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公開番号2024073646
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-29
出願番号2024045213,2019191895
出願日2024-03-21,2019-10-21
発明の名称細胞構造体及び細胞構造体の製造方法
出願人TOPPANホールディングス株式会社,国立大学法人大阪大学,京都府公立大学法人
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C12N 5/071 20100101AFI20240522BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】細胞間に血管網を有する細胞構造体及び細胞間に血管網を有する細胞構造体の製造方法を提供すること。
【解決手段】断片化された細胞外マトリックス成分及び細胞を含み、細胞間に血管網を有する細胞構造体であって、上記細胞が、少なくとも脂肪細胞及び血管内皮細胞を含む、細胞構造体。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
断片化された細胞外マトリックス成分及び細胞を含み、
細胞間に血管網を有する細胞構造体であって、
前記細胞が、少なくとも脂肪細胞及び血管内皮細胞を含む、細胞構造体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞構造体及び細胞構造体の製造方法、特に、細胞間に血管網を有する細胞構造体及び細胞間に血管網を有する細胞構造体の製造方法に関する。
続きを表示(約 4,100 文字)【背景技術】
【0002】
人工的に生体組織を模した構造体を作製する手法として、例えば、コラーゲンを含む被膜でコートされた細胞を三次元に配置して、三次元組織体を形成することを含む、三次元組織体を製造する方法(特許文献1)、細胞をカチオン性物質および細胞外マトリックス成分と混合して混合物を得て、得られた混合物から細胞を集めて、基材上に細胞集合体を形成することを含む、立体的細胞組織の製造方法(特許文献2)等が知られている。また、本発明者らは、細胞と断片化された外因性コラーゲンを接触させることで、比較的少ない細胞数で、厚さが1mm以上である、サイズが大きい三次元組織体を製造する方法(特許文献3)を提案している。これらのような三次元組織体は、実験動物の代替品、移植材料等としての利用が期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2015/072164号
国際公開第2017/146124号
国際公開第2018/143286号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の三次元組織体の製造方法によれば、厚みのある三次元組織体を作製することができる。しかしながら、生体組織のように血管網が細胞間に形成されている脂肪組織を作製する方法については知られていなかった。
【0005】
そこで、本発明は、細胞間に血管網を有する細胞構造体及び細胞間に血管網を有する細胞構造体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明は、例えば以下の各発明に関する。
〔1〕 断片化された細胞外マトリックス成分及び細胞を含み、
細胞間に血管網を有する細胞構造体であって、
上記細胞が、少なくとも脂肪細胞及び血管内皮細胞を含む、細胞構造体。
〔2〕 上記血管網が、上記脂肪細胞間に形成されている〔1〕に記載の細胞構造体。
〔3〕 上記脂肪細胞が、成熟脂肪細胞を含む、〔1〕又は〔2〕に記載の細胞構造体。
〔4〕 上記断片化された細胞外マトリックス成分の平均長が、100nm以上400μm以下である、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の細胞構造体。
〔5〕 細胞構造体における細胞外マトリックス成分含有率が、上記細胞構造体の乾燥重量を基準として0.01~90質量%である、〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の細胞構造体。
〔6〕 上記断片化された細胞外マトリックス成分が、コラーゲンを含む、〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の細胞構造体。
〔7〕 フィブリンをさらに含む、〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の細胞構造体。
〔8〕 移植用である、〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の細胞構造体。
〔9〕 断片化された細胞外マトリックス成分と細胞とを接触させる接触工程であって、細胞が、(i)少なくとも脂肪細胞、幹細胞及び血管内皮細胞を含むか、又は(ii)少なくとも脂肪幹細胞及び血管内皮細胞を含む工程と、
断片化された細胞外マトリックスが接触した細胞を培養する培養工程と
を含む、細胞間に血管網を有する細胞構造体の製造方法。
〔10〕 上記細胞が、脂肪細胞、脂肪幹細胞及び血管内皮細胞を含む、〔9〕に記載の方法。
〔11〕 上記脂肪細胞が、成熟脂肪細胞を含む、〔9〕又は〔10〕に記載の方法。
〔12〕 上記接触工程における上記断片化された細胞外マトリックス成分の量が、1.0×10

cellsの細胞に対して、0.1~100mgである、〔9〕~〔11〕のいずれかに記載の方法。
〔13〕 上記接触工程おける幹細胞と血管内皮細胞の細胞数の比が、100/1~1/100である、〔9〕~〔12〕のいずれかに記載の方法。
〔14〕 上記断片化された細胞外マトリックス成分が、コラーゲンを含む、〔9〕~〔13〕のいずれかに記載の方法。
〔15〕 上記接触工程、又は上記接触工程後かつ培養工程前に、フィブリノゲンを添加することをさらに含む、〔9〕~〔14〕のいずれかに記載の方法。
〔16〕 〔1〕~〔8〕のいずれかに記載の細胞構造体を移植物として有する、非ヒトモデル動物。
〔17〕 〔1〕~〔8〕のいずれかに記載の細胞構造体を非ヒト動物に移植することを含む、非ヒトモデル動物の製造方法。
〔18〕 〔1〕~〔8〕のいずれかに記載の細胞構造体を動物に移植することを含む、血管構造を有する細胞構造体の移植方法。
〔19〕 断片化された細胞外マトリックス成分及び細胞を含み、
細胞間に血管網を有し、
支持体と接着していない状態で塊状に集合した細胞構造体であって、
上記細胞が、少なくとも脂肪細胞及び血管内皮細胞を含む、細胞構造体。
〔20〕 略球体状である、〔19〕に記載の細胞構造体。
〔21〕 断片化された細胞外マトリックス成分と細胞とを接触させる接触工程であって、細胞が、(i)少なくとも脂肪細胞、幹細胞及び血管内皮細胞を含むか、又は(ii)少なくとも脂肪幹細胞及び血管内皮細胞を含む工程と、
断片化された細胞外マトリックスが接触した細胞を培養する培養工程と
を含み、
上記培養工程が、上記断片化された細胞外マトリックスが接触した細胞を支持体に接着しない状態で培養することを含む、細胞間に血管網を有する細胞構造体の製造方法。
〔22〕 上記培養工程が、支持体から上記断片化された細胞外マトリックスが接触した細胞を引き離すことを含む、〔21〕に記載の方法。
〔23〕 複数の〔19〕又は〔20〕に記載の細胞構造体を含み、上記血管網が、複数の細胞構造体間で接続している、細胞組織。
〔24〕 複数の〔19〕又は〔20〕に記載の細胞構造体を浮遊培養することを含む、細胞組織の製造方法。
〔25〕 複数の〔19〕又は〔20〕に記載の細胞構造体を非ヒト動物に移植することを含む、非ヒトモデル動物の製造方法。
〔26〕 細胞構造体を非ヒト動物に移植した後、30日以上生育することを含む、〔25〕に記載の方法。
〔27〕 細胞構造体を非ヒト動物に移植した後、90日以上生育することを含む、〔26〕に記載の方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、細胞間に血管網を有する細胞構造体を簡便に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
ペリリピン染色及びCD31染色による、(a)生体組織及び(b)試験例2の細胞構造体の観察結果を示す写真である。
試験例2の細胞構造体における血管の分岐の数を生体組織における血管の分岐の数と比較したグラフである。
ペリリピン染色及びCD31染色による、試験例3の細胞構造体の観察結果を示す写真である。
CD31染色による、試験例4の細胞構造体の観察結果を示す写真である。
CD31染色による、試験例5の細胞構造体の観察結果を示す写真である。
ペリリピン染色及びCD31染色による、試験例6の細胞構造体の観察結果を示す写真である。
試験例7の概要を示す図である。左の液滴中の円は成熟脂肪細胞を、白い菱形はADSCを、グレーの短棒はHUVECをそれぞれ示す。
ナイルレッド染色及びCD31染色による、試験例7の血管網を有する細胞ボールの蛍光観察結果を示す写真である。右の写真は、左の細胞ボールの一つをさらに拡大したものである。
CD31染色による、血管網を有する細胞ボールの観察結果を示す写真である。
試験例7の方法で作製した細胞ボールについて、7日間培養した後の平均直径(n=12 細胞ボール/量)を示すグラフである。
ナイルレッド染色及びCD31染色による、試験例8の方法で作製した細胞組織の蛍光観察結果を示す写真(左、右上は一部拡大写真)及びプレート上の凝集した細胞ボールを明視野で観察した写真である(右下)。
ペリリピン染色及びDAPI染色による、試験例9の移植箇所から30日後に採取した組織の蛍光観察結果を示す写真である。A:SFTはヒトの太もも(生体組織)から脂肪吸引により得られた脂肪組織を移植した箇所から採取した組織、C:3DVFTは試験例9の(1)の細胞ボールを移植した箇所から採取した組織をそれぞれ示す。図12の上段は明視野で観察した結果、中央段はペリリピン染色による結果、下段はDAPI染色の結果を示す。
CD31染色及びDAPI染色による、試験例9の移植箇所から90日後に採取した組織の蛍光観察結果を示す写真である。A:SFTはヒトの太もも(生体組織)から脂肪吸引により得られた脂肪組織を移植した箇所から採取した組織、C:3DVFTは試験例9の(1)の細胞ボールを移植した箇所から採取した組織をそれぞれ示す。図13の上段は明視野で観察した結果、中央段はCD31染色による結果、下段はDAPI染色の結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0010】
[細胞構造体]
本実施形態に係る細胞構造体は、断片化された細胞外マトリックス成分と、少なくとも脂肪細胞及び血管内皮細胞を含む細胞とを含み、細胞間に血管網を有する。
(【0011】以降は省略されています)

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