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公開番号2024160032
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-11
出願番号2023075330
出願日2023-04-29
発明の名称上空大気中の大気汚染物質の捕集方法と捕集システム
出願人個人
代理人
主分類G01N 1/02 20060101AFI20241101BHJP(測定;試験)
要約【課題】上空大気中で捕集された大気汚染物質の測定結果の空間分布を様々な領域、時間において高い空間分解能で得る。
【解決手段】無人飛行体(ドローン)は、ドローンD01、D01およびD01’、ドローンD02、D02およびD02’に大別される。ドローンには大気中の水銀等を測定する固体吸着剤とマウント部及び気象センサ類が搭載され、これらのドローンの3次元空間における位置は、基地局(観測者)からの指令によって操作される。基地局は、ドローンと通信を行い、上空の任意の2点間の鉛直高度で周回軌道と鉛直・水平方向へ自由に移動させながら3次元空間の捕集対象の大気汚染物質を吸引捕集し、同時に気象センサ類による観測を行う。
【選択図】図8
特許請求の範囲【請求項1】
上空大気における大気汚染物質を捕集する方法であって、遠隔操作により飛行できる無人飛行体と、無人飛行体に装脱着可能な大気汚染物質の吸引捕集部とマウント部を備えた1台または複数台の探査機を上空の任意の高度で保持又は任意の範囲で移動させ、上空の大気汚染物質の捕集と気象情報の計測とを同時に行う、大気汚染物質の捕集方法と捕集システム。
続きを表示(約 840 文字)【請求項2】
前記吸引捕集部の公知の固体吸着剤と吸引エアポンプとを用いる大気汚染物質の捕集において、固体吸着剤の内部又は前記気象情報の計測センサに直接風雨雪等の侵入を防ぐ軽量な覆い(カバー)で、前記固体吸着剤の大気開口側の先端部分又は前記計測センサを覆って用いられることを特徴とする請求項1に記載の大気汚染物質の捕集方法と捕集システム。
【請求項3】
前記吸引エアポンプに接続された固体吸着剤の固定・保護および容易に遮光可能なホルダを具備し、前記無人飛行体に装脱着可能なマウント部であって、マウント部を前記無人飛行体に固定して用いられることを特徴とする請求項1に記載の大気汚染物質の捕集方法と捕集システム。
【請求項4】
前記吸引エアポンプと前記気象情報の計測センサ類を固定・保護して収納し、前記無人飛行体に容易に装脱着可能な軽量・防水性等を有するケースであって、当該ケース外から取り入れた大気に含まれる大気汚染物質の捕集動作を行うことを特徴とする、請求項1に記載の大気汚染物質の捕集方法と捕集システム。
【請求項5】
前記大気汚染物質は、大気中の水銀であることを特徴とする請求項1に記載の大気汚染物質の捕集方法と捕集システム。
【請求項6】
前記固体吸着剤において、前記上空の大気汚染物質の所定量を破過することなく公知の方法よりも高流量で固体吸着剤に吸引捕集すること、吸引捕集された前記大気汚染物質の機器分析値が前記公知の方法で吸引捕集された機器分析値と同等精度であることを特徴とする、請求項1又は請求項5に記載の大気汚染物質の捕集方法と捕集システム。
【請求項7】
前記探査機の吸引捕集部の固体吸着剤において、前記探査機の複数回の飛行により、同一の固体吸着剤に同種の大気汚染物質の所定量を繰り返して吸引捕集することを特徴とする、請求項1又は請求項5に記載の大気汚染物質の捕集方法と捕集システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、上空の一点または複数点における捕集対象の大気汚染物質を、地上等の低所にいながら安全・迅速・容易かつ低コストで、精度よく観測できる大気汚染物質の捕集方法と捕集システムに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
非特許文献1によれば、大気汚染の常時監視は、都道府県等において継続的に大気汚染に係る測定を実施することにより、かつては緊急時対策や環境基準の適否判断の資料とすることに重点が置かれていた。現在では、環境影響評価、広域的汚染のメカニズム解明、環境基本計画等の策定のための基礎資料とするなど活用範囲が広がっているとされている。こうした大気汚染の常時監視は、従来、一般環境大気測定局と自動車排出ガス測定局や特定地点における各種観測等が行われ、これらの調査又は観測では固定点又は固定点観測を補完する短期間の移動観測が行われてきたが、いずれも地上付近で観測が行われた。
【0003】
大気中に放出された大気汚染物質は気象条件、例えば風速や気温等の影響により濃度が変動する。大気汚染物質の種類によっては地上と上空の行き来を繰り返しながら時間経過とともに濃度が変動したり、越境して広範囲に広がったりする場合があり、その汚染のメカニズム解明のためには、地上だけでなく、上空の3次元空間(鉛直・水平方向)の濃度や時間の変化を観測することが必要であった。
【0004】
また、上空の大気汚染物質の観測をしようとすると、比較的高空では航空機による観測が行われ、比較的低空ではビルの屋上や鉄塔等で観測が行われる場合があるが、これらの観測には多数の人員・コストがかかり、ビルの屋上や鉄塔等における高所作業では安全配慮が必要であった。
【0005】
地上や上空における公知のガス捕集装置による捕集方法として、特許文献1は、給電設備がない地上の観測場所であっても、大気に含まれる特定の捕集対象ガスを長期間にわたり継続して捕集できることを紹介している。特許文献1は、大気に含まれる捕集対象ガスを捕集するためのガス捕集部と、ガス捕集部を通じて大気を吸引するためのエアポンプと、大気の吸引動作を所定の捕集期間にわたり継続して行わせるようにエアポンプを駆動制御する吸引制御部と、この吸引制御部とエアポンプとに電力を供給する電源部とをケース内に収容し、かつ、当該ケース外から取り入れた大気に含まれる捕集対象ガスの捕集動作を行うことを特徴とする。特許文献2は、上空における大気採取装置であり、航空機に大気中に開口するガス採取器を具えたガス捕集器を取り付けたことを特徴とする上空大気の採取装置であり、例えば地上約3000mまでの比較的高空の大気を採取して気体中の対象ガス、例えばオキシダント、オゾン、窒素酸化物等を連続もしくは間欠的にその捕集に続いて測定を行うことができることを特徴とする。非特許文献2は、例えば吸引捕集用のポンプを用いて一定流量かつ一定時間、例えば数mLから数百mL程度で24時間をかけて主に揮発性の大気汚染物質を固体吸着剤に吸引捕集することが行われており、低流量で時間をかけて実施された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2009-128054号公報
公開実用昭和54-1121871号公報
環境大気常時監視マニュアル第6版、環境省水・大気環境局
有害大気汚染物質等測定方法マニュアル、環境省水・大気環境局大気環境課
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載の技術においては、捕集装置の本体重量が約15kgであり、上空大気の高所における観測、例えばビルの屋上や鉄塔等に前記捕集装置を設置し、頻繁に観測に使うには可搬性に課題があること、前記捕集装置を複数の観測地点で同時に使用した場合には、その運搬にかかる人員・コスト増も避けられないこと、ビルや鉄塔が観測地点近傍にない場合の観測は困難であり、近傍にあったとしても観測に適した高度が得られるとは限らないこと等が想定される。また、前記捕集装置を遠隔操作により飛行できる無人飛行体に搭載した場合、積載重量の制限により、飛行困難又は飛行可能でも短時間しか飛行できず、捕集対象の大気汚染物質の分析に必要な所定の捕集量を捕集できない可能性がある。
【0008】
特許文献2に記載の技術においては、ガス捕集装置を航空機内外に搭載可能であり、高空の大気を航空機で移動しながら比較的広範囲に分布する大気汚染物質を吸引捕集可能である。しかし、一度機体の内外に固定されると、その取り外しは容易ではないことが想定される。航空機観測のフライト費用や人員にかかるコストは、ビルの屋上や鉄塔等での観測に比べて高く、複数の観測地点で同時観測する場合や、捕集対象の大気汚染物質の濃度が時間経過とともに大きく変動する場合に、時間分解能の高い頻繁な観測の実施は容易ではないこと等が想定される。さらに、航空機は航空可能な空域のみでしか飛行できないため、目的とする観測地点で観測ができない場合も想定される。
【0009】
非特許文献2に記載の技術においては、小型のエアポンプを用いて低流量で時間をかけて大気汚染物質の捕集が行われるため、遠隔操作により飛行できる無人飛行体に捕集システムを搭載した場合、1回の飛行では捕集対象の大気汚染物質の分析に必要な所定の捕集量を捕集できない可能性がある。
【0010】
このため、上空の一点または複数点の大気汚染物質を地上等の低所にいながら、安全・迅速・容易かつ低コストで、精度よく観測できる方法とシステムが求められた。
(【0011】以降は省略されています)

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