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公開番号2024159398
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023133084
出願日2023-08-17
発明の名称セルロース成形体の製造方法及びセルロース成形体
出願人フタムラ化学株式会社
代理人個人,個人
主分類D01F 2/00 20060101AFI20241031BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約【課題】セルロース材料の構成糖中のキシロース濃度によらずに成形条件の調整によって低結晶のセルロース成形体を得ることができるセルロース成形体の製造方法及びセルロース成形体を提供する。
【解決手段】セルロース溶剤にセルロース材料を溶解させてセルロース溶液を得るセルロース溶解工程と、前記セルロース溶剤を20~50%含む10~70℃の成形用水溶液中に前記セルロース溶液を吐出させて湿潤成形体を作製する成形工程と、前記湿潤成形体を洗浄後、乾燥させてセルロース成形体を得る乾燥工程とを有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
セルロース溶剤にセルロース材料を溶解させてセルロース溶液を得るセルロース溶解工程と、
前記セルロース溶剤を20~50%含む10~70℃の成形用水溶液中に前記セルロース溶液を吐出させて湿潤成形体を作製する成形工程と、
前記湿潤成形体を洗浄後、乾燥させてセルロース成形体を得る乾燥工程
とを有することを特徴とするセルロース成形体の製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記セルロース材料がセルロースを主成分としたパルプであって、構成糖としてキシロースを0.1~20重量%含む請求項1に記載のセルロース成形体の製造方法。
【請求項3】
前記セルロース溶剤が下記式(Fi)で表されるテトラアルキルアンモニウムアセテート及び非プロトン性極性溶媒を含有し、該非プロトン性極性溶媒の含有割合が55重量%以上である請求項1又は2に記載のセルロース成形体の製造方法。
TIFF
2024159398000008.tif
43
170
式中、R

、R

、R

及びR

はそれぞれ独立して、炭素数3~6のアルキル基を表す。
【請求項4】
前記セルロース溶剤のKamlet-Taftパラメータの水素結合受容能(β値)が0.8~1.3である請求項3に記載のセルロース成形体の製造方法。
【請求項5】
前記テトラアルキルアンモニウムアセテートがテトラブチルアンモニウムアセテートである請求項3記載のセルロース成形体の製造方法。
【請求項6】
前記非プロトン性極性溶媒のドナー数が20~50である請求項3に記載のセルロース成形体の製造方法。
【請求項7】
前記非プロトン性極性溶媒が、アミド系溶媒、スルホキシド系溶媒、及びピリジン系溶媒から選択される少なくとも1種である請求項3に記載のセルロース成形体の製造方法。
【請求項8】
前記非プロトン性極性溶媒がN,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチル-2-ピロリドン、N,N’-ジメチルプロピレン尿素、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、テトラメチル尿素、テトラエチル尿素、ピリジン及び4-メチルピリジン、及びこれらの誘導体からなる群より選択される少なくとも1種である請求項3に記載のセルロース成形体の製造方法。
【請求項9】
前記セルロース成形体が繊維状、フィルム状、球状のいずれかの形態である請求項1に記載のセルロース成形体の製造方法。
【請求項10】
前記セルロース成形体が繊維状、フィルム状、球状のいずれかの形態である請求項3に記載のセルロース成形体の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、セルロース成形体の製造方法及びセルロース成形体に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
一般に、セルロースは、パルプ等のセルロース材料を水酸化ナトリウム等のアルカリ溶液に浸漬させてアルカリセルロースとし、二硫化炭素で硫化、さらにアルカリ溶解によりビスコースを生成し、ビスコースを硫酸等の酸溶液により凝固させるビスコース法により製造される。このように製造されるセルロースは、凝固時の形状等により繊維状、フィルム状、球状等の適宜の成形体として成形され、紙製品、衣料品、衛生用品等の各種製品に加工される。
【0003】
ビスコース法は、セルロース材料からビスコースを調製するまでの工程が多く、設備や作業時間が膨大となることに加え、アルカリ溶液や酸溶液、硫化水素等の使用による排ガス処理や廃液処理等、作業効率の向上や環境負荷低減等が課題となっている。また、硫化工程や洗浄や脱硫等の工程等により、硫化ガスが存在する作業環境であることから、作業者は防護服を着用する等の安全対策を行うことが不可欠であった。
【0004】
そこで、セルロース材料からビスコースを生成する工程を経ることなく、セルロース材料を直接溶解させてセルロースフィルムを製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この製造方法では、イミダゾリウム塩等のイオン液体と非プロトン性極性溶媒を含む混合溶媒によりセルロース材料を溶解させてセルロース溶液とした後、該セルロース溶液を凝固させてセルロースフィルムが得られる。そのため、工程数を減らして設備負担の軽減や作業効率の向上が図られるとともに、硫化ガスが存在する作業環境等をなくして安全対策の改善や環境負荷低減も図られる。
【0005】
また、セルロース材料を直接溶解させる際に、イオン液体の代わりにテトラブチルアンモニウムアセテートとジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒との混合溶媒を用いた製造方法が提案されている(例えば、特許文献2,3,4参照)。この製造方法に使用される混合溶媒は、テトラブチルアンモニウムアセテートがイオン液体と比較して高い溶解効率を有しかつ安価であることから、生産性の向上を図ることができる。
【0006】
しかるに、上記のセルロース材料を直接溶解させてセルロース成形体を製造する方法は、いずれもセルロースフィルムの製造方法である。しかしながら、セルロース成形体は、フィルム以外に繊維状や球状等、適宜の形態で得ることができる。得られる成形体のうち、フィルムは主に包材用途、繊維は主に化粧品やテキスタイル用途、球状物(ビーズ)は主に化粧品用途等に用いられる。
【0007】
一般に、化粧品用途のセルロース成形体には透明性や柔軟性等、テキスタイル用途のセルロース成形体には染色性、包材用途のセルロース成形体には透明性等、用途に応じた適宜の特性が求められる。これらのセルロース成形体では、セルロースの結晶部と非結晶部とで光の屈折率が異なることから、結晶化度が高くなるほど光が乱反射して透明性が低下し、結晶化度が低くなるほど透明性や柔軟性が良好となる。また、非結晶部は染料や薬品等の含浸が進みやすいことから、染色性や後加工の際の化学反応性が良好となる。
【0008】
結晶性が低く染色性の良いセルロース繊維を得る手法としては、セルロース原料としてキシロース等を構成糖とするヘミセルロースを高濃度に含むパルプを使用する製造方法が提案されている(例えば、特許文献5参照)。しかしながら、上記の製造方法では、低結晶のセルロース繊維を得るために、原料自体の構成糖中のキシロース濃度を調整する必要があり、結晶化度を任意に調整することが困難である。
【0009】
また、上記製造方法で得られるセルロース繊維にはキシロースが構成糖として高濃度で含まれるため、例えば不織布ガーゼ等の衛生用品に使用する場合、衛生材料の安全性基準を満たさない可能性がある。JIS L 1912(1997)の医療用不織布試験方法等に準拠した医用不織布ガーゼ基準では、化学的要求事項の1つである蒸留残留物について、不織布を水中で煮沸して得られた溶液を蒸発させた際、蒸留せずに残った物質の重量が、不織布2gあたり20.0mg以下であることが定められている。上記製造方法で得られるセルロース繊維のようにキシロースが構成糖として高濃度で含まれる繊維では、キシロースが熱水中に溶出しやすいことから、蒸留残留物の基準を超過するおそれがある。
【0010】
そこで発明者らは、原料の構成糖中のキシロース濃度によらずにセルロースの結晶性を制御可能なセルロース成形体の製造方法を鋭意検討した。その結果、溶解させたセルロース材料を凝固させる際に、使用する溶液の種類、濃度、温度の条件の調整によって、原料の構成糖中のキシロース濃度によらずに低結晶のセルロース成形体を得ることができる方法を発明するに至った。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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