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公開番号2024103547
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-01
出願番号2024083379,2022031731
出願日2024-05-22,2017-06-28
発明の名称免疫療法向けのT細胞組成物
出願人ジーニアス・バイオテクノロジー・インコーポレイテッド
代理人個人,個人,個人
主分類C12N 5/0783 20100101AFI20240725BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】従本発明は、養子免疫療法に有用な、選択された抗原に対し反応性の不均質なT細胞集団を含む組成物、及びこのようなT細胞組成物を作製する方法に関する。
【解決手段】本発明は、1つ以上の標的抗原に対し反応性のT細胞が豊富化された、養子細胞療法に有用な組成物を作製する方法を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
T細胞を含む組成物を作製する方法であって、以下ステップ:
(a)T細胞を含む初期細胞集団を得ることと、
(b)前記細胞集団を1つ以上の標的抗原及びサイトカインに曝露することにより、T細胞を刺激することと、
(c)前記細胞集団をサイトカインを含む培地中で培養することと、
(d)前記細胞集団の抗原特異的反応性を試験することと、
(e)前記得られたT細胞を含む組成物を採取することと
を含む、前記方法。
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
前記初期細胞集団において、総T細胞(CD3+)、CD8+、及びCD4+ T細胞、単球、B細胞、ならびにNK細胞の量を試験することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記細胞集団の抗原特異的反応性を試験することが、フローサイトメトリーによる活性化マーカーの検出、細胞内サイトカイン染色による抗原誘導サイトカイン産生量の測定、ELISA、またはELISPOTを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ステップ(b)及び(c)における前記サイトカインが、個別に、IL-2、IL-7、IL-15、及びIL-21のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ステップ(b)及び(c)における前記サイトカインが、個別に、IL-7及びIL-15を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記方法が、ステップ(b)を繰り返すことをさらに含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記方法が、前記細胞集団中の前記T細胞のポリクローナル刺激をさらに含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記ポリクローナル刺激が、ステップ(c)の後に、前記細胞集団をCD3、CD28、及びCD2に結合する四量体抗体に曝露することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記細胞集団が複数のサブ集団に分割され、その各々が異なる標的抗原への曝露により刺激される、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記複数のサブ集団が、ステップ(c)の前に組み合わされる、請求項9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、養子免疫療法に有用な、選択された抗原に対し反応性の不均質なT細胞集団を含む組成物、及びこのようなT細胞組成物を作製する方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
ヒトの免疫系が最初に抗原に接してから何日かの期間にわたり、T細胞集団は抗原の生成を認識し、これらのT細胞はその抗原に対するその後の応答の性質を決定する。T細胞による抗原認識及び特異性は、細胞表面に発現するT細胞受容体(TCR)の構造的特徴によって付与される。1つのT細胞は、特異的な主要組織適合複合体、すなわちMHCと組み合わせて提示される1つの抗原に結合することができるTCRを有する。そのため、T細胞の抗原特異性は、細胞が示す特異的なTCRの存在及び機能によって特徴づけられる。複数のサブタイプの関与細胞が存在する一方、概して、出現するT細胞は、様々な細胞表面マーカー(CD4+:TH1、TH2、Treg、T濾胞性ヘルパー、TH17、TH22、TH9;CD8+:CTLなど)により特性決定され、細胞または液性免疫応答の結果は、これらの異なる細胞サブタイプの機能によるものである。加えて、集団におけるT細胞のある特定のサブセットは免疫抑制的であり(例えば、Treg、TH17、アネルギー化T細胞)、これらの存在は免疫寛容を誘導し得る。
【0003】
早くも1990年代には、ex vivoで増大された抗原特異的T細胞の養子移入がCMV及びEBVに対し免疫を付与することが示された(Riddell et al.Science 1992;257:238)(Rooney et al.Blood 1998;92:1549-55)。しかし、腫瘍進行の過程で、腫瘍に対する免疫応答が、腫瘍退縮の促進に効果のない少数の「ドミナント」抗原に集中するようになった。ex vivoで増大されたT細胞を免疫療法に使用する過去の試みでは、腫瘍関連のドミナントな抗原反応性T細胞が誤って増大され、結果の非一貫性につながった。
【0004】
Kawakami et alによる研究では、ほとんどの黒色腫患者が、ヒトメラニン細胞特異的抗原(MART-1/メランA)に対し細胞傷害性Tリンパ球(CTL)活性を示したが、もう1つの腫瘍関連抗原gp100に対し活性を示す患者は少数に過ぎなかった。腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を養子療法に使用した場合、腫瘍退縮は、gp100反応性T細胞との相互関連はあったが、MART-1反応性T細胞との相互関連はなかった。(Kawakami Y.et al.,J.Immunol.1995,154(8):3961-8)。別の研究では、がん抗原を有する黒色腫患者の免疫処置により循環CD8+ CTLの数が増加したが、腫瘍退縮との相互関連はなかった(Rosenberg et al.,1998,Nature Medicine 4:321)。
【0005】
このような非一貫性は、腫瘍の微小環境が複雑であり、腫瘍の微小環境が、主に、T細胞の細胞傷害性効果を下方制御することにより腫瘍生存を促進するという事実に関係する。制御性T細胞(すなわちTreg)媒介の免疫寛容原性応答が発生し、これは主に、免疫優性腫瘍抗原を認識する、高存在量、高結合活性を示す腫瘍浸潤T細胞に対し向けられることが多い。加えて、抗原の損失は、腫瘍が免疫反応性を逃れる手段をもたらし得る。したがって、腫瘍から単離されたT細胞(例えば、TIL)を高い抗原認識及び増大のためにex vivoで選択し、患者に再注入する場合、当該細胞はほとんどの場合、ドミナントな腫瘍抗原(複数可)に向けられ、腫瘍負荷の一時的な低減をもたらすにとどまる。このような腫瘍は、処置レジメンで複数の抗原標的化T細胞集団を使用した場合であっても、以後の投与に対し抵抗性を有する可能性がある(Rosenberg et al.,J.Immunother.2003,26(5):385-393)。また、先行研究では、養子T細胞療法の利点は、事前のリンパ枯渇処理(lymphodepletion)で抑制的なリンパ球機能を打ち消すことにより増強されることが指摘されている。過去の事例では、化学療法で予め宿主の条件を整えることで、後続の免疫療法に対する応答が増大した(Dudley M.E.et al.,Science.2002,Oct 25;298(5594):850-4;Dudley M.E.et al.,J.Clin.Oncol.,2005,Apr 1;23(10):2346-57);(米国特許第8,034,334号)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
米国特許第8,034,334号
【非特許文献】
【0007】
Riddell et al.Science 1992;257:238
Rooney et al.Blood 1998;92:1549-55
Kawakami Y.et al.,J.Immunol.1995,154(8):3961-8
Rosenberg et al.,1998,Nature Medicine 4:321
Rosenberg et al.,J.Immunother.2003,26(5):385-393
Dudley M.E.et al.,Science.2002,Oct 25;298(5594):850-4
Dudley M.E.et al.,J.Clin.Oncol.,2005,Apr 1;23(10):2346-57
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、より良好な養子T細胞療法が依然必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様において、本発明は、1つ以上の標的抗原に対し反応性のT細胞が豊富化された、養子細胞療法に有用な組成物を作製する方法を提供する。一実施形態において、本発明は、T細胞を含む組成物を作製する方法であって、以下ステップ:
(a)T細胞を含む初期細胞集団を得ることと、
(b)細胞集団を1つ以上の標的抗原及びサイトカインに曝露することにより、T細胞を刺激することと、
(c)細胞集団をサイトカインを含む培地中で培養することと、
(d)細胞集団の抗原特異的反応性を試験することと、
(e)得られたT細胞を含む組成物を採取することと
を含む、方法を提供する。
【0010】
一実施形態において、T細胞を含む初期細胞集団は、患者血液からの末梢血単核球(PBMC)である。一実施形態において、初期細胞集団は凍結され、当該方法の開始前に解凍される。一実施形態において、当該方法は、初期細胞集団において、総T細胞(CD3+)と、CD8+及びCD4+ T細胞、単球、B細胞、ならびにNK細胞の量とを試験することをさらに含む。
(【0011】以降は省略されています)

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