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公開番号2024083480
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-21
出願番号2024061580,2022526438
出願日2024-04-05,2020-11-09
発明の名称プロスタグランジンアナログおよびその用途
出願人ライフェックス・バイオラブス・インコーポレイテッド,LIFEX BIOLABS, INC.
代理人弁理士法人R&C
主分類C07C 405/00 20060101AFI20240614BHJP(有機化学)
要約【課題】プロスタグランジン(Prostaglandin,PG)アナログ化合物の提供。Nurr1に関連する疾患、障害または状態の予防または治療用薬学的組成物の提供。
【解決手段】本発明は、プロスタグランジンアナログまたはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む、Nurr1に関連する疾患、障害または状態の予防または治療用薬学的組成物であって、前記化合物はNurr1を誘導するにあたって卓越した効果を有し、Nurr1に関連する疾患、障害または状態、特に癌、関節リウマチのような自己免疫疾患、統合失調症、うつ病および、例えばアルツハイマー病やパーキンソン病のような神経変性疾患に有用である。
【選択図】図2A
特許請求の範囲【請求項1】
プロスタグランジンアナログが下記化合物2~14、96および97からなる群より選択される、プロスタグランジンアナログまたはその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、水和物、または、溶媒和物。
TIFF
2024083480000051.tif
190
168
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2024083480000052.tif
228
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2024083480000053.tif
157
168
続きを表示(約 500 文字)【請求項2】
有効成分として請求項1に記載の化学式Iのプロスタグランジンアナログ、またはその薬学的に許容される塩、立体異性体、水和物、または、溶媒和物、および薬学的に許容される担体を含む、Nurr1調節用薬学的組成物。
【請求項3】
前記Nurr1の調節はNurr1の活性化であることを特徴とする、請求項2に記載の薬学的組成物。
【請求項4】
有効成分として請求項1に記載の化学式Iのプロスタグランジンアナログ、またはその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、水和物、または、溶媒和物、および薬学的に許容される担体を含む、Nurr1に関連する疾患、障害または状態の予防または治療用の薬学的組成物。
【請求項5】
前記Nurr1に関連する疾患、障害または状態は、癌、自己免疫疾患、統合失調症、うつ病および神経変性疾患からなる群より選択される、請求項4に記載の薬学的組成物。
【請求項6】
前記自己免疫疾患は関節リウマチであり、前記神経変性疾患はアルツハイマー病またはパーキンソン病であることを特徴とする、請求項5に記載の薬学的組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2019年11月7日付でUSPTOに提出された米国特許仮出願第62/931,893号の利益を主張し、その開示内容は全体的に本出願に参照として組み込まれる。
続きを表示(約 2,900 文字)【0002】
本発明は、プロスタグランジンアナログ、それを含むNurr1に関連する疾患、障害または状態の予防または治療用組成物、およびその用途に関する。
【背景技術】
【0003】
ニューロンは神経系の基本構成要素であり、これらが損傷すると運動失調や認知症を引き起こし、最終的には死亡に至る「神経変性疾患」と総称される多様な状態を招く。パーキンソン病(Parkinson’s disease,PD)は一般人および老年人口のそれぞれ約0.3%および1~2%に影響を及ぼす二番目に広く広まっている神経変性疾患である。1957年、Arvid Carlssonとその同僚が脳から重要な神経伝達物質であるドーパミン(DA)を識別したことはこの分野において画期的な発見と見なされた。パーキンソン病患者の脳でDAが大きく不足するという発見に寄与すること以外にも、もちろん長期投与時副作用の危険をもたらし、特定状況では禁忌ではあるが、DAの前駆体であるレボドパ(L-3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン(L-3,4-dihydroxyphenylalanine);L-dopa)がパーキンソン病-関連運動障害を有意に改善するのに使用できるという臨床的ブレークスルーをもたらした。
【0004】
黒質(substantia nigra,SN)におけるA9 DAニューロンの漸進的でかつ選択的な損失とレビー小体の存在はPDの二つの神経病理学的特徴である。これは安静時振戦、硬直および動作緩慢(bradykinesia)に代表される線条体でのドーパミン系の投入の枯渇につながる。PDの原因と起源は大きく知られていないが、多くの他の神経変性障害と同様に環境および遺伝的要因の影響を受ける可能性が高い。
【0005】
神経毒またはその他環境毒素への露出はパーキンソン病の症状を早く誘導してPDに対する環境要因の役割を立証する。タンパク質ミスフォールディングおよび凝集はPD病因と直接的に関連するさらに他の重要な要素であり、これはα-シヌクレインを含むタンパク質凝集体で構成されたレビー小体の形成から明らかである。一般に、ミスフォールディングされたタンパク質から細胞を保護するユビキチン-プロテアソームシステムは年齢と共に徐々に減少し、これは年齢がPDまたは多くの他の神経変性疾患の発病の主な危険因子という観察を裏付ける。
【0006】
最近の研究によれば、神経炎症はPDの発病機転にも重要な役割を果たす。小膠細胞(microglia)は通常、抗炎症および神経栄養因子を生成する非活性化された細胞として存在することに対して、活性化されるとPD死後組織のSN内で観察される炎症反応を誘発する。細胞外α-シヌクレインは酸化および窒化される時小膠細胞活性化を誘導してDAニューロンの変性を加速化することができる。また、PD患者および動物モデルの血液または脳脊髄液で増加した水準のサイトカインが観察された。まとめると、慢性神経炎症はPDの病態生理に寄与すると見られ、炎症経路の薬理学的介入はPDと戦うための治療戦略の1つになる。そのため非ステロイド性抗炎症剤の慢性的な使用はPDの危険を有意に減少させることが示されている。
【0007】
これまでのパーキンソン病に対する薬物治療は治療より対症的であった。それでも初期の症状を管理することしかできず、後期の発病段階では治療することがさらに難しかった。レボドパ(L-3,4-dihydroxyphenylalanine)またはL-DOPAは新しい薬物の出現にもかかわらず、40年以上PD管理のためのゴールドスタンダードとして残っている。L-DOPAは血液脳関門を通過してドーパミンに転換される能力を有するドーパミン前駆体である。この薬物の長期投与は意図しない薬物効能減少とともに運動性能の追加合併症を誘発し得る。悪心および低血圧のような末梢副作用もL-DOPA投与によって発生し得るが、これは脱炭酸酵素阻害剤であるカルビドパ(Carbidopa)の併用投与により相殺され得る。
【0008】
他の薬物として、ロチゴチンおよびロピニロールなどのドーパミン作用剤またはセレギリンおよびラサギリンなどのモノアミン酸化酵素B阻害剤が含まれる。これまでの治療の重要な領域は(a)脳でDAの量を増加させ、(b)脳でDA機能を模倣できるDAアナログを使用し、(c)DAを分解する酵素を阻害することであった。どの薬物でも効果がないと判明した場合、手術のリスクは高齢の患者により深刻であり、併存疾患のある患者には適していないが、末期患者のように脳深部刺激がしばしば考慮される。
【0009】
数年にわたって主要なシグナル分子と転写因子がマウスの脳でmDAニューロンの発達を調整する方法に係る本発明者らの理解に広範囲な進歩があった。核受容体は主に代謝および炎症に関与する遺伝子を調節するリガンド活性化転写因子であり、いくつかの証拠が神経変性疾患におけるこれらの役割を示す。NR4A1、NR4A2およびNR4A3(Nur77、Nurr1およびNor1ともいう)で構成されたNR4Aサブファミリーに属するオーファン核受容体(orphan nuclear receptor)のNurr1はmDAニューロン発達および生存を決定的に調節する。Nurr1ノックアウトはmDAニューロンの損失をもたらし、これはNurr1がmDAニューロンの発達および維持に必須の役割を果たすことを示す。
【0010】
Nurr1は、DA生合成の最初の速度制限段階であるTH(チロシンヒドロキシラーゼ:tyrosine hydroxylase)遺伝子、芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ(AADC,aromatic amino acid decarboxylase)転写因子、ドーパミン輸送体(DAT)、小胞モノアミン輸送体(VMAT)および前記DA神経伝達物質表現型およびmDAニューロンの生存を調節するグリア細胞株由来の神経栄養因子(GDNF)c-Retキナーゼ遺伝子のようなmDAニューロン表現型に関連する多様な遺伝子の発現および生存を活性化させる。このような研究はmDAニューロンの発達、維持および生存でNurr1の役割を立証する。実際、以前の研究ではNurr1の発現が老化した脳組織とPDの死後の脳組織の両方で減少することが明らかになった。また、Nurr1の機能的突然変異と多型性は生物学的重要性がとらえどころのないままであるが、家族性遅発性PDのまれな症例で確認された。まとめると、このようなデータはNurr1の機能がDAニューロンの神経変性と決定的に関連しており、その活性化がPD発病機転を改善できることを強く示唆している。
(【0011】以降は省略されています)

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