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公開番号
2024090433
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-07-04
出願番号
2022206348
出願日
2022-12-23
発明の名称
石英ガラス繊維の保管方法
出願人
信越化学工業株式会社
代理人
弁理士法人英明国際特許事務所
主分類
C03C
25/64 20060101AFI20240627BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約
【課題】低誘電正接の石英ガラス繊維の誘電正接悪化を抑制する保管方法を提供する。
【解決手段】SiO
2
を95質量%以上含み、比表面積が5.0m
2
/g以下である石英ガラス繊維の保管方法であって、
100℃以下かつ容積絶対湿度が15g/m
3
以下となる雰囲気で保管し、かつ
上記条件下で保管後の石英ガラス繊維の吸水率が0.10質量%以下であることを特徴とする石英ガラス繊維の保管方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
SiO
2
を95質量%以上含み、比表面積が5.0m
2
/g以下である石英ガラス繊維の保管方法であって、
100℃以下かつ容積絶対湿度が15g/m
3
以下となる雰囲気で保管し、かつ
上記条件下で保管後の石英ガラス繊維の吸水率が0.10質量%以下であることを特徴とする石英ガラス繊維の保管方法。
続きを表示(約 430 文字)
【請求項2】
前記容積絶対湿度が、10g/m
3
以下の雰囲気で保管する請求項1記載の石英ガラス繊維の保管方法。
【請求項3】
前記容積絶対湿度が、5g/m
3
以下の雰囲気で保管する請求項2記載の石英ガラス繊維の保管方法。
【請求項4】
保管後の石英ガラス繊維の10GHzにおける誘電正接が、保管前に対して1.3倍以下である、請求項1記載のガラス繊維の保菅方法。
【請求項5】
保管後の石英ガラス繊維の10GHzにおける誘電正接が0.0010以下である、請求項1記載のガラス繊維の保菅方法。
【請求項6】
保管後の石英ガラス繊維の40GHzにおける誘電正接が0.0015以下である、請求項1~3のいずれか1項記載のガラス繊維の保菅方法。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項記載の保管方法の条件を保ったまま輸送する輸送方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、低誘電正接石英ガラス繊維の保管方法に関するものである。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
現在、スマートフォン等の情報端末の高性能化、高速通信化に伴い、使用されるプリント配線板において、高密度化、極薄化とともに、低誘電化、低誘電正接化が著しく進行している。このプリント配線板の絶縁材料としては、ガラスクロスをエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂(以下、「マトリックス樹脂」という。)に含浸させて得られるプリプレグを積層して加熱加圧硬化させた積層板が広く使用されている。基板における信号の伝送ロスは、Ed wardA.Wolff式:伝送損失∝√ε×tanδ、が示すように、誘電率(ε)及び誘電正接(tanδ)が小さい材料ほど改善されることが知られており、特に上記の式より、伝送損失に対しては誘電正接の寄与が大きいことが知られている。そのため、ガラスクロスにおいては低い誘電正接が求められ、Dガラス、NEガラス、Lガラス、Qガラス等の誘電特性が向上されたガラスクロスが提案されている(特許文献1~4)。特許文献5では石英ガラスを高温で処理し、SiOH基を減少させて最終的にエッチング処理をすることで10GHzでの誘電正接1.0×10
-4
を達成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平5-170483号公報
特開2009-263569号公報
特開2009-19150号公報
特開2006-282401号公報
特開2021-195689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、石英ガラスはその高い純度により表面に吸着水が付着しやすく、湿度管理がなされていない雰囲気で保管すると吸着水によって石英ガラス繊維の本来持つ誘電正接を発揮できない。また、吸着水が付着した状態で樹脂を塗工すると、基板の信頼性を低下させる。しかしながら、SiO
2
が95質量%以上の石英ガラス繊維の保管方法に関する文献はほとんど報告されていない。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、低誘電正接の石英ガラス繊維の誘電正接悪化を抑制する保管方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
石英ガラス繊維は95質量%以上がSiO
2
であり、どんなに誘電正接の低い石英ガラス繊維であっても表面にわずかにSi-OH基が生じている。表面のSi-OH基は水分を水素結合によって吸着しやすく、絶対湿度が管理されていない保管条件で保管すると石英ガラス繊維表面に多くの吸着水が吸着し、低誘電石英繊維本来の誘電正接を発揮できない。また、石英ガラス繊維の表面のSi-OH基は高温になればなるほど活性化し、より水分を吸着しやすくなる。したがって、一般的な乾燥方法である100℃以上で乾燥する方法では、加熱雰囲気中に水分が多い場合に逆に水分が増えてしまう。また、吸着水100℃以上では吸着した水がSi-O-Si結合を開裂させることで、さらにSi-OH基が生じ(SiO
2
+H
2
O⇔Si-OH)、石英ガラス繊維の誘電正接を悪化させる。
【0007】
本発明者は、温度ではなく絶対湿度を管理することで、石英ガラス繊維に吸着する水分を限りなく少なくし、低誘電石英ガラス繊維の誘電正接を悪化させずに保管できることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
【0008】
従って、本発明は、下記保菅方法及び輸送方法を提供する。
1.SiO
2
を95質量%以上含み、比表面積が5.0m
2
/g以下である石英ガラス繊維の保管方法であって、
100℃以下かつ容積絶対湿度が15g/m
3
以下となる雰囲気で保管し、かつ
上記条件下で保管後の石英ガラス繊維の吸水率が0.10質量%以下であることを特徴とする石英ガラス繊維の保管方法。
2.前記容積絶対湿度が、10g/m
3
以下の雰囲気で保管する1記載の石英ガラス繊維の保管方法。
3.前記容積絶対湿度が、5g/m
3
以下の雰囲気で保管する2記載の石英ガラス繊維の保管方法。
4.保管後の石英ガラス繊維の10GHzにおける誘電正接が、保管前に対して1.3倍以下である、1~3のいずれかに記載のガラス繊維の保菅方法。
5.保管後の石英ガラス繊維の10GHzにおける誘電正接が0.0010以下である、1~4のいずれかに記載のガラス繊維の保菅方法。
6.保管後の石英ガラス繊維の40GHzにおける誘電正接が0.0015以下である、1~5のいずれかに記載のガラス繊維の保菅方法。
7.1~6のいずれかに記載の保管方法の条件を保ったまま輸送する輸送方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、石英ガラス繊維の誘電正接の増加を抑制する保管方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
ミルドファイバーの体積%と誘電正接との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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