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公開番号2024155880
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-31
出願番号2024068289
出願日2024-04-19
発明の名称活性炭からのペル及びポリフルオロアルキル化合物の脱離方法
出願人国立研究開発法人産業技術総合研究所,フタムラ化学株式会社
代理人個人
主分類B01J 20/34 20060101AFI20241024BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】ペル及びポリフルオロアルキル化合物が吸着されている活性炭から、吸着されたペル及びポリフルオロアルキル化合物を高効率で脱離可能なペル及びポリフルオロアルキル化合物の脱離方法を提供する。
【解決手段】ペル及びポリフルオロアルキル化合物が吸着されている活性炭に対し、0.1MPa以上の高圧下で130℃以上とされた溶媒が接触されることにより、前記活性炭から前記ペル及びポリフルオロアルキル化合物を脱離させることを特徴とする。
【選択図】なし

特許請求の範囲【請求項1】
ペル及びポリフルオロアルキル化合物が吸着されている活性炭に対し、0.1MPa以上の高圧下で130℃以上とされた溶媒が接触されることにより、前記活性炭から前記ペル及びポリフルオロアルキル化合物を脱離させることを特徴とする活性炭からのペル及びポリフルオロアルキル化合物の脱離方法。
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
前記溶媒が水である請求項1に記載の活性炭からのペル及びポリフルオロアルキル化合物の脱離方法。
【請求項3】
前記溶媒が水と有機溶媒の混合溶媒である請求項1に記載の活性炭からのペル及びポリフルオロアルキル化合物の脱離方法。
【請求項4】
前記溶媒がエタノールである請求項3に記載の活性炭からのペル及びポリフルオロアルキル化合物の脱離方法。
【請求項5】
前記溶媒が有機溶媒である請求項1に記載の活性炭からのペル及びポリフルオロアルキル化合物の脱離方法。
【請求項6】
前記溶媒がエタノールである請求項5に記載の活性炭からのペル及びポリフルオロアルキル化合物の脱離方法。
【請求項7】
前記活性炭が、BET比表面積が1100~1800m

/gであり、窒素ガスの吸着等温線のt-plotからMP法により測定された細孔直径のモード径が0.50~0.70nmであり、ポリスチレン標準品を用いて測定した排除限界分子量が1013以下である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の活性炭からのペル及びポリフルオロアルキル化合物の脱離方法。
【請求項8】
前記排除限界分子量が453以下である請求項7に記載の活性炭からのペル及びポリフルオロアルキル化合物の脱離方法。
【請求項9】
前記活性炭の窒素ガスの吸着等温線からHK法により解析して求めた全細孔容積が0.40~0.75cm

/gである請求項7に記載の活性炭からのペル及びポリフルオロアルキル化合物の脱離方法。
【請求項10】
前記活性炭の窒素ガスの吸着等温線からHK法により解析して求めた全細孔容積が0.40~0.75cm

/gである請求項8に記載の活性炭からのペル及びポリフルオロアルキル化合物の脱離方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、活性炭からのペル及びポリフルオロアルキル化合物の脱離方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
有機フッ素化合物(PFCs)であるペル及びポリフルオロアルキル化合物は、高い熱安定性、高い化学的安定性、高い表面修飾活性を有するフッ素置換された脂肪族化合物類である。ペル及びポリフルオロアルキル化合物は、前記特性を生かし表面処理剤や包装材、液体消火剤等の工業用途及び化学用途等幅広く使用されている。
【0003】
ペル及びポリフルオロアルキル化合物の一部は、非常に安定性の高い化学物質であることから、環境中に放出されると、自然条件下では分解されにくい。このため、近年では、ペル及びポリフルオロアルキル化合物は残留性有機汚染物質(POPs)として認識され、ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)(IUPAC名:1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-ヘプタデカフルオロオクタン-1-スルホン酸)が2010年より残留性有機物汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)において、製造や使用が規制されることとなった。
【0004】
特に、ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びペルフルオロオクタン酸(PFOA)(IUPAC名:2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-ペンタデカフロオロオクタン酸)は、世界中で規制対象となっており、日本国内においても令和2年4月1日より水質管理目標設定項目にペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びペルフルオロオクタン酸(PFOA)の合算値が50ng/L以下とする基準値が追加された。
【0005】
なお、ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)やペルフルオロオクタン酸(PFOA)等が含まれるペルフルオロアルキル化合物は完全にフッ素化された直鎖アルキル基を有しており、化学式(i)で示される物質である。また、ポリフルオロアルキル化合物はアルキル基の水素の一部がフッ素に置き換わったものを示し、化学式(ii)で示される物質である。例えば、フルオロテロマーアルコール等がある。
【0006】
TIFF
2024155880000001.tif
26
170
【0007】
TIFF
2024155880000002.tif
26
170
【0008】
このように、ペル及びポリフルオロアルキル化合物は自然界(水中、土壌中、大気中)に残存し続けることから、各環境下において適宜除去することが求められる。例えば、水中等の有害物質を除去する際には、活性炭を使用した浄水器等が広く使用される。そこで、有害物質としてPFOSやPFOA等が注目されることから、PFOSやPFOA等の有害物質の除去を目的とした活性炭が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、大気中等の有害物質を除去するエアフィルター等に使用される吸着材に、PFOSやPFOA等を吸着可能な活性炭を適用することも可能である。この種の活性炭を用いてPFOSやPFOA等の有害物質を吸着・除去した後、使用済みの活性炭はPFOS含有廃棄物やPFOA含有廃棄物等の廃棄物として廃棄処理される。
【0009】
これらの廃棄物の廃棄処理は、環境省が掲げる「PFOS及びPFOA含有廃棄物の処理に関する技術的留意事項」に沿って実施される。すなわち、PFOS等及びPFOA等が確実に分解される方法で実施することが求められ、その分解処理方法としてPFOS含有廃棄物の場合は約850℃以上、PFOA含有廃棄物の場合は約1000℃以上(約1100℃以上を推奨)の焼却処理が提示されており、PFOS及びPFOA等の分解効率が99.999%以上であること等が要件とされる。
【0010】
しかるに、焼却に際して活性炭がPFOA等の揮発を抑制して燃焼分解反応を促進させる可能性は認められている。しかしながら、燃焼による活性炭中のPFOSやPFOA等の変化に関する調査は十分になされているとは必ずしもいうことができず、分解によって生じる無機フッ化物を含む他の化合物や有害なガスの生成等の可能性が指摘されている(例えば、非特許文献1参照)。
(【0011】以降は省略されています)

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