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公開番号2024164485
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-27
出願番号2023079989
出願日2023-05-15
発明の名称紡績機、及び紡績機の制御方法
出願人村田機械株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類D01H 13/14 20060101AFI20241120BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約【課題】吸引装置によって糸欠陥を吸引して除去しつつ、糸欠陥と共に廃棄される糸量を削減する。
【解決手段】紡績機1は、糸欠陥が検出された以降の予め定められた取得時点における、糸貯留装置23の紡績糸5の貯留長さを取得する取得部15aと、糸貯留装置23よりも下流側で紡績糸5を吸引可能な吸引装置24と、紡績糸5の吸引を補助する吸引補助動作が可能な糸外しレバー55と、取得部15aにより取得された貯留長さに基づいて、巻取装置25における巻き取りを停止する停止タイミングと、糸外しレバー55における吸引補助動作の動作タイミングとを制御する動作制御部15bとを備える。
【選択図】図4


特許請求の範囲【請求項1】
繊維束を紡績することにより糸を生成する紡績装置と、
前記紡績装置により生成された前記糸を巻き取ってパッケージを形成する巻取装置と、
前記紡績装置と前記巻取装置との間に形成される糸経路の途中に配置される糸貯留装置と、
糸走行方向において前記糸貯留装置よりも上流側に配置され、前記糸の糸欠陥を検出する糸検出装置と、
前記糸欠陥が検出された以降の予め定められた取得時点における、前記糸貯留装置の前記糸の貯留長さを取得する取得部と、
前記糸走行方向において前記糸貯留装置よりも下流側で前記糸を吸引可能な吸引装置と、
前記吸引装置における前記糸の吸引を補助する吸引補助動作が可能な吸引補助部材と、
前記紡績装置、前記巻取装置、及び前記吸引補助部材のそれぞれの動作を制御する動作制御部と、
を備え、
前記動作制御部は、
前記糸検出装置による前記糸欠陥の検出に伴って前記紡績装置による前記糸の生成を停止させ、
前記取得部により取得された前記貯留長さに基づいて、前記巻取装置における前記糸の巻き取りを停止する停止タイミングと、前記吸引補助部材において前記吸引補助動作を開始する動作タイミングと、を制御する、紡績機。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記動作制御部は、前記取得部により取得された前記貯留長さが長い場合は、前記貯留長さが短い場合に比べて、前記停止タイミング及び前記動作タイミングを遅くする、請求項1に記載の紡績機。
【請求項3】
前記動作制御部は、前記巻取装置における前記糸の巻取速度に基づいて、前記巻取速度が速い場合は、前記巻取速度が遅い場合に比べて、前記停止タイミング及び前記動作タイミングを早くする、請求項1又は2に記載の紡績機。
【請求項4】
前記取得部は、番手入力部に入力された前記紡績装置が紡績する前記糸の番手情報に基づいて、前記貯留長さを取得する、請求項1~3のいずれか一項に記載の紡績機。
【請求項5】
前記取得部は、前記巻取装置による空ボビンへの前記糸の巻き始めから予め定められた巻取期間、前記番手情報に基づいて前記貯留長さを取得する、請求項4に記載の紡績機。
【請求項6】
前記糸検出装置は、前記糸の糸太さを検出し、
前記取得部は、前記糸検出装置によって検出された前記糸太さに基づいて前記貯留長さを取得する、請求項1~3のいずれか一項に記載の紡績機。
【請求項7】
前記糸検出装置は、光センサを用いて前記糸太さを検出し、
前記糸太さは、前記糸の直径である、請求項6に記載の紡績機。
【請求項8】
前記糸貯留装置は、
前記糸を外周面に巻き付けて貯留可能な糸貯留ローラと、
前記糸貯留ローラの前記外周面に対向配置され、前記外周面の予め定められた検出位置における前記糸の有無を検出する糸貯留量検出センサと、
を備え、
前記取得部は、前記糸貯留量検出センサの検出信号と、前記番手情報及び/又は前記糸太さとに基づいて、前記貯留長さを取得する、請求項4~7のいずれか一項に記載の紡績機。
【請求項9】
前記糸貯留装置は、
前記糸を外周面に巻き付けて貯留可能な糸貯留ローラと、
前記糸貯留ローラに対して回転可能に構成され、前記糸貯留ローラから解舒される糸が掛けられた状態で前記糸貯留ローラと一体的に回転することによって前記糸貯留ローラの前記外周面に前記糸を巻き付ける糸掛け部材と、
前記糸掛け部材の回転状態及び回転方向を検出する回転センサと、
を備え、
前記取得部は、前記回転センサの検出信号と、前記糸貯留ローラの直径とに基づいて、前記貯留長さを取得する、請求項4~7のいずれか一項に記載の紡績機。
【請求項10】
前記糸貯留装置は、
前記糸を外周面に巻き付けて貯留可能な糸貯留ローラと、
前記糸貯留ローラの前記外周面に対向配置され、前記外周面の各位置における前記糸の有無を検出するラインセンサと、
を備え、
前記取得部は、
前記ラインセンサの検出信号に基づいて、前記糸貯留ローラにおいて前記糸が巻かれた部分の巻取幅の単位時間あたりの変化率を取得し、取得した前記変化率に基づいて前記糸の糸太さを取得し、
取得した前記糸太さと、前記ラインセンサにより検出された前記各位置における前記糸の有無とに基づいて、前記貯留長さを取得する、請求項1~3のいずれか一項に記載の紡績機。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、糸を生成し、生成された糸をパッケージに巻き取る紡績機、及び紡績機の制御方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
繊維束を紡績装置において紡績することで糸を生成し、生成された糸を巻取装置においてパッケージに巻き取る紡績機がある。このような紡績機には、紡績装置と巻取装置との間に形成される糸経路の途中に、糸を一時的に貯留可能な糸貯留装置が設けられている。例えば、特許文献1には、糸貯留装置を備える紡績機が記載されている。
【0003】
特許文献1に記載された紡績機には、糸走行方向において糸貯留装置よりも下流側に、吸引装置が設けられている。糸貯留装置よりも上流側において糸欠陥が検出されると、糸欠陥は、吸引装置によって吸引されて除去される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-189204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した吸引装置を備える紡績機には、吸引装置の吸引動作を補助する吸引補助部材が設けられている。例えば、糸貯留装置における糸の貯留量が多い状態で吸引補助部を動作させて吸引装置によって糸欠陥の吸引を行うと、糸欠陥と共に吸引される糸量が多くなり、糸の廃棄量が増加する。一方、糸貯留装置における糸の貯留量が少ない状態で吸引補助部を動作させて吸引装置によって糸欠陥の吸引を行おうとすると、例えば、吸引動作が間に合わない等によって、糸欠陥を吸引するこができないことが考えられ得る。
【0006】
そこで、本発明は、吸引装置によって糸欠陥を吸引して除去しつつ、糸欠陥と共に廃棄される糸量を削減することが可能な紡績機、及び紡績機の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る紡績機は、[1]「繊維束を紡績することにより糸を生成する紡績装置と、前記紡績装置により生成された前記糸を巻き取ってパッケージを形成する巻取装置と、前記紡績装置と前記巻取装置との間に形成される糸経路の途中に配置される糸貯留装置と、糸走行方向において前記糸貯留装置よりも上流側に配置され、前記糸の糸欠陥を検出する糸検出装置と、前記糸欠陥が検出された以降の予め定められた取得時点における、前記糸貯留装置の前記糸の貯留長さを取得する取得部と、前記糸走行方向において前記糸貯留装置よりも下流側で前記糸を吸引可能な吸引装置と、前記吸引装置における前記糸の吸引を補助する吸引補助動作が可能な吸引補助部材と、前記紡績装置、前記巻取装置、及び前記吸引補助部材のそれぞれの動作を制御する動作制御部と、を備え、前記動作制御部は、前記糸検出装置による前記糸欠陥の検出に伴って前記紡績装置による前記糸の生成を停止させ、前記取得部により取得された前記貯留長さに基づいて、前記巻取装置における前記糸の巻き取りを停止する停止タイミングと、前記吸引補助部材において前記吸引補助動作を開始する動作タイミングと、を制御する、紡績機。」である。
【0008】
この紡績機は、糸欠陥が検出された以降の予め定められた取得時点における、糸貯留装置の糸の貯留長さを取得することができる。貯留長さが取得できるため、紡績機は、糸貯留装置に貯留されている糸について、パッケージに巻き取り可能な糸の長さ、及び除去すべき糸欠陥の位置を取得できる。これにより、紡績機は、吸引装置によって糸欠陥を吸引して除去しつつ、糸欠陥と共に廃棄される糸量を削減することができる。
【0009】
上記の紡績機は、[2]「前記動作制御部は、前記取得部により取得された前記貯留長さが長い場合は、前記貯留長さが短い場合に比べて、前記停止タイミング及び前記動作タイミングを遅くする、上記[1]に記載の紡績機。」であってもよい。例えば、糸貯留装置に貯留されている糸の貯留長さが長い場合は、貯留長さが短い場合に比べて、糸検出装置による糸欠陥の検出後からパッケージの回転停止までの期間における、巻取装置による糸の巻き取り長さを長くすることができる。また、この場合、糸貯留装置上の糸欠陥が吸引装置に到達するまでに時間が掛かる。このため、動作制御部は、貯留長さが長い場合は、貯留長さが短い場合に比べて、巻取装置の停止タイミング及び吸引補助部材の動作タイミングを遅くする。これにより、紡績機は、貯留長さに応じて、停止タイミング及び動作タイミングを適切に制御することができる。
【0010】
上記の紡績機は、[3]「前記動作制御部は、前記巻取装置における前記糸の巻取速度に基づいて、前記巻取速度が速い場合は、前記巻取速度が遅い場合に比べて、前記停止タイミング及び前記動作タイミングを早くする、上記[1]又は[2]に記載の紡績機。」であってもよい。例えば、巻取装置の巻取速度が速い場合は、巻取速度が遅い場合に比べて、巻き取りによる糸の移動速度が速い。このため、動作制御部は、巻取装置の巻取速度が速い場合は、巻取速度が遅い場合に比べて、巻取装置の停止タイミング及び吸引補助部材の動作タイミングを早くする。これにより、紡績機は、巻取速度に応じて、停止タイミング及び動作タイミングを適切に制御することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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