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公開番号
2024095209
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-07-10
出願番号
2022212320
出願日
2022-12-28
発明の名称
電食防止転がり軸受
出願人
株式会社不二越
代理人
個人
,
個人
主分類
F16C
33/58 20060101AFI20240703BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約
【課題】少量生産での絶縁被膜の形成に適していて、且つ外輪や内輪の絶縁性能を十分に確保し、高い電食防止効果を得ることが可能な電食防止転がり軸受を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明にかかる電食防止転がり軸受(軸受100)の構成は、外輪120と、内輪110と、転動体130と、外輪120の外径面および側面または内輪110の内径面および側面を覆う絶縁カバー140とを備え、絶縁カバー140は、曲げ加工可能な芯材142と、芯材142のうち外輪側の面(第1面142a)または内輪側の面(第2面142b)に形成された絶縁性皮膜144a・144bと、を有し、外輪120の内径面126a・126bの少なくとも一部まで、または内輪110の外径面116a・116bの少なくとも一部までを覆っていることを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
外輪と、内輪と、転動体と、該外輪の外径面および側面または該内輪の内径面および側面を覆う絶縁カバーとを備え、
前記絶縁カバーは、
曲げ加工可能な芯材と、
前記芯材のうち前記外輪側の面または前記内輪側の面に形成された絶縁性皮膜と、
を有し、
前記外輪の内径面の少なくとも一部まで、または前記内輪の外径面の少なくとも一部までを覆っていることを特徴とする電食防止転がり軸受。
続きを表示(約 190 文字)
【請求項2】
前記絶縁カバーは、軸方向に2分割されていて、
前記分割されたカバーは、それぞれ、前記外輪の外径面または前記内輪の内径面を覆う円筒部と、前記円筒部と連続していて前記外輪と前記内輪の間の隙間を封止するシール部とを有し、
前記分割されたカバーの円筒部のつなぎ目にOリングが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電食防止転がり軸受。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電食防止対策に有効な電食防止転がり軸受に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、EV車(electric car)やHV車(hybrid car)等の開発の進展もあり、一台の自動車に搭載される高電圧部品の数が増加しつつある。この高電圧部品の電流が軸受に通電すると、軸受の転動体の表面、外輪や内輪の軌道面に電食が生じてしまい、損傷の一因となる。そこで例えば特許文献1では、軌道輪の表面に絶縁皮膜を設けた電食防止転がり軸受が開示されている。
【0003】
特許文献1では、「軸受1を形成するには、標準型の軸受の内輪2と外輪3の表面に、円周溝4、5を機械加工等により形成し、内輪と外輪を単独で金型内に入れ、その周面に、インサート射出成形により被膜6、7を形成する。」と記載されている。また他の例として、「内外輪2、3の表面に、環状に成形した絶縁被膜6、7を被せ、ベーキング、コーティング等により接着して形成してもよい。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第3068311号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
内輪や外輪に絶縁被膜を形成する方法としては、特許文献1に例示されるインサート成形が一般的に用いられる。しかしながら、インサート成形では、その後、切削加工によって適切な寸法に仕上げる処理が必要となる。またインサート成形には比較的大規模な金型が必要である。このため、インサート成形によって絶縁被膜を形成する方法は生産数が少ない軸受の製造には適していない。
【0006】
これに対し、樹脂コーティングによって絶縁被膜を形成する方法は、生産数が少ない軸受の製造に適している。しかしながら樹脂コーティングでは、内輪の内径面および側面や外輪の外径面および側面には絶縁被膜を形成できるものの、外輪の内径面や内輪の外径面には絶縁被膜を形成することができない。このため、十分な絶縁性能を確保することが難しいことがある。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑み、少量生産での絶縁被膜の形成に適していて、且つ外輪や内輪の絶縁性能を十分に確保し、高い電食防止効果を得ることが可能な電食防止転がり軸受を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明にかかる電食防止転がり軸受の代表的な構成は、外輪と、内輪と、転動体と、外輪の外径面および側面または内輪の内径面および側面を覆う絶縁カバーとを備え、絶縁カバーは、曲げ加工可能な芯材と、芯材のうち外輪側の面または内輪側の面に形成された絶縁性皮膜と、を有し、外輪の内径面の少なくとも一部まで、または内輪の外径面の少なくとも一部までを覆っていることを特徴とする。
【0009】
上記絶縁カバーは、軸方向に2分割されていて、分割されたカバーは、それぞれ、外輪の外径面または内輪の内径面を覆う円筒部と、円筒部と連続していて外輪と内輪の間の隙間を封止するシール部とを有し、分割されたカバーの円筒部のつなぎ目にOリングが配置されているとよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、少量生産での絶縁被膜の形成に適していて、且つ外輪や内輪の絶縁性能を十分に確保し、高い電食防止効果を得ることが可能な電食防止転がり軸受を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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