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公開番号2024157077
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-07
出願番号2023071181
出願日2023-04-25
発明の名称ポリ乳酸系繊維
出願人株式会社クラレ
代理人
主分類D01F 6/92 20060101AFI20241030BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約【課題】 繊維強度は維持しつつも、柔軟性に優れたポリ乳酸系繊維を提供する。
【解決手段】 β-メチル-δ-バレロラクトン系重合体と、ポリ乳酸系樹脂とを含むポリ乳酸系繊維。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
β-メチル-δ-バレロラクトン系重合体と、ポリ乳酸系樹脂とを含むポリ乳酸系繊維。
続きを表示(約 840 文字)【請求項2】
前記β-メチル-δ-バレロラクトン系重合体が、下記一般式(I)で表される、請求項1に記載のポリ乳酸系繊維。
TIFF
2024157077000006.tif
27
150
[一般式(I)中、R

は、水素原子、炭素数1~20の直鎖状又は分岐状アルキル基、炭素数2~20の直鎖状又は分岐状アルケニル基、炭素数6~12のアリール基、炭素数7~12のアリールアルキル基、炭素数1~20の直鎖状アルキル基における末端の炭素原子に結合する1つの水素原子が下記式(X)で表される基で置換された酸素原子含有炭化水素基、又は、炭素数3~20の分岐状アルキル基の少なくとも1つの末端の炭素原子に結合する1つの水素原子が下記式(X)で表される基で置換された酸素原子含有炭化水素基を示す。下記式(X)中、*で示される結合手は、前記炭素数1~20の直鎖状アルキル基又は炭素数3~20の分岐状アルキル基と結合する。
TIFF
2024157077000007.tif
25
154


は、炭素数1~20の直鎖状又は分岐状アルキル基、炭素数2~20の直鎖状又は分岐状アルケニル基、炭素数6~12のアリール基、又は、炭素数7~12のアリールアルキル基を示す。
nは8~1,000の整数であり、mは8~1,000の整数である。


及びmが、複数存在する場合、これらは同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。]
【請求項3】
前記β-メチル-δ-バレロラクトン系重合体の数平均分子量が、1,000以上100,000以下である、請求項1又は2に記載のポリ乳酸系繊維。
【請求項4】
小角X線散乱測定において10.0nm以上の長周期構造が観察される、請求項1又は2に記載のポリ乳酸系繊維。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリ乳酸系繊維に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
地球環境保全の見地から、幅広い分野において、製品に用いられるプラスチック材料に対し環境負荷低減が求められている。環境負荷を低減すべく、「生分解性プラスチック」の一つであるポリ乳酸を用いたプラスチック材料の開発が盛んに行われている。しかし、ポリ乳酸からなる成形体や繊維は、石油系プラスチックと比べると脆く、柔軟性、及び耐熱性等に劣る傾向があり、さらに加水分解しやすいため、樹脂材料や各種繊維製品としての使用が制限されることがあった。
【0003】
そこで、硬くて脆いといった性質を持つポリ乳酸系繊維に、柔軟性を付与するために、例えば、特許文献1(特開2013-11033号公報)では、ポリグリセリン脂肪酸エステルまたはポリグリセリン縮合ヒドロキシ脂肪酸エステルをポリ乳酸系繊維に添加することにより、耐熱性を損なうことなく、少量の添加でポリ乳酸に柔軟性を付与されたポリ乳酸系繊維が得られることが記載されている。また、特許文献2(特開2010-84261号公報)では、平均重合度1~12のグリセリン誘導体をポリ乳酸系繊維に添加することにより、繊維内部に含有されるグリセリン誘導体が繊維に柔軟性を付与させると共に、外部からの衝撃を吸収し、クラックの発生や伝播を抑制することで耐摩耗性を向上できることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2013-11033号公報
特開2010-84261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1や特許文献2のように低分子量の添加剤を用いると、ポリ乳酸内での分散性がよく、十分な可塑効果を発現し、柔軟性を付与することができるが、結晶化速度の遅いポリ乳酸においては、添加剤によってポリ乳酸の結晶化が阻害されることにより、繊維の強度が添加量に応じて低下するという問題があった。
【0006】
したがって、本発明は、上記のような問題現状に鑑み、引張強度は維持しつつも、柔軟性に優れたポリ乳酸系繊維を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明者らは本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の好適な態様を包含する。
<1> β-メチル-δ-バレロラクトン系重合体と、ポリ乳酸系樹脂とを含むポリ乳酸系繊維。
<2> 前記β-メチル-δ-バレロラクトン系重合体が、下記一般式(I)で表される、上記<1>に記載のポリ乳酸系繊維。
TIFF
2024157077000001.tif
27
150
[一般式(I)中、R

は、水素原子、炭素数1~20の直鎖状又は分岐状アルキル基、炭素数2~20の直鎖状又は分岐状アルケニル基、炭素数6~12のアリール基、炭素数7~12のアリールアルキル基、炭素数1~20の直鎖状アルキル基における末端の炭素原子に結合する1つの水素原子が下記式(X)で表される基で置換された酸素原子含有炭化水素基、又は、炭素数3~20の分岐状アルキル基の少なくとも1つの末端の炭素原子に結合する1つの水素原子が下記式(X)で表される基で置換された酸素原子含有炭化水素基を示す。下記式(X)中、*で示される結合手は、前記炭素数1~20の直鎖状アルキル基又は炭素数3~20の分岐状アルキル基と結合する。
TIFF
2024157077000002.tif
25
154


は、炭素数1~20の直鎖状又は分岐状アルキル基、炭素数2~20の直鎖状又は分岐状アルケニル基、炭素数6~12のアリール基、又は、炭素数7~12のアリールアルキル基を示す。
nは8~1,000の整数であり、mは8~1,000の整数である。


及びmが、複数存在する場合、これらは同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。]
<3> 前記β-メチル-δ-バレロラクトン系重合体の数平均分子量が、1,000以上100,000以下である、上記<1>又は<2>に記載のポリ乳酸系繊維。
<4> 小角X線散乱測定において10.0nm以上の長周期構造が観察される、上記<1>~<3>のいずれか1つに記載のポリ乳酸系繊維。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、繊維強度は維持しつつも、柔軟性に優れたポリ乳酸系繊維を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施態様の一例に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施態様は、本発明の技術思想を具体化するための例示であって、本発明は以下の記載に限定されない。また本明細書において、実施態様の好ましい形態を示すが、個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、好ましい形態である。数値範囲で示した事項について、いくつかの数値範囲がある場合、それらの下限値と上限値とを選択的に組み合わせて好ましい形態とすることができる。
なお、本明細書において、「XX~YY」との数値範囲の記載がある場合、「XX以上YY以下」を意味する。
【0010】
[ポリ乳酸系樹脂]
本実施態様において、ポリ乳酸系繊維にはポリ乳酸系樹脂を含む。本実施態様において用いられるポリ乳酸系樹脂としては、例えば、L-乳酸のホモポリマー、D-乳酸のホモポリマー、L-乳酸とD-乳酸との共重合体、DL-乳酸のホモポリマー、DL-乳酸とL-乳酸との共重合体、DL-乳酸とD-乳酸との共重合体、及び乳酸の環状2量体であるラクチドの重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。ポリ乳酸系樹脂は、好ましくはL-乳酸またはD-乳酸の含有率が95%以上であってもよく、より好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上である。95%以上とすることにより、結晶性が高くなり、操業性が良好であり、繊維強度が良好なものとなる。
(【0011】以降は省略されています)

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