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公開番号2024127530
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-20
出願番号2023036740
出願日2023-03-09
発明の名称Al含有球状金属Siフィラー、及びその製造方法、並びに樹脂組成物
出願人デンカ株式会社
代理人園田・小林弁理士法人
主分類C01B 33/02 20060101AFI20240912BHJP(無機化学)
要約【課題】流動性に優れた樹脂組成物を与えることができるAl含有球状金属Siフィラー、並びにその球状金属Siフィラーを含むフィラー組成物、樹脂組成物、及び放熱部品を提供する。
【解決手段】0.1~10重量%のAlを含む、Al含有球状金属Siフィラーとする。0.1~10重量%のAlを含むことが好ましい。X線光電子分光法により分析した原子組成比N/Siが0.02以上であることが好ましい。X線光電子分光法により分析した原子組成比N/Siが0.06以上であることが好ましい。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
0.1~10重量%のAlを含む、Al含有球状金属Siフィラー。
続きを表示(約 640 文字)【請求項2】
0.1~7.5重量%のAlを含む、請求項1に記載のAl含有球状金属Siフィラー。
【請求項3】
X線光電子分光法により分析した原子組成比N/Siが0.02以上である、請求項1又は2に記載のAl含有球状金属Siフィラー。
【請求項4】
X線光電子分光法により分析した原子組成比N/Siが0.06以上である、請求項1又は2に記載のAl含有球状金属Siフィラー。
【請求項5】
平均円形度が0.7以上である、請求項1又2に記載のAl含有球状金属Siフィラー。
【請求項6】
比表面積が1.0m

/g以下である、請求項1又2に記載のAl含有球状金属Siフィラー。
【請求項7】
JIS Z8729による色差b
*
値が1以上かつ10未満である、請求項1又2に記載のAl含有球状金属Siフィラー。
【請求項8】
Feの含有量が10~3000ppmである、請求項1又は2に記載のAl含有球状金属Siフィラー。
【請求項9】
樹脂と、請求項1又は2に記載のAl含有球状金属Siフィラーとを含む、樹脂組成物。
【請求項10】
原料金属Siを溶融して球状化すること、及び
原料金属Siの溶融時に金属Alを添加することを含む、Al含有球状金属Siフィラーの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、Al含有球状金属Siフィラー、及びその製造方法、並びに樹脂組成物に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
近年、5G高速通信下での通信量の増大に伴い通信機器の発熱量が増加しているなど、より高性能な各種放熱部材が求められている。放熱部材に用いる樹脂充填剤(フィラー)として、アルミナフィラー等の酸化物フィラーや、窒化アルミニウムや窒化ケイ素等の窒化物フィラーが広く用いられている。生産性や加工の自由度の観点から、フィラーを充填した樹脂組成物の加工時の流動性は重要であり、流動性に優れた樹脂組成物を与えることができるフィラーが求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、流動性に優れた樹脂組成物を与えることができるAl含有球状金属Siフィラー、並びにそのAl含有球状金属Siフィラーを含むフィラー組成物、樹脂組成物、及び放熱部品を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、鋭意検討した結果、一定量のAlを含有する球状金属Siフィラーであれば、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の態様を有する。
[1]0.1~10重量%のAlを含む、Al含有球状金属Siフィラー。
[2]0.1~10重量%のAlを含む、[1]に記載のAl含有球状金属Siフィラー。
[3]X線光電子分光法により分析した原子組成比N/Siが0.02以上である、[1]又は[2]に記載のAl含有球状金属Siフィラー。
[4]X線光電子分光法により分析した原子組成比N/Siが0.06以上である、[1]~[3]のいずれかに記載のAl含有球状金属Siフィラー。
[5]平均円形度が0.7以上である、[1]~[4]のいずれかに記載のAl含有球状金属Siフィラー。
[6]比表面積が1.0m

/g以下である、[1]~[5]のいずれかに記載のAl含有球状金属Siフィラー。
[7]JIS Z8729による色差b
*
値が1以上かつ10未満である、[1]~[6]のいずれかに記載のAl含有球状金属Siフィラー。
[8]Feの含有量が10~3000ppmである、[1]~[7]のいずれかに記載のAl含有球状金属Siフィラー。
[9]樹脂と、[1]~[8]のいずれかに記載のAl含有球状金属Siフィラー
とを含む、樹脂組成物。
[10]原料金属Siを溶融して球状化すること、及び原料金属Siの溶融時に金属Alを添加することを含む、Al含有球状金属Siフィラーの製造方法。特に、原料金属Siを溶融して球状化すること、及び原料金属Siの溶融時に金属Alを添加することを含む、[1]~[9]のいずれかに記載のAl含有球状金属Siフィラーの製造方法。
[11]金属Alを含有する金属Si系原料を溶融して球状化することを含む、Al含有球状金属Siフィラーの製造方法。特に、金属Alを含有する金属Si系原料を溶融して球状化することを含む、[1]~[9]のいずれかに記載のAl含有球状金属Siフィラーの製造方法。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、流動性に優れた樹脂組成物を与えることができるAl含有球状金属Siフィラー、及びその製造方法、並びにそのAl含有球状金属Siフィラーを含む樹脂組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の効果を阻害しない範囲で適宜変更を加えて実施することができる。また、特定のパラメータについて、複数の上限値及び下限値が記載されている場合、これらの上限値及び下限値の内、任意の上限値と下限値とを組合せて好適な数値範囲とすることができる。一実施形態について記載した特定の説明が他の実施形態についても当てはまる場合には、他の実施形態においてはその説明を省略している場合がある。本開示において数値範囲についての「X~Y」との表現は、「X以上Y以下」であることを意味している。
【0007】
[Al含有球状金属Siフィラー]
本実施形態に係るAl含有球状金属Siフィラーは、0.1~10重量%のAlを含む。0.1~10重量%のAlを含むことにより、本実施形態に係るAl含有球状金属Siフィラーは、流動性に優れた樹脂組成物を与えることができる。本明細書において「フィラー」とは、充填剤を意味する。本明細書において「球状金属Siフィラー」とは、充填剤として用いられる球状金属Si粒子単体及びその集合体の両方を意味する。すなわち、「球状金属Siフィラー」は物質として球状金属Si粒子と同じものを意味する。本明細書において、「球状」とは、走査型電子顕微鏡を用いて10,000倍で観察したときに円形状又は丸みを帯びた粒形状に観察されることを意味する。「Al含有球状金属Siフィラー」は、少なくとも一つの球状金属Si粒子中にAlが含まれているフィラーを意味しており、球状金属Si粒子とAlを含む粒子との混合物とは区別される。
【0008】
Al含有球状金属Siフィラーは、例えば、次に挙げる方法により得られる。
(1)原料金属Siを溶融して球状化すること、及び原料金属Siの溶融時に金属Alを添加することを含む方法。
(2)金属Alを含有する金属Si系原料を溶融して球状化することを含む方法。
原料金属Siは、不純物を含み得るが、純度が98%以上のものが好ましく、純度が99%以上のものがより好ましく、純度が99.5%以上のものがさらに好ましく、純度が99.9%以上のものであってもよい。
一実施形態に係る球状金属Siフィラーは、Siの含有量が、90~99.9重量%であってよく、92~99.9重量%であってよく、94~99重量%であってよい。
原料金属Siの溶融時に添加するAlとしては、粉末形状の金属Alが好ましく、酸化物形態のAlであってもよい。Alの添加量は、目的とするAl含有量に応じて適宜調製できるが、原料Siの総量に対して0.1~10重量%であることが好ましく、0.1~7.5重量%であることがより好ましく、0.1~6重量%であることがさらにより好ましく、0.1~5重量%であることが特に好ましい。
原料金属Siの溶融時に添加するAlとしては、粉末形状の金属Alが好ましく、酸化物形態のAlであってもよい。Alの添加量は、目的とするAl含有量に応じて適宜調製できるが、原料Siの総量に対して0.1~10重量%であることが好ましく、0.1~7.5重量%であることがより好ましく、0.1~6重量%であることがさらにより好ましく、0.1~5重量%であることが特に好ましい。
金属Alを含有する金属Si系原料としては、目的とするAl含有量に応じて、Alを0.1~10重量%含有する金属Siインゴットや粉末が挙げられる。
球状化の方法については後述する。
【0009】
一実施形態に係るAl含有球状金属Siフィラーは、0.1~7.5重量%のAlを含むことが好ましく、0.1~6重量%のAlを含むことがより好ましく、0.1~5重量%のAlを含むことがよりさらに好ましい。
【0010】
(X線光電子分光法により分析した原子組成比N/Si)
一実施形態に係るAl含有球状金属Siフィラーは、X線光電子分光法により測定したN
1s
ピーク強度から算出した半定量値とSi
2s
ピーク強度から算出した半定量値のN/Si比が0.02以上であることが好ましい。N/Si比が0.02以上であることにより、充填剤として用いたときに流動性により優れた樹脂組成物を与えることができる。
本明細書において、「X線光電子分光法により分析した原子組成比N/Si」とは、シャーリー法でバックグラウンドを取り、N
1s
及びSi
2s
ピーク強度から算出した半定量値を算出し、N
1s
/Si
2s
比を算出することにより求められる値を意味する。
本明細書において、「シャーリー法」とは、バックグラウンドの原因となる非弾性散乱電子に対し、エネルギー依存性は無いこと、又、非弾性散乱する電子数はピーク強度に比例するということを仮定して、差し引かれるバックグラウンドの形状を決定する方法を意味する。
(【0011】以降は省略されています)

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