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公開番号2024103494
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-01
出願番号2024074429,2021042290
出願日2024-05-01,2017-05-25
発明の名称治療的ポリペプチドを含むエクソソーム
出願人エヴォックス・セラピューティクス・リミテッド,オックスフォード・ユニバーシティ・イノベーション
代理人個人,個人,個人
主分類C12N 5/10 20060101AFI20240725BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】1つには、標的細胞へのタンパク質生物物質の送達に関連する上で特定した問題を克服し、当業者における既存の必要性を満たす、例えば抗体若しくは細胞内抗体、酵素補充療法のための酵素若しくは遺伝子編集酵素、又は標的細胞若しくは標的組織において生物活性効果を有することを意図する他の任意の型のポリペプチドが、細胞内標的に届くことを可能にすること。
【解決手段】本発明は、細胞外小胞(EV)に媒介される治療的ポリペプチドの細胞内及び膜内送達のための独創的な放出メカニズムに関係する。より具体的には、本発明は、エクソソームポリペプチドに放出可能に結合している治療的ポリペプチドを含むポリペプチド構築物を含むEVに関する。更に、本発明は、製造方法、医薬組成物、医薬における使用及び適用、並びに本発明のEVに関する他の様々な実施形態に関係する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(i)少なくとも1つの対象のポリペプチド(PoI);
(ii)少なくとも1つのエクソソームポリペプチド;及び
(iii)ポリペプチドに基づく放出系、
を含む少なくとも1つのポリペプチド構築物を含む細胞外小胞(EV)であって、
前記ポリペプチドに基づく放出系が、内在的活性化により前記少なくとも1つのエクソソームポリペプチドから前記少なくとも1つのPoIを放出する、EV。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記ポリペプチドに基づく放出系が、シス切断性放出系又は核局在化シグナル(NLS)-核局在化シグナル結合タンパク質(NLSBP)(NLS-NLSBP)放出系から選択される、請求項1に記載のEV。
【請求項3】
前記PoIが、抗体、細胞内抗体、一本鎖可変断片、アフィボディ、例えば酵素補充療法又は遺伝子編集のための酵素、腫瘍抑制剤、ウイルス又は細菌阻害剤、細胞成分タンパク質、DNA及び/又はRNA結合タンパク質、DNA修復阻害剤、ヌクレアーゼ、プロテイナーゼ、インテグラーゼ、転写因子、成長因子、アポトーシス阻害剤及び誘導物質、毒素、構造タンパク質、神経栄養因子、膜輸送体、ヌクレオチド結合タンパク質、熱ショックタンパク質、CRISPR関連タンパク質、並びにその任意の組合せを含む群から選択される治療的ポリペプチドである、請求項1又は2に記載のEV。
【請求項4】
前記エクソソームポリペプチドが、CD9、CD53、CD63、CD81、CD54、CD50、FLOT1、FLOT2、CD49d、CD71、CD133、CD138、CD235a、ALIX、シンテニン-1、シンテニン-2、Lamp2b、TSPAN8、TSPAN14、CD37、CD82、CD151、CD231、CD102、NOTCH1、NOTCH2、NOTCH3、NOTCH4、DLL1、DLL4、JAG1、JAG2、CD49d/ITGA4、ITGB5、ITGB6、ITGB7、CD11a、CD11b、CD11c、CD18/ITGB2、CD41、CD49b、CD49c、CD49e、CD51、CD61、CD104、テトラスパニン、Fc受容体、インターロイキン受容体、免疫グロブリン、MHC-I又はMHC-II成分、CD2、CD3ε、CD3ζ、CD13、CD18、CD19、CD30、CD34、CD36、CD40、CD40L、CD44、CD45、CD45RA、CD47、CD86、CD110、CD111、CD115、CD117、CD125、CD135、CD184、CD200、CD279、CD273、CD274、CD362、COL6A1、AGRN、EGFR、GAPDH、GLUR2、GLUR3、HLA-DM、HSPG2、L1CAM、LAMB1、LAMC1、LFA-1、LGALS3BP、Mac-1α、Mac-1β、MFGE8、SLIT2、STX3、TCRA、TCRB、TCRD、TCRG、VTI1A、VTI1B、及び他のエクソソームポリペプチドを含む群から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載のEV。
【請求項5】
前記EVが、少なくとも1つの対象のポリヌクレオチドを更に含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のEV。
【請求項6】
前記対象のポリヌクレオチドが、RNA結合PoI又はDNA結合PoIとの相互作用によって前記EVに輸送される、請求項5に記載のEV。
【請求項7】
少なくとも1つのPoIを含むEVであって、前記PoIが、ポリペプチドに基づく放出系の内在的活性化によって少なくとも1つのエクソソームポリペプチドから放出されたものである、EV。
【請求項8】
前記EVが、対象のポリヌクレオチドを更に含む、請求項7に記載のEV。
【請求項9】
前記EVが、少なくとも1つの標的化部分を更に含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のEV。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載のEVを製造する方法であって、
i.少なくとも1つのPoI、内在的に活性化可能なポリペプチドに基づく放出系、及び少なくとも1つのエクソソームポリペプチドを含む少なくとも1つのポリペプチド構築物をコードする少なくとも1つのポリヌクレオチド構築物を、EV産生細胞に導入する工程と;
ii.前記少なくとも1つのポリヌクレオチド構築物によりコードされる少なくとも1つのポリペプチド構築物を、前記EV産生細胞中で発現させる工程と;
iii.前記EV産生細胞からPoIを含むEVを回収する工程と
を含む、方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、細胞外小胞(EV)治療物質に関係し、EVは、少なくとも1つの対象のポリペプチド(PoI)を含む。
続きを表示(約 3,900 文字)【背景技術】
【0002】
本発明の背景
抗体とその抗原、又は更に言えばタンパク質に基づくバイオ医薬品の任意の型とその標的の間の優れた特異性は、治療的介入に理想的な基礎である。しかしながら、抗体及びタンパク質生物学の治療上の使用は、細胞内環境への大きい分子種の接近が非常に制限されるため、細胞外標的に限定されている。様々な媒体が、細胞内部への治療的ポリペプチドの送達のために開発中であり、最近の研究は、例えば細胞貫通性ペプチド(例えばDinca et al., Int J Mol Sci, 2016により概説されている)及び既存の輸送経路を標的する二重特異性抗体(Yu et al., Sci Trans Med, 2014)の実用性を示した。
【0003】
有望な特許出願WO2013/084000では完全に異なる手法が採用され、その特許出願は、バイオ治療物質を細胞内送達するためのエクソソームの使用について開示している。より具体的には、WO2013/084000は、いかにしてポリペプチドに基づく治療物質を、外来的(exogenous)及び内在的(endogenous)搭載技術の両方によりエクソソーム内に搭載できるかについて開示している。エクソソームの外来的搭載は、親細胞から単離した後のエクソソーム内への対象のポリペプチドのエレクトロポレーション又はトランスフェクションを使用して実施し得るが、内在的搭載は、対象のポリペプチドをコードする構築物による親細胞のトランスフェクション、それに続く構築物の過剰発現及び生物治療的ポリペプチドを含むエクソソームの採取に基づく。
【0004】
別の画期的な特許出願(WO2014/168548)は、少なくとも1つの治療的ポリペプチドに融合した少なくとも1つの担体ポリペプチドを含むポリペプチド構築物を膜に結合させ、そのポリペプチド構築物が小胞外部環境に提示されるように小胞の外側に少なくとも部分的に存在する、エクソソーム等の治療的送達小胞を開示している。他の特許出願は、WO2015/138878、ヘパリン結合上皮成長因子(HB-EGF)の場合等、タンパク質生物物質の送達にエクソソームを使用することを試みている。
【0005】
しかしながら、特定の細胞内標的と相互作用することを目的とする生物活性タンパク質生物物質、特に抗体/細胞内抗体及び他のポリペプチドの成功した細胞内送達は、対象の治療的ポリペプチドが、自由な、コンジュゲートされていない形態で、高効力で送達されることをしばしば必要とする。単離後のエクソソームの外来的搭載は、ポリペプチドの搭載においてしばしば扱いにくく、効果的でない戦略であり、同様に先行技術の内在的搭載戦略は、腔内EV搭載が非効率的であるか又は対象のポリペプチド(PoI)が生物活性があるコンジュゲートしていない形態で存在しないかのいずれかであることを暗に示している。最近、WO2016/178532において、タンパク質を保有するEVを作製する光遺伝学的方法であって、2つの複合二量体光遺伝学的構築物が親細胞に導入される方法が説明されている。外来的に適用された光曝露のために、2つの異なる光遺伝学的タンパク質が結合し、光曝露を止めるとタンパク質は解離する。この方法は、エクソソームにタンパク質を輸送し、その後エクソソーム輸送体からタンパク質を放出させるために、光源に生物材料を非常に長時間曝露することが必要である。その結果、この方法は、拡張性に伴う問題、潜在的な毒性問題を被っており、更に、長時間にわたる光の外来的適用に一部起因して、実施に手間がかかる。更に、二量体構築物は、複数のベクターが必要であり、タンパク質間の不完全な会合及び解離のリスクに加えて、タンパク質ミスフォールディング、毒性タンパク質凝集及び翻訳エラーのリスクが実質的に増大することを意味する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
WO2013/084000
WO2014/168548
WO2015/138878
WO2016/178532
【非特許文献】
【0007】
Dinca et al., Int J Mol Sci, 2016
Yu et al., Sci Trans Med, 2014
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の概要
標的細胞へのタンパク質生物物質の送達に関連する上で特定した問題を克服し、当業者における既存の必要性を満たす、例えば抗体若しくは細胞内抗体、酵素補充療法のための酵素若しくは遺伝子編集酵素、又は標的細胞若しくは標的組織において生物活性効果を有することを意図する他の任意の型のポリペプチドが、細胞内標的に届くことを可能にすることが、それ故本発明の目的である。本発明は、少なくとも1つの対象のポリペプチド(PoI)/タンパク質を含むエクソソーム又は他の任意の型のEVに基づく、細胞外小胞(EV)に基づく治療物質であって、PoIが、内在的に活性化可能なポリペプチドに基づく放出系から放出され、標的細胞、例えば標的細胞の適切な細胞区画又はオルガネラへ特異的にその後送達される治療物質を活用することによりこれを達成する。本発明の放出系は、エクソソームポリペプチドとPoIの内在的に活性化可能で放出可能な結合を可能にするドメインとの融合タンパク質に基づき、このことは、PoIが、内在的活性化トリガーによって1つ以上の、例えばEVの内腔、EVの膜、又は標的細胞若しくは標的組織の任意の区画若しくはオルガネラ内に放出され得ることを意味する。重要なことに、ポリペプチドに基づく放出ドメインの内在的活性化は、本方法が高い拡張性があり、生物材料が潜在的に毒性の外来的刺激又は条件に非常に長期間曝露される間に追加の工程を全く含有せず、治療的プラットホーム全体で移動可能であることを意味する。どんな原理に束縛されるものでもないが、内在的活性化は、例えばpHの低下、結合パートナーとの競合、及びポリペプチドに基づく放出ドメインの活性化によりPoIの放出の起動を促し得る細胞生物学的条件の一般に任意の変化の結果であり得ると推測される。
【0009】
コンジュゲートしていない対象の治療的ポリペプチドを内腔又はEVの膜内に送達するこの非常に精巧な手法は、細胞内環境及び/又は標的細胞の任意の型の細胞性膜構造(原形質膜、核、リソソーム若しくは小胞体[ER]等のオルガネラの膜又は他の任意の型の膜区画等)への治療的対象の生物活性ポリペプチドの極めて効率的な送達を可能にする。従って本発明は、例えば任意の型のタンパク質若しくはペプチドを導入又は置きかえるための、ポリペプチドの細胞内及び/又は膜内送達の任意の型に適用され得る。非限定的な例は、例えば、リソソーム蓄積症等の遺伝的異常を含めた疾患において存在しない若しくは不活性である酵素或いは置き換える又は標的中に一層高濃度で存在する必要がある任意の型の細胞内若しくは膜内在性タンパク質(integral membrane protein)であり得る。更なる非限定的な例として、本発明はがんの処置に非常に有用であり、本発明のEVは、細胞内環境にp53若しくはp21等の腫瘍抑制タンパク質(又はそのバリアント若しくは誘導体)又は腫瘍形成経路に結合し、阻害する任意の型のポリペプチド(細胞内抗体又は抗体等)を導入することに活用できる。更に他の非限定的な例は、炎症反応をモジュレートする若しくは組織修復を誘導するために転写因子若しくはシグナル伝達経路成分を送達する、又はそれ自体が治療活性を付与できる一本鎖若しくは二本鎖RNAを保有できるRNA結合タンパク質を送達することを含む。
【課題を解決するための手段】
【0010】
従って、本発明は、少なくとも1つのPoIを含むEVにとりわけ関係し、少なくとも1つのPoIは、内在的に活性化可能な放出系を介してエクソソームポリペプチドに結合している。従って本発明は、明確に言えば、放出系によりEVの内腔及び/又はEVの膜内に放出されたPoIを含むEV並びに内在的に活性化可能なポリペプチドに基づく放出系に放出可能な方式でなお結合しているPoIを含むEVの両方に関する。本発明のポリペプチド構築物(対象のポリペプチド、ポリペプチドに基づく内在的に活性化可能な放出ドメイン及びエクソソームポリペプチドを含む)のモジュラリティーは、コンジュゲートされていないPoIを送達するためのEVの高度に制御可能な内在的産生を可能にする(上述の通り、可溶性PoIとして又は膜結合PoIとして、PoIは外部環境若しくは内部環境又は膜貫通様式で両方に面し得る)。これは、エクソソームタンパク質に永久にコンジュゲートされているPoI又はいかなるエクソソームポリペプチドも用いることなくEVに搭載されるPoI又は外来的光源への非常に長期の曝露の結果としてEVに輸送され、放出されるPoIのいずれかの内在的搭載についてしか記述していない先行技術と完全に対照的であり、このことは、搭載及び製造過程が、本発明の搭載及びEV製造と比較して極めて非効率的であり、扱いにくく、拡張性がなく及び/又は潜在的に毒性であることを意味する。
(【0011】以降は省略されています)

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