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公開番号2024071437
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-24
出願番号2024041515,2020568181
出願日2024-03-15,2020-01-22
発明の名称絶縁フィルム、両面金属張積層体および電子回路基板
出願人デンカ株式会社
代理人弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類B32B 37/14 20060101AFI20240517BHJP(積層体)
要約【課題】熱可塑性液晶ポリマーからなる異方性の強い絶縁フィルムを用いることが可能であり、熱可塑性液晶ポリマー層の面配向度が小さく、加熱時の寸法変化の異方性も小さい両面金属張積層体を提供する。また絶縁フィルムおよび電子回路基板を提供する。
【解決手段】一対のエンドレスベルト3間に絶縁フィルムと2枚の金属箔を連続的に供給する供給工程、エンドレスベルト3間で絶縁フィルムを金属箔で挟んだ状態で加熱加圧して積層体とする加熱加圧工程および冷却工程を有する両面金属張積層体の製造方法に用いる絶縁フィルムであって、熱可塑性液晶ポリマーからなり、厚みが10~500μm、所定の式で算出される面配向度が30%以上、MD方向の平均線膨張率が-40~0ppm/K、TD方向の平均線膨張率が0~120ppm/Kの絶縁フィルムである。また当該絶縁フィルムを用いた両面金属張積層体、当該両面金属張積層体を用いた電子回路基板である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
一対のエンドレスベルト間に絶縁フィルムと2枚の金属箔とを連続的に供給する供給工程、前記エンドレスベルト間で前記絶縁フィルムを2枚の前記金属箔で挟んだ状態で加熱加圧して積層体とする加熱加圧工程および前記積層体を冷却する冷却工程を有する両面金属張積層体の製造方法に用いる絶縁フィルムであって、
熱可塑性液晶ポリマーからなり、
厚みが10~500μm、
フィルム面に垂直な方向からフィルム面にX線を照射して得られた2次元回折画像における円周方向の強度をプロットして得た強度曲線において、測定強度のベース部分の積分値をBとし、測定されたピーク部分からベース部分を差し引いた部分の積分値をAとしたとき、下記式(1)で算出される面配向度が30%以上、
MD方向の平均線膨張率が-40~0ppm/K、TD方向の平均線膨張率が0~120ppm/Kであることを特徴とする絶縁フィルム。
面配向度(%)={A/(A+B)}×100 ・・・式(1)
続きを表示(約 150 文字)【請求項2】
請求項1に記載の絶縁フィルムを2枚の金属箔で挟んだ構成を有する両面金属張積層体。
【請求項3】
前記金属箔が銅箔である請求項2に記載の両面金属張積層体。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の両面金属張積層体を用いた電子回路基板。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁フィルム、両面金属張積層体および両面金属張積層体を用いた電子回路基板に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
熱可塑性液晶ポリマー(LCP)は、耐熱性、機械的強度、電気的特性等に優れているため、電気・電子分野や車載部品分野において、電子回路基板等の絶縁フィルムとして広く利用されている。
【0003】
熱可塑性液晶ポリマーフィルムは、直鎖状の剛直な分子鎖が規則正しく並んだ構造を有するため、異方性が生じ易い。そのため、熱可塑性液晶ポリマーをTダイ等により押出成形して得られたフィルムは、一般に、平面内において押出方向に高度の分子配向が生じ易い。その結果、押出方向とその直角方向において加熱時の線膨張率に差違が生じて、外観が変形するおそれがある。
【0004】
そのため、熱可塑性液晶ポリマーフィルムを絶縁フィルムとして用いて、両面金属張積層体を製造する場合は、熱可塑性液晶ポリマーフィルムが有する異方性を低減させる処理を行った後に金属箔と積層して一体化する方法が取られている。
【0005】
熱可塑性液晶ポリマーフィルムを用いて両面金属張積層体を製造する方法については、既に複数の製造技術が開示されている。例えば、特許文献1には、一対のエンドレスベルト間に液晶ポリマーからなる絶縁フィルムと金属箔とを連続的に供給し、熱圧成形してフレキシブルプリント配線板用積層板を製造する方法が開示されている。この方法では、金属箔の表面粗さと熱圧成形時の加熱温度を規定している。また、特許文献2には、一対のエンドレスベルト間に液晶ポリマーからなる絶縁フィルムと金属箔とを連続的に供給し、熱圧着させてフレキシブル積層板を製造する製造方法が開示されている。この方法では、フレキシブル積層板の最高温度と、エンドレスベルトから搬出される際の出口温度を規定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第5411656号公報
特開2016-129949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に開示された製造方法は、熱圧成形時の加熱温度が液晶ポリマーの融点以上であるものの、異方性の強い熱可塑性液晶ポリマーフィルムを用いると、異方性が残留するおそれがある。フィルムに異方性が残留すると、積層板に反りや変形が生じたり、孔開け加工時にバリや割れが生じるおそれがある。また、特許文献2に開示された製造方法は、熱圧着時の加熱温度が液晶ポリマーの融点未満であるため、特許文献1の方法と同様に、異方性の強い熱可塑性液晶ポリマーフィルムを用いると、異方性が残留するおそれがある。
【0008】
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の課題は、熱可塑性液晶ポリマーからなる異方性の強い絶縁フィルムを用いることが可能であり、両面金属張積層体の熱可塑性液晶ポリマー層における面配向度が小さく、加熱時の寸法変化の異方性も小さい両面金属張積層体を提供することである。また、前記両面金属張積層体に好適に用いられる絶縁フィルムおよび前記両面金属張積層体を用いた電子回路基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、一対のエンドレスベルト間に熱可塑性液晶ポリマーからなる絶縁フィルムを2枚の金属箔で挟んだ状態で、特定の温度、圧力および時間を選択して加熱加圧することにより、驚くべきことに、絶縁フィルムの異方性が比較的容易に改善されることを見出した。また、従来行っていた予め熱可塑性液晶ポリマーフィルムが有する異方性を低減させるための処理を行わずとも、異方性の強い絶縁フィルムを用いて、異方性が低減した両面金属張積層体を得ることができることを見出した。本発明はこのような知見を基に到達することができたものである。すなわち、本発明は、以下のような構成を有している。
【0010】
(1)本発明の絶縁フィルムは、一対のエンドレスベルト間に絶縁フィルムと2枚の金属箔とを連続的に供給する供給工程、前記エンドレスベルト間で前記絶縁フィルムを2枚の前記金属箔で挟んだ状態で加熱加圧して積層体とする加熱加圧工程および前記積層体を冷却する冷却工程を有する両面金属張積層体の製造方法に用いる絶縁フィルムであって、熱可塑性液晶ポリマーからなり、厚みが10~500μm、フィルム面に垂直な方向からフィルム面にX線を照射して得られた2次元回折画像における円周方向の強度をプロットして得た強度曲線において、測定強度のベース部分の積分値をBとし、測定されたピーク部分からベース部分を差し引いた部分の積分値をAとしたとき、下記式(1)で算出される面配向度が30%以上、MD方向の平均線膨張率が-40~0ppm/K、TD方向の平均線膨張率が0~120ppm/Kであることを特徴としている。
面配向度(%)={A/(A+B)}×100 ・・・式(1)
(【0011】以降は省略されています)

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