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公開番号
2024157969
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-08
出願番号
2023072674
出願日
2023-04-26
発明の名称
位相差層付偏光板および該位相差層付偏光板を有する画像表示装置
出願人
日東電工株式会社
代理人
弁理士法人籾井特許事務所
主分類
G02B
5/30 20060101AFI20241031BHJP(光学)
要約
【課題】薄型であり、耐屈曲性および視野角特性に優れた位相差層付偏光板を提供すること。
【解決手段】本発明の実施形態の位相差層付偏光板は、偏光子を含む偏光板と;液晶化合物の配向固化層である第1の位相差層と、屈折率特性がnz>nx=nyの関係を示す樹脂フィルムである第2の位相差層と、を含む位相差層と;該第1の位相差層と該第2の位相差層との間に配置される第1の接着層と、を有し、屈曲半径R1.5mm、屈曲回数5万回の内曲げ屈曲試験における第2の位相差層のクラック数が0以下である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
偏光子を含む偏光板と;液晶化合物の配向固化層である第1の位相差層と、屈折率特性がnz>nx=nyの関係を示す樹脂フィルムである第2の位相差層と、を含む位相差層と;該第1の位相差層と該第2の位相差層との間に配置される第1の接着層と、を有し、
屈曲半径R1.5mm、屈曲回数5万回の内曲げ屈曲試験における第2の位相差層のクラック数が0以下である、位相差層付偏光板。
続きを表示(約 860 文字)
【請求項2】
前記第1の位相差層が、単一層であり、
面内位相差Re(550)が100nm~190nmであり、かつ、Re(450)/Re(550)<1を満たし、
前記第1の位相差層の遅相軸と前記偏光子の吸収軸とがなす角度が40°~50°である、請求項1に記載の位相差層付偏光板。
【請求項3】
前記第1の位相差層が、液晶化合物の配向固化層Aと液晶配向固化層Bとの積層体であり、
該液晶化合物の配向固化層AのRe(550)が200nm~300nmであり、該液晶化合物の配向固化層BのRe(550)が100nm~200nmであり、
該液晶化合物の配向固化層Aの遅相軸と前記偏光子の吸収軸とのなす角度が14°~20°であり、
該液晶化合物の配向固化層Bの遅相軸と前記偏光子の吸収軸とのなす角度が75°~81°である、請求項1に記載の位相差層付偏光板。
【請求項4】
前記液晶化合物の配向固化層Aと、前記第1の接着層と、前記第2の位相差層と、前記液晶化合物の配向固化層Bとがこの順に積層されている、請求項3に記載の位相差層付偏光板。
【請求項5】
前記第1の位相差層の厚みが10μm以下である、請求項1に記載の位相差層付偏光板。
【請求項6】
前記第2の位相差層の厚みが10μm以下である、請求項1に記載の位相差層付偏光板。
【請求項7】
前記第1の接着層の厚みが7μm以下である、請求項1に記載の位相差層付偏光板。
【請求項8】
前記第2の位相差層が負の複屈折を示すポリマーを含む樹脂フィルムで構成される、請求項1に記載の位相差層付偏光板。
【請求項9】
最外層に粘着剤層をさらに有し、該粘着剤層の貯蔵弾性率が200kPa以下である、請求項1に記載の位相差層付偏光板。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載の位相差層付偏光板を含む、画像表示装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、位相差層付偏光板および該位相差層付偏光板を有する画像表示装置に関する。
続きを表示(約 4,300 文字)
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置およびエレクトロルミネセンス(EL)表示装置(例えば、有機EL表示装置、無機EL表示装置)に代表される画像表示装置が急速に普及している。これらの画像表示装置において、表示特性の向上および反射防止を目的として位相差層付偏光板が用いられている。一般的な位相差層付偏光板として、λ/4板として機能する位相差層を、その遅相軸が偏光子の吸収軸に対して約45°の角度をなすように積層したものが知られている。また、視野角補償の観点から、上記位相差層の偏光子と反対側にnz>nx=nyの屈折率特性を示す位相差層がさらに積層された位相差層付偏光板も提案されている。近年、画像表示装置の薄型化の要望が高まり、位相差層として液晶化合物の配向固化層が用いられている。液晶化合物の配向固化層を備える位相差層付偏光板では、屈曲試験において位相差層にクラックが発生するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-14611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、薄型であり、耐屈曲性および視野角特性に優れた位相差層付偏光板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1.本発明の実施形態の位相差層付偏光板は、偏光子を含む偏光板と;液晶化合物の配向固化層である第1の位相差層と、屈折率特性がnz>nx=nyの関係を示す樹脂フィルムである第2の位相差層と、を含む位相差層と;該第1の位相差層と該第2の位相差層との間に配置される第1の接着層と、を有し、屈曲半径R1.5mm、屈曲回数5万回の内曲げ屈曲試験における第2の位相差層のクラック数が0以下である。
2.上記1に記載の位相差層付偏光板において、上記第1の位相差層は、単一の層であり、面内位相差Re(550)が100nm~190nmであり、かつ、Re(450)/Re(550)<1を満たし、上記第1の位相差層の遅相軸と上記偏光子の吸収軸とがなす角度が40°~50°であってもよい。
3.上記1に記載の位相差層付偏光板において、上記第1の位相差層は、液晶化合物の配向固化層Aと液晶配向固化層Bとの積層体であり、該液晶化合物の配向固化層AのRe(550)が200nm~300nmであり、該液晶化合物の配向固化層BのRe(550)が100nm~200nmであり、該液晶化合物の配向固化層Aの遅相軸と上記偏光子の吸収軸とのなす角度が14°~20°であり、該液晶化合物の配向固化層Bの遅相軸と上記偏光子の吸収軸とのなす角度が75°~81°であってもよい。
4.上記3に記載の位相差層付偏光板において、上記液晶化合物の配向固化層Aと、上記第1の接着層と、上記第2の位相差層と、上記液晶化合物の配向固化層Bとがこの順に積層されていてもよい。
5.上記1から4のいずれかに記載の位相差層付偏光板において、上記第1の位相差層の厚みは10μm以下であってもよい。
6.上記1から5のいずれかに記載の位相差層付偏光板において、上記第2の位相差層の厚みは10μm以下であってもよい。
7.上記1から6のいずれかに記載の位相差層付偏光板において、上記第1の接着層の厚みは7μm以下であってもよい。
8.上記1から7のいずれかに記載の位相差層付偏光板において、上記第2の位相差層は負の複屈折を示すポリマーを含む樹脂フィルムで構成されていてもよい。
9.上記1から8のいずれかに記載の位相差層付偏光板は、最外層に粘着剤層をさらに有し、該粘着剤層の貯蔵弾性率が200kPa以下であってもよい。
10.本発明の別の局面においては、画像表示装置が提供される。この画像表示装置は、上記1から9のいずれかに記載の位相差層付偏光板を含む。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態によれば、薄型であり、耐屈曲性および視野角特性に優れた位相差層付偏光板を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の1つの実施形態による位相差層付偏光板の概略断面図である。
本発明の別の実施形態による位相差層付偏光板の概略断面図である。
本発明の実施例および比較例の位相差層付偏光板のL
*
a
*
b
*
色空間色度図による反射輝度および反射色相の測定結果である。
本発明の実施例の屈曲試験時の試料の固定方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【0009】
(用語および記号の定義)
本明細書における用語および記号の定義は下記の通りである。
(1)屈折率(nx、ny、nz)
「nx」は面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸と直交する方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率であり、「nz」は厚み方向の屈折率である。
(2)面内位相差(Re)
「Re(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した面内位相差である。例えば、「Re(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した面内位相差である。Re(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Re(λ)=(nx-ny)×dによって求められる。
(3)厚み方向の位相差(Rth)
「Rth(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した厚み方向の位相差である。例えば、「Rth(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した厚み方向の位相差である。Rth(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Rth(λ)=(nx-nz)×dによって求められる。
(4)Nz係数
Nz係数は、Nz=Rth/Reによって求められる。
(5)角度
本明細書において角度に言及するときは、当該角度は基準方向に対して時計回りおよび反時計回りの両方を包含する。したがって、例えば「45°」は±45°を意味する。
【0010】
A.位相差層付偏光板の全体構成
図1は、本発明の1つの実施形態による位相差層付偏光板の概略断面図である。図示例の位相差層付偏光板100は、偏光板10と、液晶化合物の配向固化層(以下、液晶配向固化層ともいう)である第1の位相差層20と、屈折率特性がnz>nx=nyの関係を示す樹脂フィルムである第2の位相差層40と、を含む位相差層と、第1の位相差層と第2の位相差層との間に配置される第1の接着層30と、を視認側からこの順に有する。位相差層は、円偏光機能、または、楕円偏光機能を有する。図示例では、偏光板10、第1の位相差層20、第1の接着層30、および、第2の位相差層40の順で積層されているが、偏光板10、第2の位相差層40、第1の接着層30、および、第1の位相差層20の順で積層されていてもよい。偏光板10は、代表的には、偏光子11と、偏光子11の両側に配置された保護層12、13と、を含む。保護層13は省略されていてもよい。例えば、位相差層(すなわち、第1の位相差層20または第2の位相差層40のうち偏光子側に配置される位相差層)が保護層としても機能し得る場合、保護層13は省略されていてもよい。位相差層付偏光板を構成する各部材は、任意の適切な接着層(図示せず)を介して積層され得る。接着層の具体例としては、接着剤層、粘着剤層が挙げられる。したがって、第1の接着層は、粘着剤層または接着剤層であり得る。液晶配向固化層である第1の位相差層20は単一の層であってもよく、2以上の積層体であってもよい。図2は本発明の別の実施形態による位相差層付偏光板の概略断面図である。この図示例において、第1の位相差層20は液晶配向固化層A21と液晶配向固化層B22との積層体である。液晶配向固化層と、屈折率特性がnz>nx=nyの関係を示す位相差層、いわゆるポジティブCプレート、とを有する位相差層付偏光板では、耐屈曲性が問題となり得る。特に、偏光板が内側となるよう屈曲させる内曲げ屈曲試験において、外側となる層には屈曲時により負荷がかかり、ポジティブCプレートにクラックが発生するおそれがある。そのため、薄型の位相差層付偏光板とした場合、優れた耐屈曲性と視野角特性との両立が困難となり得る。本発明の実施形態の位相差層付偏光板は、液晶配向固化層である第1の位相差層と、樹脂フィルムのポジティブCプレートである第2の位相差層とを含む。この位相差層付偏光板は、屈曲半径R1.5mm、屈曲回数5万回の内曲げ屈曲試験における第2の位相差層のクラック数が0以下である。このような位相差層付偏光板であれば、薄型であり、耐屈曲性および視野角特性に優れた位相差層付偏光板が提供され得る。本明細書において、内曲げ屈曲試験は、以下の方法により行うことができる。
<内曲げ屈曲試験>
位相差層付偏光板を偏光子の吸収軸と、長辺とのなす角度が135°となるよう10cm×5cmのサイズに切り出す。切り出した位相差層付偏光板を厚み15μmの粘着剤層を介して厚みが20μmの樹脂フィルム(例えば、東洋鋼鈑社製、製品名:RV-20UB)に貼り合わせ、測定試料とする。この測定試料について、屈曲試験機(例えば、ユアサシステム機器(株)社製、製品名「CL09 Type D01」)を用いて連続折り曲げ試験を行う。測定試料の樹脂フィルム側が屈曲試験機と接するよう固定し、折り曲げは、25℃(室温)で、視認側保護層が内側となるようにして行う。折り曲げの曲率半径は1.5mm、屈曲速度は30回/分とする。50,000回折り曲げた後の測定試料について、第2の位相差層のクラックの有無を目視で確認し、クラックが確認された場合にはさらに断面を走査電子顕微鏡(SEM)で観察し、クラックが発生している層を確認した。
(【0011】以降は省略されています)
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