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公開番号2024155964
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-31
出願番号2024140570,2021561372
出願日2024-08-22,2020-11-20
発明の名称回路基板用LCP樹脂組成物及び回路基板用LCPフィルム
出願人デンカ株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08L 67/00 20060101AFI20241024BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】液晶ポリエステルが有する機械的特性、電気特性、耐熱性等の優れた基本性能を過度に損なうことなく、線膨張係数が小さく寸法安定性に優れる回路基板用LCPフィルムを実現可能な、回路基板用LCP樹脂組成物等を提供する。
【解決手段】液晶ポリエステル100質量部、及びオキサゾリン基含有ポリマー1~20質量部を少なくとも含有するLCP樹脂組成物を準備する組成物準備工程と、前記LCP樹脂組成物を溶融押出して、TD方向の線膨張係数(α2)が50ppm/K以上のLCPフィルムを形成するフィルム形成工程と、前記LCPフィルムを加圧加熱処理して、TD方向の線膨張係数(α2)が16.8±12ppm/Kの回路基板用LCPフィルムを得る加圧加熱工程と、を少なくとも備えることを特徴とする、回路基板用LCPフィルムの製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
液晶ポリエステル100質量部、及びオキサゾリン基含有ポリマー1~20質量部を少なくとも含有するLCP樹脂組成物を準備する組成物準備工程と、
前記LCP樹脂組成物を溶融押出して、TD方向の線膨張係数(α2)が50ppm/K以上のLCPフィルムを形成するフィルム形成工程と、
前記LCPフィルムを加圧加熱処理して、TD方向の線膨張係数(α2)が16.8±12ppm/Kの回路基板用LCPフィルムを得る加圧加熱工程と、を少なくとも備えることを特徴とする、
回路基板用LCPフィルムの製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記LCP樹脂組成物は、ポリアリレート1~20質量部をさらに含有する
請求項1に記載の回路基板用LCPフィルムの製造方法。
【請求項3】
前記LCPフィルムは、MD方向の引張弾性率Y
MD
とTD方向の引張弾性率Y
TD
の比(Y
MD
/Y
TD
)が2以上10以下であり、
前記加圧加熱工程では、前記LCPフィルムを加圧加熱処理して、MD方向の引張弾性率Y
MD
とTD方向の引張弾性率Y
TD
の比(Y
MD
/Y
TD
)が0.8以上2.0以下の回路基板用LCPフィルムを得る
請求項1又は2に記載の回路基板用LCPフィルムの製造方法。
【請求項4】
前記加圧加熱工程では、前記LCPフィルムを加圧加熱処理して、TD方向の線膨張係数が5.0ppm/K以上16.0ppm/K以下の回路基板用LCPフィルムを得る
請求項1~3のいずれか一項に記載の回路基板用LCPフィルムの製造方法。
【請求項5】
前記LCPフィルムは、10μm以上500μm以下の厚みを有する
請求項1~4のいずれか一項に記載の回路基板用LCPフィルムの製造方法。
【請求項6】
前記回路基板用LCPフィルムは、比誘電率ε
r
が3.0~3.9であり誘電正接tanδが0.0005~0.003の誘電特性(36GHz)を有する
請求項1~5のいずれか一項に記載の回路基板用LCPフィルムの製造方法。
【請求項7】
液晶ポリエステル100質量部、及びオキサゾリン基含有ポリマー1~20質量部を少なくとも含有する、
回路基板用LCP樹脂組成物。
【請求項8】
前記LCP樹脂組成物は、ポリアリレート1~20質量部をさらに含有する
請求項7に記載の回路基板用LCP樹脂組成物。
【請求項9】
液晶ポリエステル100質量部、及びオキサゾリン基含有ポリマー1~20質量部を少なくとも含有し、
TD方向の線膨張係数(α2)が16.8±12ppm/Kである、
回路基板用LCPフィルム。
【請求項10】
ポリアリレート1~20質量部をさらに含有する
請求項9に記載の回路基板用LCPフィルム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板用LCP樹脂組成物や回路基板用LCPフィルム及びその製造方法等に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
液晶ポリマー(LCP)は、溶融状態或いは溶液状態で液晶性を示すポリマーである。とりわけ、溶融状態で液晶性を示すサーモトロピック液晶ポリマーは、高ガスバリア性、高フィルム強度、高耐熱、高絶縁、低吸水率等の優れた性質を有しているため、ガスバリア性フィルム材料用途、電子材料用途や電気絶縁性材料用途において、急速にその実用化が進められている。
【0003】
液晶ポリマーを用いた樹脂組成物として、例えば特許文献1には、(A)液晶ポリエステルおよび(B)オキサゾニル基含有重合体からなり、成分(A)と成分(B)の比率が、成分(A)が99.9~0.1重量%、成分(B)が0.1~99.9重量%である液晶ポリエステル樹脂組成物が開示されている。
【0004】
また、液晶ポリマーを用いた樹脂組成物として、例えば特許文献2には、光学的異方性の溶融相を形成し得る熱可塑性ポリマー97.1~99.0重量%と、非晶性ポリマー1.0~2.9重量%(ポリマーの総量を基準にして)とからなることを特徴とするポリマーアロイが開示されている。
【0005】
一方、例えば特許文献3には、液晶ポリマーと、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリレート及びポリフェニレンサルファイドの中から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂とのブレンド体から形成されたフィルムであって、該ブレンド体における熱可塑性樹脂の割合が25~55重量%であり、該フィルムのMDとTDの両方向の線膨張係数が5~25ppm/Kであり、且つ、フィルムの厚さ方向の線膨張係数が270ppm/Kを超えないことを特徴とする液晶ポリマーブレンドフィルムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平09-286903号公報
特開2000-290512号公報
特開2004-175995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
液晶ポリマー、とりわけ液晶ポリエステルを用いたLCP樹脂組成物は、高周波特性及び低誘電性に優れることから、今後進展する第5世代移動通信システム(5G)やミリ波レーダー等におけるフレキシブルプリント配線板(FPC)、フレキシブルプリント配線板積層体、繊維強化フレキシブル積層体等の回路基板の絶縁材料として、近年、脚光を浴びている。
【0008】
しかしながら、特許文献1では、LCP樹脂組成物のガスバリア性や機械強度に着目して、ガスバリア性成形品、容器、チューブ、ミート、繊維、コーティング材、電子材料包装フィルム等へ応用を検討するに留まっており、フレキシブルプリント配線板(FPC)等の絶縁材料としての適用はなんら検討されていない。
【0009】
また、特許文献2では、電気絶縁材や電気回路基板材としてLCP樹脂組成物の有用性こそ言及されているものの、実際には、LCPフィルムの機械強度(端裂強度、すなわちフィルム等の端部に生じる欠損や破れに対する強度)の向上のための改善提案がなされているに過ぎない。
【0010】
一方、特許文献3では、液晶ポリマーと特定の熱可塑性樹脂との樹脂組成物Tダイ溶融押出してのLCPブレンドフィルムを得た後に、二軸延伸することにより、面方向(TD方向及びMD方向)の線膨張係数に異方性がなく、かつ厚さ方向の線膨張係数の小さい液晶ポリマーブレンドフィルムが得られている。しかしながら、得られる液晶ポリマーブレンドフィルムは、ポリアリレート等の熱可塑性樹脂を多量に配合しているため、耐熱性、誘電特性、引張強度等が低下したものとなり、実用性に劣るものであった。
(【0011】以降は省略されています)

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