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公開番号
2024098008
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-07-19
出願番号
2024079557,2020525651
出願日
2024-05-15,2019-06-13
発明の名称
免疫チェックポイント阻害療法を促進するための組成物
出願人
株式会社明治
代理人
弁理士法人特許事務所サイクス
主分類
C12N
1/20 20060101AFI20240711BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】CCR6陽性CD8+T細胞を増加させるための組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】乳酸菌の菌体外多糖を含む、CCR6陽性CD8+T細胞を増加させるための組成物を提供する。乳酸菌の好ましい例は、Lactobacillus属細菌である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ラクトバチルス属に分類される乳酸菌の菌体外多糖を含む、CCR6陽性CD8+T細胞を増加させるための組成物。
続きを表示(約 550 文字)
【請求項2】
前記菌体外多糖が、乳を乳酸菌により発酵して得られる菌体外多糖である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記菌体外多糖が、発酵乳またはその処理物として含まれる、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記処理物が、粗精製物、培養濾液、培養上清液、培養濾液濃縮物、培養上清液濃縮物、濃縮物の乾燥物から選択される1以上である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
乳酸菌が、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリクスに分類されるものである、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
医薬組成物または食品組成物である、請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
発酵乳または治療食である、請求項1~6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
ラクトバチルス属に属する乳酸菌の菌体外多糖を用いる、CCR6陽性CD8+T細胞を増加させる方法(ヒトに対する医療行為を除く。)。
【請求項9】
乳酸菌が、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリクスに分類されるものである、請求項8に記載の方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、免疫チェックポイント阻害療法を促進するための、乳酸菌の培養物を含有する組成物に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)
【背景技術】
【0002】
多くの腫瘍では免疫系からの攻撃を回避するために、免疫チェックポイント分子による免疫抑制機能を利用していることが分かっている。免疫チェックポイント阻害療法は、免疫チェックポイント分子による免疫抑制シグナルの伝達を阻害することでT細胞を含む免疫細胞の活性化抑制を解除し、患者の免疫活性を高めて抗腫瘍効果をあげる療法である。これまでに、免疫チェックポイント阻害薬として、PD-1(Programmed Death-1)阻害抗体薬やCTLA-4(CytotoxicT-lymphocyte-associatedantigen4)阻害抗体薬などが、特定の腫瘍に対して認可を受けている。
【0003】
免疫チェックポイント阻害剤は他の有効成分と組み合わせて用いることも検討されている。例えば、特許文献1は、癌の処置のための1つ以上の抗癌抗体と特定の免疫アジュバンド化合物の組み合わせを開示するが、この組み合わせ組成物が、さらに免疫抑制機能を遮断する抗体と組み合わせて投与できることを記載している。また特許文献2は、免疫チェックポイント阻害剤と、組合せて、逐次的に、または別々に投与することにより、腫瘍の治療に使用される化合物として、直鎖状配列で9個のアミノ酸からなるペプチドを開示する。さらに特許文献3は、骨髄由来抑制細胞(MDSC)の非抑制細胞への分化によって改善または予防できる任意の病態の治療に使用するための、シグナル調節タンパク質アルファ(SIRPa)とそのリガンドのうちの少なくとも1つとの間の相互作用を遮断する化合物(例えば、抗SIRPa抗体)が第二治療薬に併用されることを開示する。そして第2治療薬としては、化学療法剤、放射線療法、手術、免疫療法剤、抗生物質およびプロバイオティックスから成る群から選択できることが記載されている。
【0004】
一方、乳酸菌は、その醗酵過程で種々の物質を産生するが、その一つが菌体外多糖(Exopolysaccharides; EPS)である。乳酸菌のEPSにはいくつかの生理活性、例えば、自己免疫疾患予防作用(特許文献4)、NK細胞活性化作用(特許文献5)、肺炎球菌感染予防作用(特許文献6)、疲労感の改善作用(特許文献7)、抗インフルエンザ薬による獲得免疫機能低下抑制作用(特許文献8)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2012-211196号公報
特開2016-128399号公報
特表2017-538669号公報
特開2000-247895号公報
特開2005-194259号公報
国際公開WO2011/065300
国際公開WO2015/133638
国際公開WO2017/183595
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
免疫チェックポイント阻害療法は、患者本来の免疫を賦活させることで腫瘍を退縮させるため、従来の外科的切除や放射線治療と比較して患者の負担は少ない。この療法の効果を促進することができる組成物があれば、一層望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、大腸癌モデルマウスにLactobacillus属細菌(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus OLL1073 R-1)による発酵により調製したヨーグルト、またはその乳酸菌から得た菌体外多糖を経口投与したところ、CTLA-4阻害療法、およびPD-1阻害療法の効果が増強し、腫瘍の増殖の抑制が認められた。また、対象には、より多くのCCR6陽性CD8+T細胞が認められた。このような知見に基づき、本発明を完成した。
【0008】
本発明は、以下を提供する。
[1] 乳酸菌の菌体外多糖を含む、免疫チェックポイント阻害療法を促進するための組成物。
[2] 免疫チェックポイント阻害療法が、CTLA-4(Cytotoxic T-lymphocyte-associated antigen 4)阻害療法、またはPD-1(Programmed Death-1)阻害療法である、1に記載の組成物。
[3] 乳酸菌が、ラクトバチルス属に分類されるものである、1または2に記載の組成物。
[4] 乳酸菌が、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリクスに分類されるものである、1~3のいずれか1項に記載の組成物。
[5] 発酵乳である、1~4のいずれか1項に記載の組成物。
[6] 乳酸菌の菌体外多糖を含む、CCR6陽性CD8+T細胞を増加させるための組成物。
[7] 免疫チェックポイント阻害療法を促進するための非医療的方法であって、有効量の乳酸菌の菌体外多糖を含む組成物を対象に摂取させる工程を含む、方法。
[8] 対象におけるCCR6陽性CD8+T細胞を増加させるための非医療的方法であって、有効量の乳酸菌の菌体外多糖を含む組成物を対象に摂取させる工程を含む、方法。
[9] 乳酸菌の菌体外多糖を用いる、CCR6陽性CD8+T細胞を増加させる方法(ヒトに対する医療行為を除く。)。
【0009】
また、本発明は、以下も提供する。
[10]乳酸菌の菌体外多糖、またはこれを含む組成物を対象に(経口)投与する(摂取させる)工程を含む、対象における免疫チェックポイント阻害療法を促進する方法。
[11]免疫チェックポイント阻害療法を促進するための組成物の製造における、乳酸菌の菌体外多糖の使用。
[12]免疫チェックポイント阻害療法を促進する方法において使用するための、乳酸菌の菌体外多糖、またはそれを含む組成物。
[13]乳酸菌の菌体外多糖、またはそれを含む組成物を対象に(経口)投与する(摂取させる)工程を含む、対象における免疫チェックポイント阻害療法を促進する非治療的方法。
[14]免疫チェックポイント阻害療法を促進するための、乳酸菌の菌体外多糖の使用。
[15]乳酸菌の菌体外多糖、またはこれを含む組成物を対象に(経口)投与する(摂取させる)工程を含む、対象においてCCR6陽性CD8+T細胞を増加させる方法。
[16]CCR6陽性CD8+T細胞を増加させるための組成物の製造における、乳酸菌の菌体外多糖の使用。
[17]CCR6陽性CD8+T細胞の増加方法において使用するための、乳酸菌の菌体外多糖、またはそれを含む組成物。
[18]乳酸菌の菌体外多糖、またはそれを含む組成物を対象に(経口)投与する(摂取させる)工程を含む、対象におけるCCR6陽性CD8+T細胞を増加させる非治療的方法。
[19]CCR6陽性CD8+T細胞を増加させるための、乳酸菌の菌体外多糖の使用。
[20]乳酸菌の菌体外多糖と医薬として許容可能な添加物を配合する工程を含む、免疫チェックポイント阻害療法の促進用、またはCCR6陽性CD8+T細胞の増加用の組成物の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、免疫チェックポイント阻害療法を効果的に促進できる。また本発明によれば、CCR6陽性CD8+T細胞を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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