弾性率としてはなお十分なものとはいえないものであった。
【0006】
そこで本発明では、硬化物の高温/湿潤弾性率、ゴム状態弾性率について、従来技術に対し優れた特性を示し得るエポキシ樹脂組成物、そのエポキシ樹脂組成物を用いた繊維強化複合材料およびその樹脂組成物が繊維基材に含浸されて成るプリプレグを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は次の構成要素を有するエポキシ樹脂組成物を提供する。
1.少なくとも次の構成要素[A]~[D]を含んでなるエポキシ樹脂組成物であって、
全エポキシ樹脂100質量部に対して、構成要素[A]を60~100質量部含み、
構成要素[B]を13質量部以上45質量部以下含んでいる、エポキシ樹脂組成物。
[A]:1分子内に4個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂
[B]:単官能フェノール類
[C]:硬化剤
[D]:硬化促進剤
2. 構成要素[A]が、後述の一般式(I)で表される、上記1に記載のエポキシ樹脂組成物。
3. 構成要素[B]が、ヒドロキシフェニル化合物、ナフトール化合物またはヒドロキシビフェニル化合物である、上記1または2に記載のエポキシ樹脂組成物。
4. 構成要素[B]が、後述の一般式(II)、一般式(III)、一般式(IV)または一般式(V)で表される、上記1~3のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
5. 構成要素[C]が芳香族ポリアミンである、上記1~4のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
6. 構成要素[A]のエポキシ当量が90g/eq、以上300g/eq以下であり、構成要素[B]のフェノール性水酸基由来の活性水素当量が100g/eq以上400g/eq以下である、上記1~5のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。 また、本発明に係るプリプレグは、上記1~6のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を強化繊維に含浸させてなるものである。
【0008】
さらに、本発明に係る繊維強化複合材料は、上記1~6のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させてなるエポキシ樹脂硬化物、および強化繊維を含んでなるものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、エポキシ樹脂硬化物の高温/湿潤条件下での優れた弾性率と低いゴム状態弾性率を兼ね揃えたエポキシ樹脂組成物を提供することができる。本発明のエポキシ樹脂組成物を繊維基材と共に用いてなる繊維強化複合材料およびプリプレグは、上記のエポキシ樹脂組成物の優れた特性により、高温/湿潤条件下での優れた圧縮強度および優れた引張特性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明のエポキシ樹脂組成物における各構成要素について詳細を述べる。なお、本発明において、「芳香族」とは、芳香族炭化水素や共役不飽和複素環式化合物を化学構造中に含むものである。
(【0011】以降は省略されています)
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