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公開番号2024089727
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-04
出願番号2022205095
出願日2022-12-22
発明の名称転がり軸受用軌道輪、その製造方法および転がり軸受用軌道輪を用いた転がり軸受
出願人株式会社不二越
代理人個人,個人
主分類F16C 33/62 20060101AFI20240627BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】耐異物性能を確保しつつ、150℃近傍の準高温環境下において軸との嵌め合い性能が長期間維持できる転がり軸受用軌道輪、その製造方法および当該軌道輪を用いた転がり軸受を提供する。
【解決手段】高炭素クロム軸受鋼製の転がり軸受用軌道輪において、転動体と接触する軌道面に浸炭窒化層を形成して、当該浸炭窒化層の表面側から深さ方向に50μm離れた位置における残留オーステナイト量を体積率で5%以上15%未満の範囲として、かつ当該浸炭窒化層の表面側から深さ方向に少なくとも800μm離れた位置における残留オーステナイト量を体積率で10%未満とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
高炭素クロム軸受鋼製の転がり軸受用軌道輪において、転動体と接触する軌道面には浸炭窒化層が形成されており、前記浸炭窒化層の表面側から深さ方向に50μm離れた位置における残留オーステナイト量は体積率で5%以上15%未満の範囲であって、かつ前記浸炭窒化層の表面側から深さ方向に少なくとも800μm離れた位置における残留オーステナイト量は体積率で10%未満であることを特徴とする転がり軸受用軌道輪。
続きを表示(約 420 文字)【請求項2】
請求項1に記載の高炭素クロム軸受鋼製の転がり軸受用軌道輪の製造方法であって、前記高炭素クロム軸受鋼を炭化水素系ガスおよびアンモニアの雰囲気下で800~850℃の範囲で加熱する第1の加熱処理と,前記第1の加熱処理後に前記高炭素クロム軸受鋼を180~260℃まで加熱する第2の加熱処理と、を有することを特徴とする転がり軸受用軌道輪の製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の転がり軸受用軌道輪と、高炭素クロム軸受鋼製の転動体と、を有する転がり軸受であって、前記転動体の表面には浸炭窒化層が形成されており、前記転動体の浸炭窒化層の表層硬さはビッカース硬さで780 HV以上900HV以下の範囲であり、前記転動体の浸炭窒化層における残留オーステナイト量は体積率で25 %以上45 %以下の範囲であり、かつ前記転動体の浸炭窒化層の表面における炭窒化物の粒子径が5μm以下であることを特徴とする転がり軸受。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高炭素クロム軸受鋼製の転がり軸受用の軌道輪(内輪および外輪)、その製造方法および当該軌道輪を用いた転がり軸受に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
高炭素クロム軸受鋼(SUJ2)製の内外輪および転動体の表面に浸炭窒化層が形成された転がり軸受は、軌道表面の耐摩耗性および耐圧痕性が向上するため、転がり軸受の長寿命化を促進することが知られている。
【0003】
また、特許文献1および2には浸炭窒化層内の残留オーステナイト量を所定の範囲にすることで、外部からの異物混入に対して破損や剥離現象(フレ―キング)が発生し難い特性を有することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2006-71022号公報
特開2017-150640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、SUJ2製の転がり軸受は耐異物性能を高める場合、表層部の残留オーステナイト量を高めるため、浸炭窒化などの特殊な条件で熱処理を施す場合がある。
【0006】
このような特殊な条件で熱処理を施すと、表層の残留オーステナイト量のみでなく、内部の残留オーステナイト量も同時に維持されるため、準高温雰囲気(例えば150℃近傍)における長期の使用により、内輪の内径が拡大する。その結果、機械側の軸との嵌め合い性能が維持できずクリープし、軸と軸受の伝達特性が低下するという問題があった。
【0007】
これに対して、転がり軸受の寸法安定性を高めようとする場合、高温焼き戻し等により鋼中の残留オーステナイト量を減ずる方法があるが、通常この方法は内部の残留オーステナイト量だけではなく、耐異物性能に寄与する表層部の残留オーステナイト量も減少するという別の問題が発生する。
【0008】
そこで、本発明は、耐異物性能を確保しつつ、150℃近傍の準高温環境下において軸との嵌め合い性能が長期間維持できる転がり軸受用軌道輪、当該軌道輪の製造方法およびそれを用いた転がり軸受を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の高炭素クロム軸受鋼(SUJ2)製の転がり軸受用軌道輪は、転動体と接触する軌道(面)に浸炭窒化層を形成し、浸炭窒化層の表面側から深さ方向に50μm離れた位置における残留オーステナイト量を体積率で5%以上15%未満の範囲としつつ、浸炭窒化層直下(高炭素クロム軸受鋼)における残留オーステナイト量を体積率で10%未満とする。なお、ここで浸炭窒化層直下とは、母材である高炭素クロム軸受鋼の領域であり、浸炭窒化層の表面側から深さ方向に少なくとも800μm以上離れた位置を指す。
【0010】
当該転がり軸受用軌道輪の製造方法については、高炭素クロム軸受鋼をLPG(液化プロパンガス)などの炭化水素系ガス(エンリッチガス)および吸熱型変成ガス(RXガス)およびアンモニアの雰囲気下で800~850℃の範囲で加熱する第1の加熱処理(浸炭窒化処理)、第1の加熱処理後に高炭素クロム軸受鋼を180~260℃まで加熱する第2の加熱処理(焼戻し処理)の第1および第2の加熱処理から構成される。
(【0011】以降は省略されています)

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